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優秀な若い人に囲まれて新しい仕事をするしんどさから学んだこと

皆さんは、「ボランティア活動」に参加したことはありますか?

入試の面接でもよく質問されることですが、
大人の皆さんで、日常的に参加している人はどれくらいいるのでしょうか。

首都圏にいると、さまざまなイベントや催し物があって、
「ボランティアスタッフ」として働く機会も多いかと思いますが、
地方に行くと、「ボランティア参加」のハードルが高いと思います。

ボランティア=学生のイメージが強いと思いますが、
今回、初めて結構大きな地域イベントのボランティアスタッフをすることになりました。

震災があったとき、単発の片付けボランティアがあったり、能登地震の時には、疎開した生徒たちの寮監教員のボランティア、地元のマラソンのボランティアスタッフの募集があったり、ポツポツと教員に募集がかかるものもあるのですが、今回は全くの「外の仕事」でしたので、年休を使って参加しました。

制度として「ボランティア休暇」というものもあるのですが、その申請が非常に面倒で、何がOKで何がNGなのかもよくわからないので、そのまま年休を消化することになってしまいました。

今回は知り合いの知り合いというところから、「英語を話せる人が欲しい」ということで声をかけていただいたのですが、私の配属された場所は、英語が話せて当たり前の人が集められた部署だったので、本当に優秀な若い人ばかり。

高校生や大学生が圧倒的に多いのですが、ポツポツと社会人の若い人もいて、
ほとんどの人たちが、小学生や中学生の時からそのイベントに参加していたり、ボランティアとして働いていたりしているので、仕事もできます。

留学生の人もいたので、英語は当たり前で、中国語、日本語が話せたり、一人で3ヶ国語を話す高校生もいたり(その学生は、9月から海外の大学に進学するそうです)、もう自分の語学力の貧弱さが情けなく思えてしまいました。

それでも、中年BBAの図々しさを発揮しつつ、外回りの仕事は何とか役に立つことはできたかなと思ったりもしています。

若くて優秀な人たちと、新人の年寄りが上手くやっていくためは、こちら側がよく考えて、できることとできないことを謙虚に見極めて行動しなければいけないなと実感しました。

一昔前なら、50代の人たちって定年リタイアしていたり、すでに死んでたりする(1?)年齢だったわけで、そんな人たちが、新しい組織で幅を利かせてしまっていては、良くなるものも良くならないと思っています。

実際に、自分がその中に入ってみて、今は「自分は役に立てたのだろうか。」という疑問と不安しか残っていません。
来年もやってみたいかと言われると、かなり疑問が残りますが、
こういうことを考えることができたのも、「実際にやってみたから」得られた学びなのかなと思うようにしています。

翻って、
「この優秀な若者は、学校教育のおかげでこうなったのか?」と言われると、
そうでもないことがよくわかりました。

・生まれ育った家庭環境や家庭教育
・何事にも興味関心を持って、自分から積極的に行動できる性格
・小さい頃から、さまざまな人と交流し、多くの実体験をしている
・海外で学ぶ機会を持っている、または持っていた。
・人と関わるのが好き

これらの要素って、英語教育、学校教育だけで身についたものではないよな。
学校以外で多様な経験をして、彼ら自身が学び、身につけたものだと、一緒に働いていて思いました。

「ボランティア活動」をしなさい、と学校や先生方は言うけれど、
実際にボランティア活動をしている職員はどれくらいいるのでしょうか。
学校の校務で一杯一杯で、部活動といっても、それも学校教育の枠の中で行われているわけで、社会の中で「一個人として」働くというか活動することは、実際に自分でやってみなければわからないことがたくさんあります。

今回のボランティアで実感したのは、英語話者は、欧米人よりもその他の国から来た人の方が圧倒的に多いということでした。
中国からの観光客はもちろん、韓国、東南アジア、アフリカなど、それぞれの母語は違いますが、意思疎通をするための共通言語として英語を当たり前に使っているということでした。
何ヶ国語も話せる高校生が言っていたのですが、ヨーロッパ言語で一番使用頻度が高い、便利な言葉はスペイン語だそうです。スペイン語→イタリア語→フランス語
ぐらいの順番で、通じる相手が多いと言っていました。

もう、英語だけ話せるというのは、アドバンテージでも何でもなくて、当たり前になっているわけで、その他に、何語を話せるの?というレベルまで来ているのだなと実感。

気力、体力、語学力。
この3つが揃っている学生は、間違いなく日本から出ていきます。
「日本に留まる」理由というか、アドバンテージは日本国内にはもうないのだなと思いますし、
今の若者は内向きだ、なんてこともないのだ。

教育大学を出ても、教員にならないのはもう、当たり前の時代です。
公立学校の教員になるよりも、魅力的な教育系企業がたくさんあります。
さらに、学校の外で子どもたちと関わることの方が、より教育の本質に近い活動ができてしまったりもします。

そういう企業や団体で、なまじっか経験を積んだ中年が、うまくやっていくことができるかというと、本当に難しい。
だから、今いる現場での再任用に縋ってしまうという理由もわかるような気がします。冒険すれば、怪我をすることがわかっているからです。

今回のボランティアを経験して、自分の「第2の人生」どうしたいのか、考えるヒントを与えてもらえ、貴重な経験ができたと思っています。

教員を退職して、その後どうするの?
自分なりに考えてきたつもりではありましたが、現実問題として「何を、どう働くか」を真剣に考えてみなければいけないなと。
年齢や経験があるから、何とかなるだろ。なんて、甘い考えを捨てた方がいい。
現状に甘んじるのではなく、再度社会に出ていくためには、
今以上に努力し、能力と人間力を高める必要があることを実感しました。

優秀で、心優しいチームの皆さん、
大変でしたけれど、楽しい4日間でした。
本当にありがとうございました。
皆さんのこれからの前途が、希望と明るさに満ち溢れていますように!

皆さんから学んだことを、これからの仕事に活かしていきたいです。
この夏のすばらしい音楽と人々との出逢いに感謝しつつ、
私もこれからの新しい旅に備えたいと思います。


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