モーツァルトを2曲聴く - ”弦楽三重奏のためのディヴェルティメント”KV563と、クラリネット五重奏曲
きょう聴いた曲。
モーツァルトの”弦楽三重奏のためのディヴェルティメント”KV563(ブタペスト四重奏団のメンバー)と、クラリネット五重奏曲(ブタペスト四重奏団とランゲナス)。
前者が1994年、後者が1940年の録音。
古いけど、音質的にはもちろん、音楽的にも素晴らしい出来栄え。
公開録音、おそらくラジオ放送されたものだろう。
ブタペスト四重奏団のライブ20枚組の1枚。
ジョージ・セルのピアノ演奏が目当てで買ったアルバムだったが、ブタペスト四重奏団の演奏が予想以上によく、セルのピアノ、プラスアルファで大満足である。
楽曲は、わずか35歳で天に召されてしまった天才作曲家の、晩年の傑作2曲。
仕事の量と質は、生きた年月の短さとは関係がない。
充分、彼は生きたと言っていいのだろう。
しかし、もう少し長生きして、”ふつうの暮らし”を味わってもらいたかった気もする。
その音楽同様、”もたつき”などは、彼の人生にはなかったのだろうか。
彼の書いたの音楽の如く、風のように生きて死んでいった。
この2曲、明るく清澄で、気品があり、可愛らしく、でも悲しくもあり、枯れていると言えば枯れている面も、感じられる。
そして、”さみしさ”も。
とはいえ、彼の音楽の根本には、肯定というか、前向きさが感じられる。
すごいと思う。
たぶん、勤勉で努力の人でもあったのだ。
才能だけで、あれだけの仕事を成せるわけがない。
神に愛されたが故、人よりも早く神の元に呼ばれたのか。
そんなことも、考えてしまうのである。