ブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴く。アバド&BPO、シャハムのヴァイオリン。瑞々しく、若々しい魅力にあふれた名盤。

きょう聴いた曲。

ブラームスのヴァイオリン協奏曲。
アバド&BPO、ヴァイオリンはギル・シャハム。
実に美しい。
オーケストラとヴァイオリンともども、若々しく、瑞々しい演奏。

アバドは、自分がずっとまともに聴いてこなかった演奏家だが、このところ彼の演奏にはまっている。
スリムな響きの中に、強靭さと歌心が共存していて、ビリビリとした緊張感も欠けていない。
実にインスパイアリングなのである。
録音もいいし、これから聴く楽しみが増えた音楽家。

同じ曲の演奏でも、ベルリン・フィルとカラヤンだと、もっと老巧というか、オケが豪快に鳴りまくる、というと品がないけれども、ものすごい迫力がムターとの盤にはあって、19世紀のロマンをたっぷり残している演奏に聞こえる。
あれはあれで、すごい音楽だった。

巨匠がお気に入りの若いソリストを迎えて、俄然張り切って手兵を老獪に指揮する。
そんな印象。
すごい演奏で、まるで引きずられるような強烈な求心力を感じた。
逃げようがない、とでも言おうか…
でも、若々しい魅力には少し欠けていた。

要は、カラヤン・ムター盤にないよさが、アバド・シャハム盤にはあるということだ。
どちらも好きなのだけど、同じオーケストラが弾く、同じ曲とは思えないこともあるくらい、ちがう演奏。

とかく評判がよくなかったきらいのある、アバドとベルリン・フィルのコンビも、なかなかよかったのではないか。
そういう感想を持った。

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