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観てきた!25年ぶり!の静岡県立美術館・ロダン館 part1

前回 4月25日に公開したこちらの記事。

おかげさまで、note公式のマガジンアカウントさまの『GWに行きたい!おでかけスポット 記事まとめ』と『特集「みんな、休日なにしてる?」ピックアップ記事まとめ』の2つ(!!!)に掲載いただきました✨


ということで、今回はその続き。
静岡県立美術館が世界に誇るコレクション「ロダン館」についてご紹介させてください!!!

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そもそも「ロダン館」って?

静岡県立美術館が1986年に開館してから8年後、1994年3月に新設されたのが「ロダン館」の建物です。

1986年、県立美術館は、17世紀以降の東西の風景画を収集のテーマとして出発 しました。その後、彫刻による人体表現にも目を向け、ロダンの代表作「カレーの市民」をエントランスホールに設置。これを契機にフランス国立ロダン美術館と静岡県との間に友好関係が成立し、ロダン作品の収集・展示が開始されました。

https://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/pdf/exhibition/rodin/RodinWingGuidebook_ja.pdf

「大展示室展」が行われている建物も、神殿を思わせるような落ち着いた雰囲気が素敵なのですが、ロダン館は一転、とっても明るくて開放的な空間です。

エントランスはこんなかんじ 期待が高まります・・・!

ガラス屋根から自然光が降り注ぐユニークなラグビーボール状の建築には、常時32体のロダン作品を展示し、世界でも屈指のロダンコレクションを堪能できます。

https://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/pdf/exhibition/rodin/RodinWingGuidebook_ja.pdf
あかるいー!!!広い―!!!
目の前にさっそく、「地獄の門」が!
楕円形の2重構造で テーマごとにスキップフロアで展示されています


静岡県美のコレクションにつき館内は撮影OKです。嬉しい。嬉しすぎます。

前回の記事でも書きましたが、このロダン館、個人的にちょっと特別な場所なんです。

そう、あの中学生のとき以来のロダン館。25年くらいぶり!!!

それはもうドキドキしましたよ。
エントランスをくぐり、一歩、足を踏み入れたときの、感動たるや・・・!

もしかすると、作品のレイアウトが当時と少し変わっているような気もしたのですが、柔らかな明るさと曲線の美しい空間は、当時と全く変わっていませんでした。そして、しばし見とれてしまいました。感慨深かったです。

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「カレーの市民」フロア


さっそく、コレクションのきっかけとなった「カレーの市民」のフロアから、反時計回りに巡ってみることにします。

わー!!!ずらり!!!
左にせり出している場所がエントランスのフロアで、1段下がってます


「カレーの市民」のフロアの先には、複数点の試作も展示されています。
小さなサイズでも、そのポーズや表情などの表現には、つい見入ってしまいますね。

こんな感じで随所に階段があって  フロアが分かれています
右端からロダン館全体を眺めるとこんな感じです カッコいい✨

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「未完の大作たち」フロア


さらにワンフロア下がると、次のテーマの作品群が。「未完の大作たち」と名づけられています。

未完の記念像から派生した作品群だそう 大小さまざまですね
作品の奥  各フロアを仕切る壁には 長ーいベンチがあって 座って眺められます
向こう側に見えるのが「カレーの市民」の展示フロア まぁまぁの高低差ですね
くっきりはっきり ロダンのサインも確認できます

そして、この先、もうワンフロア降りたところが、「地獄の門」の置かれたエリアです。

ついに「地獄の門」ですよー!!!

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「地獄の門」


「地獄の門」といえば、日本国内では、東京・上野の国立西洋美術館のお庭に野外展示されている作品が有名ですよね。

静岡県美の「地獄の門」は、ロダン館の中、屋内の展示です。この巨大な「地獄の門」を、どうやって屋内に設置したか、ご存知でしょうか。

じゃん!!! ここがちょうど楕円形の中心部です



「大展示室展」で紹介されていたんですが、実は・・・

え!? 吊り下げ用金具!!???


まさかの!!!

まさかまさか。設置してから建物を建てたんですね!!! 
すごい。今回はじめて知りました。ほんとに観て良かった「大展示室展」!

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西洋美術館でもまぁまぁ近寄って鑑賞できますが、こちらはもっと至近距離まで近寄って鑑賞できてしまえます。

見上げると本当に、地獄の門前にやってきてしまったかのような・・・

ものすごい迫力・・・・圧倒され 立ち尽くしてしまいました
門の最上部はこんなかんじに
そのすぐ下 そうそう、この方もいらっしゃるんですよね
細部まで念入りに眺めると・・・
いろんな方がいろんなポーズで
どーん!!!
なんかもう、ずーっと眺めていられますね・・・
門の最下部 こんなところにも
こんなに細部をまじまじと観察したのは 初めてでした


ロダンの情熱と鬼気迫る執念を感じる作品・・・やっぱりものすごいですね。

そもそも、この「地獄の門」って、フランス政府からのオーダーでつくられたんですよ。1880年、政府が新たに建設しようとしていたパリの装飾美術館のための門でした。

制作にあたっての条件が、ダンテの『神曲』を主題にすること。ロダンはダンテの熱烈な愛読者だったので、おそらく嬉々としてオーダーを受けたのでしょう。
なんとその後10年に渡って構想を練りに練り続け、ほぼ人生をかけて制作に取り組んだのに、なんと!結局、使用されなかったんです!!!

実物大で制作されたのも、たったの一度だけ。しかも石膏・・・
ブロンズで鋳造されたのは、ロダンが亡くなった後のことでした。

なので、わたしはこのブロンズの「地獄の門」を観るたびに、ちょっとだけ悲しくなってしまうんですよね・・・


現在、ブロンズで鋳造された「地獄の門」は世界に8点あるんですが、それがロダンのサインとともに確認できます。

ぜひ皆さまも  このサイン  探してみてください


静岡県美の「地獄の門」の展示には、こんな工夫も

作品の目の前のフロアにご注目ください
何かがびっしり書いてありますね・・・



おおお!!!
こちらは、森鷗外  訳!
こちらには、夏目漱石  訳!

まさに、作品の主題としてオーダーされた、ダンテ『神曲』の一節が、いろんな時代のいろんな方による日本語訳で読めるようになってるんです!!!素敵です、素敵すぎますよね。

これ、中学生のときにもあったのかな・・・、いや、なかったような・・・ あっても気づいてないですね、たぶん。

中学生の遠足で訪れた当時は、たぶん1時間も満たないような見学時間だったでしょう。でも、今でも鮮明に思い出します。本当に作品の美しさに驚いたし、とっても楽しかったんです。今回もやっぱり、じっくりゆったり見とれてしまいます。

平日だったこともあって、なんと貸切状態!贅沢!!!
作品一つひとつをぐるぐる回って眺めながら、やっぱり美しいなぁ、カッコいいなぁ、すごい造形だなぁ、と、あれこれ考えながらの鑑賞体験でした。


ということで、まだまだ書き足りないので、part2に続きます!!!


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