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2022年読んだ本BEST20

2022年に読んだ本は149冊になりました。ここ数年は120〜130冊だったので、若干増えました。特に年間読書数の目標は決めていないですが、月10冊を目安に読むようにしています。

読書メーターを使って読んだ本は全てまとめています(累計1,914冊)。

さっそく、149冊の中から年間ベスト20冊を紹介します。自分でも毎年末に、このように整理するのは、記憶を掘り返す意味で好きな作業です。

2022年読んだ本ベスト20一覧

  1. 『南京事件』/笠原 十九司

  2. 『“社風"の正体』/植村 修一

  3. 『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』/安宅和人

  4. 『ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件』/楠木 建

  5. 『向日葵の咲かない夏』/道尾 秀介

  6. 『恋する西洋美術史』/池上英洋

  7. 『三位一体の経営』/中神康議

  8. 『現代の百貨店』/小山 周三

  9. 『キネマの神様』/原田 マハ

  10. 『DIVE!! 下』/森 絵都

  11. 『老前整理のセオリー』/坂岡 洋子

  12. 『熱湯経営―「大組織病」に勝つ』/樋口 武男

  13. 『女性活躍の推進―資生堂が実践するダイバーシティ経営と働き方改革』/山極 清子

  14. 『小売再生 ―リアル店舗はメディアになる』/ダグ・スティーブンス

  15. 『シンプルなクローゼットが地球を救う: ファッション革命実践ガイド』/エリザベス・L・クライン

  16. 『抄訳版 アメリカの鏡・日本』/ヘレン ミアーズ

  17. 『すごい立地戦略 街は、ビジネスヒントの宝庫だった』/榎本 篤史

  18. 『「流通戦略」の新常識』/月泉 博

  19. 『子どもとあそび: 環境建築家の眼』/仙田 満

  20. 『全面改訂 超簡単 お金の運用術』/山崎 元

以下は、それら20冊の詳細を書いて行きます。

1位/★4.5/『南京事件』笠原 十九司

(岩波新書/岩波書店)P.248/1997年/640円+税
日本軍による暴行の事実には読む手が震えた。学校では詳しく教えないため、自ら多角的に知り、個人が未来の行動に繋げるべきと感じた。南京事件が起きた背景やシステムもよくわかる。

2位/★4.2/『“社風"の正体』植村 修一

(日経プレミアシリーズ/日本経済新聞出版社)P.256/2018年/850円+税
1)登場企業が多かった点、2)引用される本が多かった点が良かった。継続企業の共通点は、技術ではなく、社風(企業文化)が優れており、それがしっかり社員に浸透していることだろう。

3位/★4/『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』安宅和人

(NewsPicksパブリッシング/ニューズピックス)P.444/2020年/2400円+税
今、必須なのは「AIxデータ」。その上で意思に基づいて人間が課題解決を行うべきだ。そのような人間を教育するために日本がどう変わるべきなのかも言及されている。安宅版『FACTFULNESS』という印象。

4位/★3.9/『ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件』楠木 建

(Hitotsubashi Business Review Books/東洋経済新聞社)P.544/2010年/2800円+税
ウィットに富んだ文章の読みやすさが魅力。戦略づくりは「思わず周囲の人人々に話したくなる」必要があると説く。ポーター氏のポジショニングだけでなく、組織能力(OC)の重要性に改めて気づいた。

5位/★3.8/『向日葵の咲かない夏』道尾 秀介

(新潮文庫/新潮社)P.470/2008年/670円+税
初めて道尾秀介の作品を読んで衝撃。フィクションとノンフィクションの絶妙な間を描いていて、今まで読んだことのない作品だった。人には誰しもうちに潜む残酷な感情がある。それを上手く表現した作品。

6位/★3.8/『恋する西洋美術史』池上英洋

(光文社新書/光文社)P.312/2008年/880円+税
西洋美術は宗教的背景がわからないので得意でない。しかし、変わった角度から解説し、その時代のファッションや世俗まで見えてくると大変面白い。ブリューゲル『農民の婚礼の踊り』はモネ的発想の転換を感じた。

7位/★3.8/『三位一体の経営』中神康議

(-/ダイヤモンド社)P.378/2020年/2200円+税
ビジネスマンにおすすめ。きっと従業員持株会に入りたくなる。中でも、障壁を築く説明が勉強になった。ギリギリの投資判断こそが経営者の仕事だ、と聞いて自らを顧みるきっかけにもなる。

8位/★3.8/『現代の百貨店』小山 周三

(日経文庫/日本経済新聞出版社)P.212/1997年/860円+税
20年以上前の本だが、今も全く遜色ない。根本課題は、改革しない経営のマインドセット、仕入れ先との取引体制の見直し、販売体制(5適)の総点検だ。原点に立ち返ってお客様を理解し、企業理念を再確認すべし。

9位/★3.7/『キネマの神様』原田 マハ

(文春文庫/文藝春秋)P.331/2011年/620円+税
初めて読んだ原田マハ作品。素直で朗らかな流れが気持ちよく、ラストも綺麗。後半は4回ほどウルっときた。私も映画館で見る映画が好きだ。はじまる前、終わった後、その後の語らい、全て含めて作品だ。

10位/★3.7/『DIVE!! 下』森 絵都

(角川文庫/角川書店)P.384/2006年/552円+税
高飛び込みとは、普段馴染みもなく、1.4秒で終わる競技。それを文字だけで読者を惹きつけ、感動させることができる森さんはすごいと思う。読書を普段しない人でものめり込める、爽やかなスポ根小説です。

11位/★3.7/『老前整理のセオリー』坂岡 洋子

(NHK出版新書/NHK出版)P.224/2015年/740円+税
ものが溢れていることは健康的・精神的にも危険な状態で、老後になっては手遅れ。重要なのは親子のコミュニケーションだ。飽く迄も親に"選んでもらう"姿勢が大切。私も実家にある本・漫画などを早急に整理しないと。

12位/★3.7/『熱湯経営―「大組織病」に勝つ』樋口 武男

(文春新書/文藝春秋)P.197/2007年/700円+税
熱湯経営とは読んで字の如く、大企業病を払拭するような、ハングリー精神溢れる経営のことだ。ゼロから始めた創業者オーナーこそ"大企業病"を自覚しやすいのだろう。それを後継することの難しさを実感した。

13位/★3.7/『女性活躍の推進―資生堂が実践するダイバーシティ経営と働き方改革』山極 清子

(-/経団連出版)P.208/2016年/1600円+税
資生堂の場合、当時の社長が米国で女性活躍の重要性を肌で感じたところが大きい。また、女性活躍とWLBを両輪で実施したことも重要だ。女性だけでなく、ダイバーシティを推進する上での優先順位が女性活躍なのだ。

14位/★3.6/『小売再生 ―リアル店舗はメディアになる』ダグ・スティーブンス

(-/プレジエント社)P.344/2018年/1800円+税
変化の早い小売業、ECの興隆もあってリアル店舗は変革なしには生き残れない。独自性あふれる体験ができる、わざわざ来店することの意味を深く考える必要があり、その行き着く先に小売の存在価値がある。

15位/★3.6/『シンプルなクローゼットが地球を救う: ファッション革命実践ガイド』エリザベス・L・クライン

(-/春秋社)P.264/2020年/1800円+税
LEEDや生活賃金に切り込むなど、しっかりした内容。ファッションへのサステナブルな向き合い方、取り組みが全方位的に書かれている。日本の消費者が欧米並みの環境意識になるのはいつ?企業はその先手を打たなければ。

16位/★3.6/『抄訳版 アメリカの鏡・日本』ヘレン ミアーズ

(角川oneテーマ21/角川書店)P.328/2005年/781円+税
マッカーサーにより日本で翻訳・出版が禁止された本。事実を元にフラットに書かれている。日本は、軍事費は微々たるもので、装備も人材も尽き、補給路を絶たれても精神論とメンツで攻め続けた。この失敗から学ばねば。

17位/★3.6/『すごい立地戦略 街は、ビジネスヒントの宝庫だった』榎本 篤史

(PHPビジネス新書/PHP研究所)P.231/2017年/870円+税
コンビニ業界でも7&iが一番なのは立地戦略が優れているというのは気づかなかった。売るものはほぼ同じであれば、自社のお客様をきちんと理解して上で、立地を差別化し、生き残るしかない。

18位/★3.6/『「流通戦略」の新常識』月泉 博

(PHPビジネス新書/PHP研究所)P.206/2007年/800円+税
ファストリの2005年決算スライドにある”情報製造小売業”が上梓のきっかけ。ECが発達しリアル店舗の存在意義が求められる今、ドンキの楽しさと感動を提供する売り場には大きなヒントがあると感じた。

19位/★3.6/『子どもとあそび: 環境建築家の眼』仙田 満

(岩波新書/岩波書店)P.208/1992年/700円+税
子供に関する本を様々読んできたが、「遊ぶ」ことは学校での勉強と同義だ。親がしっかり外で遊んだり、手を使った遊び時間を確保することが肝要。「想像力は子供達の自由な遊びを通して育まれる」。

20位/★3.6/『全面改訂 超簡単 お金の運用術』山崎 元

(朝日新書/朝日新聞出版)P.232/2013年/760円+税
ほぼ著者の価値観と一致なので高評価。著者は優先順位を①本業の稼ぎ②節約、貯蓄の習慣③不動産で失敗しない④生命保険は極力入らない⑤都会は自動車不要⑥資産運用は自ら学ぶ、としている。

総括

2022年のベスト20を改めて考えてみると、新書、小説、ビジネス書、アート、ファッションがバランスよく入っていて、今年は特にハードカバーのビジネス書が例年よりも多かったです。私自身が活字を読むことや、他人の考えや人生観を知ることが好きです。また、私が読み、その書評を誰かが見て、その人がその本を手に取ることで、考えや人生が1mmでも変わることが出来れば嬉しいです。2023年もどんな本に出会えるか、楽しみです!

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Naota_t
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