【ベートーヴェン誕生地で演奏出演しました ・ 音楽と旅】ドイツ🇩🇪ボン・その2
ご覧いただき、ありがとうございます!
ピアニストの吉村直美です♪
ドイツでの演奏と旅LOGの続きを綴っていきます🎹✈︎
前回の記事はこちらです✈︎
今回は、
『私とベートーヴェンハウスとの出会い~演奏に招かれるまで』
という体験談を綴っていきたいと思います。
▪️ベートーヴェンハウスと出逢う頃の私
私が初めて、ベートーヴェンハウスへ来たのは、私がドイツでの留学生活を始めて2年目の頃でした。遡ること、約20年前になります。(早っ🫨…)
当時の状況といえば・・・
高校時代、ピアノの道を目指すかどうかについて悩み、いろいろは葛藤を経た後、、運よくドイツの音大に入学したのですが、
実のところ、思うように演奏スキルを身につけられず、悩んでいた時でした。
当時のドイツでのピアノの師匠から、
『緊張する舞台での演奏でも、感情表現が可能なテクニックが身につくまでは、演奏会に出演するべきではない』
との見解から、私は未だ舞台で演奏できるレベルではないとの判断を下されており、大学内のクラス発表会ですら、出演の許可を一度もいただいていない状況でした。
今振り返ると、当時の私にとって賢明で相応しい判断を下していただけたと、感謝の念を持って確信しています。
しかし、当時は、大学に入学して約1年。。
クラスメイトや周囲の学生達、私の後から入学した人達も、どんどん学内コンサートで演奏しているのを目の当たりにしており、そのような月日が1年も経過。。
その頃には、好きであったはずのピアノを弾く時には、常に悲しみが付き纏うようになってしまっていました。
いろいろな方々から許しを得て、クラシック音楽の発祥地と言われるドイツで留学した先で、こんな思いで勉強しているなんて・・・・
悲しみは日に日に増していきました。
「ピアノの道を目指すかどうか・・」という初めての葛藤から、
人前で演奏するピアニストレベルに達してないと言われる劣等感へと変化し、解放されるにはどうしたらよいか・・・という第二の葛藤に突入していました。
『プロのピアニストになる必要は無いのかもしれない』
そのようなことを想うようにもなったある日でした。
▪️初めてベートーヴェン生家へ踏み入れた時
留学でドイツに滞在できる間に、責めて、尊敬する作曲家に関する生家を訪ねておこうという思いから、当時住んでいた北ドイツ・ロストックからボンへ旅行する機会に恵まれました。
そして、初めての来館で目にしたのが、ベートーヴェンの補聴器。。。
その頃、私は10代後半でしたが、故人の苦難に初めて涙した瞬間だったかもしれません。
学ばさせていただける機会を得ているのに、思うような評価を頂けない事が気になり、演奏時に葛藤している自分の心を恥ずかしくも思いました。
聞こえなくても死を選ばず、命をかけて音楽を残してくれたベートーヴェンの生き様、そして、音楽にどれだけ奮い立たされた事でしょう。。
生前の記録については、もちろん、目にできる物が全てではありませんので、明らかにされていない人間的な部分も、たくさんあるかと思います。
しかし、10代後半で体験させていただけたこの想いは、私自身の要にもなった気がしています。
『芸術とは何か』
『生きるとはということか』
『貢献とは何か』
芸術家が他者に貢献するあり方も、教えてくれた体験でした。
その後、ドイツでの別の音楽大学に入学し、演奏家としてデビューする機会を頂いたりという経験を経て、約20年経った数年前のことでした。
実はそれまでにも、ベートーヴェンを思わざるを得ない体験もありました。
▪️突発性難聴
突発性難聴になり、当時の主治医の判断により、ピアノを聴くことも弾くことも、避けなければならない時期もありました。
その時の様子は、過去のブログ(2020年)に記載しています🍀
気晴らしに音楽を聴くということも許されない状態でした。
この時ばかりは、今までの葛藤も望みも捨てざるを得なくなり、全てを手放した想いになりました。
この時も、私の心をよぎったのは、ベートーヴェンの音楽と10代の頃の体験でした。
「少しは、ベートーヴェンの気持ちがわかったかな?」
そう、神様に語りかけられている気さえしました。。
その後、運よく聴覚も完全回復し、演奏会に復帰出演できるようになった時、ベートーヴェンの音楽を奏でていきたいと思うようになりました。
▪️国際コンクールでの受賞とベートーヴェンホールでの演奏
その延長上で、勧められて受けた国際コンクールで受賞し、思い出のベートーヴェンハウスでの演奏にお招きいただいたのでした。
受賞時のご報告(2023年)はこちらです🎹
今まで、1位を受賞したり何らかしかの試験に合格した時は安堵するだけでしたが、この時ばかりは、結果を知った時に涙が溢れました。
約20数年振りの来館は、演奏を捧げる出演となりました。
初めて足を踏み入れた時は、想像もしていませんでしたが、その時の私に語りかけてあげたい想いにもなりました。
『20年後は、何かが変わっているから』と。
これから先の20年後、私自身どう変化していくかは分かりませんが、ベートーヴェンの音楽は、私の寿命より長く残り、多くの人々の心に勇気を与えてくれることと思います。
▪️次回の投稿予告...
ベートーヴェンの作品の演奏動画の公開を予定しています🎹
ここまでお読みいただきまして、有難うございました🍀
次回の『音楽と旅』リサイタルシリーズ出演予定は、こちらです🎹
ピアニスト 吉村直美
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