展覧会レポ:ホテル雅叙園東京「和のあかり×百段階段2023 ~極彩色の百鬼夜行~」
【約2,700文字、写真約50枚】
目黒のホテル雅叙園で開催されているアートイベント「和のあかり×百段階段2023 ~極彩色の百鬼夜行~」に行ってきました。その感想を書きます。
結論から言うと、想定以上に楽しかったです。行く機会のないホテル雅叙園に入ることが楽しかったし、百段階段自体と、そこに展示された作品も美しかったためです。お出かけの選択肢として新鮮で強くおすすめです。
▶︎きっかけ
行くきっかけは、1)毎年、様々なSNSで投稿されるため百段階段の存在は知っていた、2)美術館が苦手な人でも行きやすい、3)雅叙園に行く機会がない、と思ったためです。
▶︎アクセス
雅叙園へは目黒駅から徒歩約10分。駅から急な坂道を下った先にあります。かなり傾斜が急なので、足の弱い方には困難かもしれません。
そのため、駅とホテル間を1時間に3本往復している無料バスの利用がおすすめです。私は、行きは歩き、帰りはバスを利用しました。
▶︎ホテル雅叙園東京について
初めて訪れた雅叙園について調べました。
1931年に高級料亭の目黒雅叙園として誕生。お客さまに食事以外でも楽しんでもらうため約2,500点の壁画や天井画、彫刻などで館内の装飾を施しました。その中に、東京都指定有形文化財(2009年指定)の「百段階段」があります。2017年に目黒雅叙園からホテル雅叙園東京へリブランドしました。
雅叙園は、館内に神殿・衣裳室・美容室・宴会場を作った日本初の総合結婚式場らしいです。また、現存する最古と言われる回転テーブル(中華料理屋の回すやつ)があり、現在も修復して大切に使用しているとのことでした。
▶︎和のあかり×百段階段2023 ~極彩色の百鬼夜行~
このイベントでは、有形文化財の百段階段と、その左右にある部屋に様々なアートが設置されています。観覧者は自由に部屋を行き来できます。
このイベントでは、部屋ごとにテーマを決めて、趣向を凝らした様々な作品を展示しています。スマホや一眼カメラで撮影するのも楽しいと思います。
部屋に置かれた映える作品に目が行きますが、部屋にもともと設られた壁や天井の絵そのものがどれも素晴らしかったです。飽く迄、主役は壁や天井の作品とし、それらが引き立つような展示構成にしてもいいかと思いました。
展示されている作品は、アーティストの純粋美術は少数で、企業や工房の応用美術が多かったです。2015年から実施しているため、マンネリ化しないように毎年工夫するのが難しそうですね。
草間彌生やクワクボリョウタなどの現代アーティストの作品を置いても集客が期待できると思いました(予算的に難しいのでしょうか?)。
このイベントは、文化財を有効に使っている良い事例だと思いました。文化財はただ保存しているだけではもったいないですね。階段や部屋ごとに丁寧なキャプションも多かったことも特徴的でした。強いて言えば、外国人の方も多くいたので英語併記があった方が親切かと思いました。
また、HPが充実していました。その中で、撮り下ろしのきれいな写真や出展者紹介も丁寧に説明されていました。雅叙園側と出品者側と原稿チェックなど大変だっただろうと要らぬ想像をしてしまいました。
お客さんは、中年の方だけでなく、若い人や外国人も多かったです。また、若い方も含めて着物を着た方が多くいました。一般的な美術館などと違った趣きのため、休日のお出かけやデートにピッタリだと思いました。
欧米からの観光客の方はどう思っていたのでしょうか?ヨーロッパの神殿などとは全く違う日本の趣き全開の空間は楽しかったでのは、と思いました。
▶︎その他雅叙園の様子
百段階段のほか、ホテル内の豪華な装飾に驚きました。アクセスは若干悪いですが、地方から旅行や結婚式で訪れた日本人だけでなく、外国人観光客も楽しめる&記憶に残るホテルだと思いました。
▶︎まとめ
いかがだったでしょうか?普段、美術館に行くことが多い私にとって、このイベントは想定以上に楽しめました。1)普段行かない雅叙園ホテルに入れた、2)有形文化財の百段階段そのものの装飾が豪華、3)作品の展示が美しく、説明も丁寧だったためです。普段とは趣向を変えたお出かけにはピッタリの場所だと思いました。
▶︎今日の美術館飯
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