ブタペスト四重奏団とジョージ・セルのピアノを、ライブ録音で聴く。1940年代の演奏だが、遜色がないどころか、今の演奏・録音よりいいのでは…
きょう聴いた曲。
今は夜、子どもらは寝静まり、自分一人の貴重な時間だ。
最近は室内楽の気分なので。
きのう聴いた、モーツァルトのピアノ四重奏曲をもう一度聴く。
それから、ブラームスのピアノ五重奏曲。
演奏はいずれも、ジョージ・セルのピアノと、ブタペスト四重奏団によるライブ録音。
ホワイトホース(スコッチの銘柄です)を、暑くなってきたので、氷を入れ水割りにして、ちびりちびり飲りながらの鑑賞。
ブラームスの途中、睡魔に襲われ…それもまたよし。
週末の贅沢。
喰うため、喰わせるために稼ぎ、ようやく週末が来た。
心身ともリラックスすることが必要。
音楽を楽しみ、音楽を身体に入れて、音楽の美を堪能する。
感動することで、心身を開放するのである。
真剣かつ、おもしろい営みである、音楽を鑑賞するということは。
モーツァルトのピアノ四重奏曲は、軽みがある。
”現実”の汚濁が感じられない。
ブラームスは、よく考えられた曲なのだろうが、まだ自分にはよくわからない段階だ。
4,5回は聴いたろうか、たぶんもう少しで楽しめる段階に入るだろう。
1940年代のライブで、モノラル録音だが、十分鑑賞に堪えうる。
しかも、名手ぞろいの豪華な音源である。
ブタペスト四重奏団というのは、うまみのある、ぎっしりと詰まった、贅沢な音を出す。
それに、あの”大指揮者”ジョージ・セルのピアノ。
セルは、恐るべき音楽家である。
とにかく音楽をよく知っている。
ピアノが、なにせ本職のレベルなのである。
戦時中、日本が貧乏に苦しみながら総力戦で戦っていた時期に、こういう文化的な行為が米国では行われていた。
これは、”勝負あった”のだと思わされる。
この録音を聴くと、彼我の”豊かさ”のちがいに愕然とせざるを得ない。
金の力は侮れない、か。
金のないところに、文化の花は咲かないのかもしれない。
ヨーロッパから、名手たちがナチスの恐怖を逃れて、集まってきた。
そしていい音楽を奏で、稼いで、かの地で生きていた。
素人とか半可通が、よくわからずに喜んでいるのが80%だとしても、高級な聴衆が20%いれば、それはそれですごいことなのではないだろうか。
まず、経済的に文化を育めることが重要で、玉石混交でもいい。
すごいものが、少しでもあればそれでいい。
などどいうことを考えながら。
最後は、ハイドンの弦楽四重奏曲を2曲。
53番”ひばり”と64番。
これもブタペスト四重奏団の演奏。
ハイドンは、いい。
実にいい。
苦労人が、誠実にしたたかに、生き抜いて、このような作品を残した。
ハイドンもまた、巨匠なのである。
最後に、ハイドンの、ピアノトリオ39番”ジプシー”のロンド。
ブタペスト四重奏団のライブで、アンコールで演奏されたものと思われるが、今晩のしめくくりはこの曲でした。
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