今年の宝物
たまたま通りがかった古書展、最終日、しかもあと10分で閉店というタイミング。
ファッションもそうですが、古書も「何かありそう」という "良い予感" がする時に見ると大抵なにかに出会える不思議。
今回もそんな出会いがありました。
沢山積まれた小型の1920年代のプログラム。その中にフランスの大女優サラ・ベルナールの肖像が表紙になったものがありました。他のプログラムや紙、広告から1920年代であることは確か。
ページをめくると!
まさかのバレエ・リュスの予告チラシが。
興味がない方には単なる古い紙、なのだと思いますが、私にとっては貴重な資料です。
公演の日程等がわかっていても、当時挟まれていたこのプログラムの公演を見た人がバレエ・リュスの情報に触れた事が分かるのがとても面白いのです。
バレエ公演がどのように告知され、観客が足を運んだのかということは簡単にはたどれない歴史で、こうした断片が大きな助けになります。
今年の一つ目の宝物はこのプログラムでした。
バレエ・リュス19回目のシーズンとの表記から、1926年と判明。
上演されていたバレエは『レ・シルフィード』『ペトルーシュカ』といったおなじみの作品も含まれていますが、『プルチネッラ』『牝鹿』『船乗りたち』、ハリウッドを舞台にしたバレエ『パストラル』なども含まれています。1920年代花盛りの頃。
シャンゼリゼ劇場ではバレエ・スエドワが上演している時代、時期です。
バレエ・リュスのこのシーズン初演作品はジョージ・バランシン振付『パストラル』、ブロニスラワ・ニジンスカ振付『結婚』
さらに6月3日にはエリック・サティの追悼公演が行われています。
(サティは1925年7月1日に死去)
こんな風に挟まれていました。
プログラムは後に映画化もされてとても人気のあった演劇 "mon curé chez les riches” のもの。
バレエ・リュスの公演期間中もバレエ・リュス公演のない日と日曜のマティネには上演が続いていた事がこのチラシから分かります。
両方見た観客もかなりいたはず。
演劇の鑑賞記録、感想、批評も探してみたいなと思っています。同時代の感性には共通する部分もあるだろうな、と思います。