MOONAGE DAYDREAM / David Bowie
MOONAGE DAYDREAM / David Bowie
ムーンエイジ・デイドリーム/ デヴィッド・ボウイ(Blu-ray)
これは昨年公開時に観ている。
ところが、その頃は親の病気のことが気がかりで、(いつ病院から電話かかって来るか)という状態だったので、映画に集中出来なかった。
その後Amazonプライムで配信が始まって、何度も視聴したけれど、Blu-rayが安くなってたし、ドルビー・アトモス音声収録だったので購入。
ボウイのスペイシーなサウンドとアトモスは相性良くて、凄く楽しめる。一応、ざっくりとは時系列な構成だけど、かなり細かく編集されており、時代が行きつ戻りつしたりするし、イメージ・フィルム的な挿入も随所にある。
アーティスティックな演出で、何というか、とてもボウイ的なのだ。もしボウイが生きてて自分の半生を描いたら、こんな感じに仕上がったのではないか。
ジギー期の映像は何度も出て来るし、重要ではある。例のジェフ・ベックが客演した"Love Me Do"も見ることが出来る。
僕が最も興奮したのは、78年のツアー、"STAGE"期(1978)のライヴ映像だ。
ギターにカルロス・アーマーとエイドリアン・ブリュー、バイオリンにデヴィッド・クロス(キング・クリムゾン)、キーボードにロジャー・パウエル(トッド・ラングレン&ユートピア)を従え、名曲"Heroes"を歌うボウイは実に美しい。
We can be Heroes
just one day
僕たちはヒーローになれる
一日だけなら
このツアーは日本公演もあり、NHK『ヤング・ミュージック・ショー』で放送された。その時の対訳はロッキング・オンの岩谷宏さんだったんだけど、岩谷さんはこう訳したのだ。
いつの日にか
きっとヒーローに
まあ、普通(というかボウイも)、one dayを「一日だけなら」という意味で書いたのだろうけど、岩谷さんは、敢えて希望的に「いつの日にか」と意訳したのだ。これには感動した。
ボウイのライヴは3回行った。"Heroes"を3回聴けたのだ。最高のロック体験だった。
他にも、まばたきするのを惜しむくらい、凝視したくなる場面の連続なので、未聴の方はぜひぜひ。
my note #158