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『オペラ座の怪人』/パリ・オペラ座の秘密~2~
ミュージカル『オペラ座の怪人』は架空のオペラ座、でも極めてパリ・オペラ座に近い劇場、というのが本来の設定です。
観光客の撮影スポットとなっている「オペラ座の怪人」の5番ボックスですが、このプレートも以前はありませんでした。
2000年代になってからの設置だと思うのですが、その頃そうしたことにあまり関心をはらっていなかったこともあり、正確には分かりません。ご存知の方がいらしたら是非教えて下さい!
歴史的な事実を見ると、事故があったのは確かで、その時に「オペラ座の怪人」の噂が駆け巡ったのも確かです。
その時、「オペラ座の怪人」のボックスナンバーは13、と伝えられていたということが下記のサイトでも紹介されています。
13は言うまでもなく、キリスト教の13人目の使徒で裏切り者となるユダにちなんだ数字ですね。今でもホテルによっては13階がないこともあります。
さて、今回ミュージカル『オペラ座の怪人』を見ていて、個人的にはちょっと注目してほしいなと思ったのが舞台裏になった場面で降りているファイヤーカーテン、です。
ックに「火気厳禁」と大きく書かれた場面がそれなのですが、あれは実際に舞台と客席を区切るカーテンとして実在します。
何故でしょうか?
オペラ・ハウスだけでなく、劇場は歴史的にかなり移転の多い建物です。
石造りがベースの西洋建築ではありますが、火災には弱いからです。劇場の大きな敵は入場者の減少だけではなく、内部的には「火」の問題がありました。
初期は蝋燭照明、パリ・オペラ座は開場当時はガス灯照明が用いられていました。いずれも「火」を使うもの。そのためにしばしば火災が起こったのです。
チュチュは当時薄いコットンを何層にも重ねたものでしたから、燃えやすく危険なものでした。防火液につけなくてはいけない規則はありましたが、ゴワゴワになってしまうので、多くのダンサーが防火液なしでふわふわとしたチュチュで踊っていました。
結果として、チュチュに火がついてやけどによる死亡という痛ましい事故もしばしば起こりました。
それにまつわる様々な事故がありました。
現在の場所に移転する前はペルティエ通りにオペラ座がありましたが、これも火災によって失われています。
『オペラ座の怪人』の最後は火災を起こして怪人は逃げますが、あれは劇場の最後としては(放火は別として)リアルな状況でもあったのです。
と、いうわけで、そろそろ「火の用心」の時期に火とオペラ座のお話しで今日は終わりです。
まだまだ、続きそうな『オペラ座の怪人』にインスパイアされたパリ・オペラ座のお話し、続きます。
1回目はこちら
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