見出し画像

息子を普通級に入れたいと思っていた私が、最終的に特別支援学級を選んだ理由

小学6年生の息子は、公立小学校の特別支援学級に在籍しています。しかし、息子が年中の頃までは、普通級に入れたいと思っていました。

息子は1歳のときから保育園に通っており、同じクラスのお友達は、みんな定型発達のお子さんでした。

先天性疾患の影響で、発達がとてもゆっくりな息子は、入園した1歳3ヶ月の時点で、ようやく首がすわったばかり。ハイハイやつかまり立ちはおろか、ひとりでお座りもできませんでした。

できないことだらけの息子を、同じクラスの子たちは、自分とはちょっと違うと感じながらも、仲間として見てくれていたようです。特に女の子は、何かとお世話をしてくれていました。

保育園に入ってからの成長が目覚ましくて、まわりの友達から感化されている部分が大きかったと思います。だから、小学校でも普通級の方が、息子の成長が望めるのではないかと考えていたのです。

そんなとき、1冊の本に出会いました。

著者の立石美津子さんは、自閉症の息子さんを育てる母親でもあります。

普通級に行かせるのは、本当にその子のためなのか。親の勝手な思いではないのか。

と、私たちに問いかけています。

普通級に行った子は、他の子よりできないことで自信を失い、自己肯定感が低くなってしまう。

とも書かれていました。これを読んだときに、息子の保育園の運動会後に起こったできごとを思い出しました。

運動会は、子どもの成長を感じられる一大イベントですよね。わが家も毎年、ビデオ撮影をして記録に残していました。

息子が年中のときの運動会から数日後のことでした。

「運動会のビデオを一緒に見ようよ〜」と息子に声をかけると、「見たくない!」と強い口調で返されてしまったのです。予想していなかった反応に戸惑いました。

その年の運動会、息子のクラスは、平均台、マット運動、鉄棒を組み合わせた競技に取り組みました。

筋力が弱くて運動が苦手な息子。平均台は、先生に手を引いてもらってよろよろと渡り、マットでの前回りは途中でグシャっとつぶれ、鉄棒は2秒ぶら下がるのがやっと…でした。

先生も友達も保護者もみんな声援を送ってくれたけれど、自分だけ全然できていないと感じていたのでしょう。だから、そんな姿をビデオで観るのが嫌だったのだと思います。

本人が言ったわけではありません。でも、同じ運動会のダンスの動画は喜んで観ていたから、きっと何かしら感じていたはずです。

ああ、この子は、他の子よりも自分が苦手なこと、できていないことがわかっている。息子を普通級に入れることは、さらに自信を失わせ傷つけることになるかもしれない。

そこから特別支援学級への就学を考え始めたのでした。6年生になった今、特別支援学級を選んでよかったと思っています。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?