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【僕たちは母を介護する】-33「負担」

見舞いを終えて帰るとき、面会について病院へ相談した。
今は私と次男が毎週1回見舞いをしているが、三男も見舞いに行かせたい。
理由は3つあった。

一つは、御袋に元気を出してもらいたいこと。
もう一つは、私も次男も仕事の負担が大きくなってきたこと。
あと一つは、大病に挑んで回復している御袋の様子を見て、三男の励みになればいいなと思ったこと。

その思いは伝えず相談してみると「大丈夫です」と回答を得られた。
私は深くお礼を言った。

帰りの車の中で、次男と今後の話をした。
面会のこと、入院費のこと。転院した後のこと。
概ね、私の意見を次男は聞き入れてくれた。

夜、私は今日あったことを三男に伝えるため電話した。
御袋の状態を伝え、面会のことも伝えた。
「御袋も俺たちばかり見ても刺激がないだろうし、お前のことも気になるだろうからな。俺たちも交代で面会になったら助かるし」
「うん、わかった」
相変わらず声に張りはない。、しかし、気にせず続けた。
「それで、何かあったら今まで通りメールや電話で、情報共有していければいいと思う」
御袋が一般病棟に行ってからは、三男は面会をしていない。
そのため、私たちが面会した時や、病院から連絡があったことは、その都度メールや電話をして伝えてきた。
「わかった」

それから入院費のことや、介護について話をした。
すると、三男は自分の健康状態や経済的理由を話し始めた。
確かに、心身不調なのは知っている。
経済的にも厳しいのだろう。
しかし、それは私たちも同じ。
だが、私は「そうか、わかった。無理するなよ」とだけ伝えた。

今までと違う生活リズム、経済状態になるのは厳しいだろう。
私は兄弟ですべてを3等分しようとは思っていなかった。
しかし、それはあえて言わなかった。
次男と二人でやる自信もあったし、心身不調の者に言っても酷なだけだろう。
ただ、『彼はいつか介護や支援をしなかったことを後悔しなければよいのだが』と思い、何も言わないことにした。

しばらくして、次男に三男の話をした。
次男は「兄貴と俺の二人で(見舞いや費用について)すればいい」とだけ答えた。

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