見出し画像

【2024年】読んだ本ベスト20(年間156)

【約4,400文字、写真約5枚】
2024年に読んだ156冊のうち、特に満足度が高く、オススメしたい本を20冊紹介します。気になる本が1冊でもあれば幸いです。

▶︎ 結論

私はジャンル問わず本を読むため、ベスト20の分野もバラバラになりました。2024年の1位は圧倒的に『ユニクロ』(杉本貴司)でした。2025年はどんな本に出会えるのか、今からワクワクします!

▼ 2023年 読んだ本ベスト20

▼ 私の読書の履歴


▶︎ 2024年 読んだ156冊

2024年読んだ本1位→10位
2024年読んだ本11位→20位

2024年に読んだ本は、156冊(前年比+19.1%)と大幅に増加。2023年は基本的に土日は読書をせず、主に通勤時間に本を読んでいました。一方で、2024年は土日(不定期)に飲食店でモーニングを食べながら、約2時間読書したことが、総読書数の増加につながりました。

2024年読書まとめ

2024年で総読書数の足を引っ張ったのは、1冊読むのに6〜8日かかった山本周五郎の5冊でした。時間がかかったにもかかわらず、何を言いたいのかよく分からない。ただひたすら読みづらい文章を目で追う作業になってしまいました。山本周五郎を読んでいなかったら、10〜20冊は総読書数が増えていたかもしれません。

読了日数の内訳

2023年度の国語に関する世論調査(文化庁)で、1カ月に読む本の冊数が「0冊」と答えた人が63%となり、2008年度の調査開始以来で最多となったそうです。

今や、電車の車両内で読書している人は、私を除けば、1人いればいい方です。私は「人生が豊かになり、生きる役に立つ」実感があるため、読書を続けています。

実はこの調査では、大人の読書数は減少したものの、子供の読書数は増加している実態があります(参照)。現代の子どもたちが、さまざまなメディア・ツールに惑わされず、大人になっても読書を続けていれば、未来の国力は上がっていくと信じています。

▶︎ 2024年 ベスト20

以下、私が2024年に読んだ本の中からベスト20を、150文字以内の感想とともに紹介します。

1位:★4.8/『ユニクロ』/杉本貴司

私はユニクロに関する本をほぼ全て読んでいます(累計30冊以上)。その中でも本書が一番!膨大な取材に基づく事実、証言は他のユニクロ本を圧倒。日本を代表する偉人に見られつつある柳井正も、寝太郎時代がありました。その後、読書と実践から実力をつけて今に至ることは、次世代の道標になると思います。

2位:★4.3/『天才の思考 高畑いさおと宮崎』/鈴木敏夫

どの章を読んでも、その作品と当時の記憶が鮮やかに甦りました。私の人生にジブリが深く入り込んでいること、ジブリは日本の誇りだと再認識。スタッフを常雇いするスタジオ運営の厳しさ、作る・売る・観てもらう仕組みでヒット作を生む工夫などは目から鱗。鈴木敏夫による宮崎駿の扱い方のうまさにも脱帽でした。

3位:★4.2/『決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月』/秋場大輔

指名委員会や取締役会の透明性・実効性の重要さが理解できる一冊。トステム創業家出身の潮田が偽計を図り、当時のCEO瀬戸の解任から事件が始まります。株主提案で臨時株主総会を計画したり、総会で取締役候補を双方に立てるなどドラマの域を超えています。総会で瀬戸の勝利後、従業員が駆け寄るシーンは感動しました。

4位:★4.2/『教えるな!できる子に育てる5つの極意』/戸田忠雄

教師は全員必読。学校は、時代に合わせて古い体質を捨て、ユーザーの立場に立脚し、目的意識を強化してほしいと思いました。教師の質向上のために生徒による「下から評価」の導入、定期的な保護者と学校トップによる話し合いの開催、同調圧力を生み管理を強める「クラス一丸」の廃止などは参考になりました。

5位:★4.1/『中坊なかぼう公平・私の事件簿』/中坊公平

著者は弁護士の中坊公平。私は豊島事件を知りたくて読みました。平易で読みやすく、引き込まれます。森永ヒ素ミルク中毒事件の冒頭陳述は心に刺さりました。責任回避を続けた森永は、今でも当該事件について、HPや統合報告書で記載がありません。私もあるべき正しさを貫いた中坊公平のような人間になりたいです。

6位:★3.8/『ファンベース』/佐藤尚之

売上の8割は2割のファンがつくる。そう聞けば、目の前にいるお客様への対応も変わると思います。お客様に信頼されるには、商品の良さを押し付けるのででなく、背景や従業員の率直さなどを効果的に見せ、ストーリーを伝えることが重要。スタバはTVCMや値引きをしないのは、ファンベースが強固な良い例だと思います。

7位:★3.8/『アフリカ 人類の未来を握る大陸』/別府正一郎

アフリカ紛争の根本は格差拡大、教育の不徹底が原因だと理解できました。それを解消しない限り、人口が増えても、汚職・犯罪・レイプなども増えるだけ。プレトリアの高校での略奪・放火、ブルキナファソで生後9カ月で腕の直径が3cmの幼児、ニジェールでフィスチュラ治療を受ける15歳女性などの事例は胸が痛みました。

8位:★3.7/『象徴天皇の旅:平成に築かれた国民との絆』/井上亮

天皇だからと忖度せず、著者の中立的な立場からの批判の数々に好感がもてます。天皇に思い入れがほぼない世代の私にとって、象徴である天皇の務めの一端が理解できました。日本旗を振る奉迎者のサクラ、植樹祭のために木を伐採して道路をつくる矛盾、天皇と被災者の懇談に出しゃばる地元議員などは記憶に残りました。

9位:★3.7/『恍惚の人』/有吉佐和子

認知症をテーマに社会へ警鐘を鳴らした名作。有吉佐和子のすごいところは、真面目な文脈にも急にユーモアを挟み込む(腹が立ったついでに受付女性の鼻を整形と疑う昭子、茂造をモシモシさんと呼ぶ若夫婦など)など、バランスの良い仕上がりになっていること。私も恍惚の人になる前にサクッとあの世へ行きたいです。

10位:★3.7/『子どもと本』/松岡享子

親は必読の一冊子供と本の接し方や、図書館の意義や実務も学べます。著者は米国に留学し児童図書館学を専攻、帰国後も立派に活動する専門家。子供の成長には、幼少期にどんな本に出会い、親しんで育ったかが大きく影響します。今後、子供に読み聞かせを依頼される限り、嫌と言われるまで実施しようと思いました。

11位:★3.7/『魚が食べられなくなる日』/勝川俊雄

他国は資源の保護のために対策をとった一方、日本の漁業界は必要な修正をしなかったため、過剰な漁獲で水産資源が減少、国産魚の供給が不足。水産庁と天下りOBが牛耳る審議会は漁獲枠を問題視しなかった。気候変動ではなく、コンプライアンスの欠如が、日本の漁業界の凋落を招いたと理解できました。

12位:★3.7/『仕事をつくる 私の履歴書』/安藤忠雄

安藤忠雄を知るために最適な本。安藤忠雄は私が最も好きな建築家。大阪を愛する気持ち、一生青春と言うバイタリティあふれる行動力には共感し、勇気をもらえました。図書館をはじめ、子供に野生と知性を与え、明るい未来をつくる試みは、読書が好きな私は大賛成。安藤忠雄の魅力は、技術力以上に内面にあると思います。

13位:★3.7/『CFO思考 日本企業最大の<欠落>とその処方箋』/徳成旨亮むねあき

他の企業のCFOが書いた本も読みたくなりました。CFO思考=アニマルスピリッツに加え「冷徹な計算と非合理的なまでの熱意を併せ持ち、企業成長のエンジンとなるべき」という考え方です。中でも、IR活動が資本コストを下げる、資本コストを下げるために「サプライズのない経営」が重要などが印象に残りました。

14位:★3.7/『社会に良いことをする:ユニクロ柳井正に学ぶサステナビリティ』/北沢みさ

ユニクロのサステナビリティへの考えが網羅的に分かる1冊。従業員など約30名のインタビューから企業の社風や魅力も十分に伝わります。ユニクロのように「欲しいものがいつもある、事業そのものを通して世界を良くする」という企業の存在やコンセプト自体がサステナブルであることが、今後は世の中で問われると思います。

15位:★3.7/『おじさん、語学する』/塩田勉

文法的な説明は一切なし、心の構え方をメインに説明するといった、一般的なハウツー本と全く違うアプローチが新鮮でした。語学に絶対はなく、学ぶ人それぞれに合った上達法があります。私の場合、初めから細部の完璧を求めない、優しいテキストに日常から触れる、地道に年月かけて励むことを実践しています。

16位:★3.6/『知ってはいけない薬のカラクリ』/谷本哲也

現役の内科医である著者が「不都合な真実」を突き詰める正義感に感服。医者も製薬会社も、病気と戦い人類の福祉に貢献する点は共通しています。しかし、金銭的な結びつきは、医者の判断を歪め、患者に不利益が生じます。今後は「利益相反の透明性」を国が主体的に行い、マスコミもこの問題を正面から取り上げるべきです。

17位:★3.6/『終わった人』/内館牧子

主人公・壮介がジジババになりたくないと意地を張る「定年退職あるある」が笑えました。「終わった人」と決めるのは本人次第。「その人がその人らしく生きられる場があれば、それは誇りにつなが」ることが大切だと思います。私も「終わった人」とならないために、ある程度の手に職をつけ、会社人間にならないようにします。

18位:★3.6/『読書する人だけがたどり着ける場所』/齋藤孝

私は年間約150冊の本を読みます。「読書が人生の深みをつくる(=教養が人格や人生にまで生きる)」など、さまざまな角度から盛り込まれている読書の良さは、全てが深く頷けました。それらは読書が習慣になった人にしか分かりません。私が美術館に行くのも、読書と同じ理由だと気づきました。

19位:★3.5/『子どもが壊れる家』/草薙厚子

子供をもつすべての親にオススメ。酒鬼薔薇聖斗事件、佐世保北中学女児殺害事件などの加害児童の生い立ち、親の言動から背景をひもときます。特に、1)親の理想を子供に押し付けすぎない、2)メディアとの付き合い方を放任せずに見守り、指導することが重要だと思いました。悪いのは、ゲームやテレビではなく「親」です。

20位:★3.5/『わが投資術 市場は誰に微笑むか』/清原達郎

今までにない投資本だったため、楽しく読めました。清原達郎が失敗した数々を記している点が、本書の魅力だと思います。彼のスタイルは、日本の小型株をメインにPERとネットキャッシュ比率で割安株を選ぶ方式。その上で、企業の成長性は経営者の質がほぼ全て。企業側はHPの「経営者メッセージ」に気合を入れるべし。

1位〜156位

ご参考に、1位〜156位は以下でした。

▶︎ まとめ

気になった本はありましたでしょうか?2025年はどんな本に出会えるのか、ワクワクしながら、日々読書を続けたいと思います。


いいなと思ったら応援しよう!

Naota_t
Thank you for your support!

この記事が参加している募集