大村はま先生の話し方指導についてゆるっと語ります。
今日は「話し方教育」についての第2弾として、大村はま先生の話し方指導についてお話ししたいと思います。もちろん、詳しくは大村はま先生の『国語教室』の全集を読んでいただければと思いますが、私なりに学んだことをまとめて、勉強になった部分をお伝えします。大村先生の素晴らしいお言葉を胸に刻みつつ、語っていきますね。
よい聞き手を育てる
まず、大村はま先生が強調されているのは「良い聞き手を育てること」です。
聞く力をとても大事にしておられます。
それ以前に、指導者自身が生徒に「聞くに足る話」をしているかどうかが問われている、と先生はおっしゃっていました。
つまり、指導者自身が教養を深め、生徒にとって価値のある話をしなければ、聞く耳は育たないということです。
心から話したいと思うことや、自分が新たに発見したことを、日常的に雑談のような形で伝えることが、良い聞き手を育てるために重要だというお話でした。
単元学習の中で鍛える
さらに、話し方指導は「単元学習」の中で鍛えることが大切だとおっしゃっていました。
いわゆる「今日は話し方を練習しましょう」というハウツー的な授業ではなく、自然に話す機会を授業の中で作り出すことが重要です。
指導者自身が「良い話し方とはどんなものか」というイメージを持っていないと、的確な指導はできません。
例えば、発音やアクセント、イントネーション、言葉の選び方、話の構成など、話し方の基本をしっかり理解しておくことが求められます。
また、話す力にも段階があると先生はおっしゃっています。一人で話す力、1対1で話し合う力、グループで議論する力、司会進行や討論をする力など、これらの段階に応じた指導が大事です。しかし、このように体系立てて授業で指導するのは、なかなか難しいことです。
日々の授業の中で
日常の授業の中でのやりとりも、話し方の訓練になると先生はおっしゃっていました。
生徒と対話する際も、ただ適当にやりとりするのではなく、しっかりと生徒の言いたいことを引き出したり、明確に伝えたりする対話が必要です。
このように、授業の中で話す・聞く力を鍛えることが大事だと感じました。
また、大村先生は「話したいと思う中身を生徒に持たせることが大事」だとおっしゃっています。
生徒が心から話したいと思えるような準備をしっかりすることで、話す力を引き出すことができます。この部分が私自身、まだまだ不十分で、反省するばかりです。
生きて働く力を
さらに、大村先生のお言葉の中に、「話すこと、聞くことができないと、どんな仕事も成り立たない」という大切な教えがあります。
これは、受験や学問だけでなく、社会で生きていく上で話す力、聞く力がどれだけ大事かということを示しています。
そして、国語教育の専門家である倉澤英吉先生も、「学ぼうとする教師の姿勢が重要だ」とおっしゃっています。
授業の中で話し方の工夫を一つでも取り入れることが大切で、教師自身が学びながら、少しずつ積み重ねていくことが専門性を高める道だと言われています。
この言葉も、私にとっては「とりあえずやってみよう」という気持ちを後押ししてくれるものでした。
大村はま先生の実際の指導例として、昭和50年に石川台中学校で行われた「いきいきと話す」という単元があります。
この取り組みは、生徒が心から面白いと思った内容をいきいきと話せるように工夫されたものです。具体的には、当時の朝日新聞に連載されていた漫画「クリちゃん」を題材に、生徒が生き生きと話す場を作られたそうです。
大村先生の話し方指導の中では、自然な場面で、生徒が実生活で活かせる力をつけることが求められています。私も授業の中で、できるだけ自然な形で話す場を作り、生徒が話し方を学べるように工夫していきたいと思います。
ということで、大村はま先生の話し方指導について、私なりの視点でお伝えしました。もちろん、もっと詳しく勉強してお伝えできればと思いますが、興味があればぜひ大村先生の著書を読んでみてください。
私はまだまだ勉強中ですが、このポッドキャストを通じて、自分の話し方を鍛えつつ、生徒の話し方指導にも役立てていきたいと思います。それでは、今日の配信はここまでにします。お聞きくださりありがとうございました。またお会いしましょう。