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吐息はりんごジュースの香り[2024/12/25(水)〜12/31(火)]

2024/12/25(水) たくさんのサンタさんに出会う

朝、5時頃起きて部屋に行くと、星の王子さまのシールが貼られた、薄黄色の包みが私の机の上に置いてあった。なんと、私にもサンタさんが来たらしい!開けてみると、星の王子さま柄のモレスキンのノートだった。私はノートというものが大好きなのだ。しかも星の王子さま!嬉しい。

るんるんで仕事をする。夫は朝早くから仕事があるらしい。娘がサンタさんからのプレゼントを開ける瞬間を見ることができないのが残念だと言い残して、6時半頃出かけていった。

7時半過ぎ「マーマーきーてー!」と寝室に呼ばれる。「見て!サンタさんきた」。娘の枕元には包みがあった。「いつ来たんだろう、〇〇ちゃん全然気が付かなかった!」。間もなく朝ドラの時間。包みは朝ドラが終わってから開けることになった。

朝ドラが終わったあと、いつも朝の情報番組まで見ているが今日は「サンタさんのプレゼント開けよう!」と娘が自らパタンと私のノートパソコンを閉じた。

寝室に戻って包みを開ける。「この袋かわいい!なんだろう」と開けたクリスマス模様の赤い包装紙の中には、国語辞典が入っていた。「〇〇ちゃんほしいって言ってたから持ってきてくれたんだ!」。私が辞書を引くのを見て、娘も子ども用のがほしい、と言っていたのだ。

もう一つの大きい袋には、以前「あーすぷらざ」という世界の国の展示がされている博物館で娘が遊んでいたボードゲーム「マンカラ」が入っていた。「◯◯ちゃん、早く寝たからサンタさん来てくれたんだ」と嬉しそうに繰り返していた。「どうやって〇〇ちゃんのお布団踏まないでプレゼント置けたんだろう?」と目を丸くした。

朝ご飯を食べてから、二人でマンカラをした。娘のほうが強くて、私はどうしたら勝てるのかわからないままだった。

午前中のうちに、原稿を書き上げて出す。娘の冬休み前に出すはずが、結局冬休みにもつれ込んでしまった。しかしこんだけイベント続きの中、我ながらよう頑張っている。

お昼頃に駅前の食材店Nに白菜を受け取りに行く。昨日農家さんから仕入れたという白菜をわけていただく。明日のキムチづくりのために、おいしい白菜が必要だったのだ。ありがたい。

今度は車に乗ってEコーヒーへ。一昨日、叔母のMちゃんからもらったばかりのボルドー色のフリルがついたワンピースを着ている。持って行く、と手に取ったサンタさんからプレゼントされた国語辞典もワインレッドで、絶妙にコーディネートされていた。

Mちゃんがガレットをしている日で、娘とランチにしようと思っていた。「あんまり暇だからお店の前を歩いてる猫の写真でもインスタに載せようかと思ってた」とMちゃんが言うのを聞いて、良いタイミングで来れたと思う。

娘はチーズの、私はレモンシュガーバターのガレットを食べているうちに、どんどん友達がやってきて、店内は賑わった。

サンタクロースの格好をしたDくんが「メリークリスマス!」とやってきた。サンタが街中を練り歩いてると聞いていたけれどついに会えた。Dサンタはお菓子を配り歩いてるらしく、私と娘にもそれぞれチョコチップクッキーとおせんべいをくれた。

椎茸農家のKちゃんが「マルシェのとき語り劇で盛り上げてくれてありがとう」と椎茸がたくさん入った袋を手渡してくれた。Kちゃんが主催するマルシェで夏に語り劇をしたときのお礼らしい。嬉しい。

ちょっと外に出ただけで、たくさんのサンタさんに出会える町だし、そんなお店だ。VIP豆のコーヒーがブランデーのように香り高くて、クリスマスに温かい気持ちになった。

買い物をして帰宅。今日は楽をしようとお刺身を買う。お刺身と昨日の残りのケーキで今日もパーティ気分だった。


2024/12/26(木) もう何もしたくないモード

朝起きて、記事を一本書く。

キッチンに立ち、夜の持ち寄りパーティのために、玉こんにゃくを煮る。パンを作ろうとか、餃子を作ろうとか、色々考えていたのに、そんな元気はなくて、とりあえず冷蔵庫の中にデン!と控えていた玉こんにゃくを煮た。

今日はようちえんの有志によるキムチづくりで、10時集合だ。白菜は昨晩から漬けていた。でも全然動きたくない。もう何もしたくない。娘も「どこにも行きたくない〜」と言っている。もちつき、クリスマス会、イベント続きで疲れてしまった。

持って行く野菜やまな板、包丁、おろし金、ボウルなどはまとめてある。でも動けない。

「行きたくないー」と私の部屋のイスに座っている娘に「行かなきゃいけないんだから着替えて!」とカッとなってしまう。わかる、私だって行きたくない。でも行かなきゃ。

娘は泣いた。しばらくして仲直りした。「ゆっくりでいいから行こう」と話して、着替えて、果樹園跡地に向かったのは11時半。

キムチづくりは諦めかけていたけれど、幸い私の分の煮干しなどもみんなが入れて出汁をとってくれていた。

持ってきた野菜を刻む。手の空いた人が手伝ってくれる。みんな優しい。

「行きたくない」と言っていたわりに、すぐに友達と楽しそうに娘は遊び始めていた。

バレエのクリスマス会に行かなければいけない時間がせまっていたので、お弁当を食べさせる。時間がなくてお腹も空いてなくて、娘はいちごを、私はおにぎりひとつといちごを食べた。

バレエのクリスマス会に娘を預けて戻ると、キムチはできあがっていた。ありがたや。

キムチづくりを終えた人たちは、しめ縄づくりに取り掛かっていた。しかし今日の私は何もする気力がない。ぽかぽかと日が当たる場所で、だらんとしながら友達としゃべっていた。

バレエのクリスマス会に親が参加できる時間がやってきて、スタジオに戻る。子どもたちのダンスの発表を見守る。お姉さんたちのダンスコンテストは、それぞれカラーがあり、とてもおもしろかった。

プレゼント交換を終えた子が抱えるプレゼントとともに帰宅。娘は小物入れをもらってきて、喜んで最近手に入れた鉱石や貝などを詰めていた。

朝煮込んでおいた玉こんにゃくを器に移し替えて、娘と私の分の食器を持って、Eコーヒーの忘年会へ。到着したときには、もう気力が残ってなくて、ぼーっとしていた。

ぼーっとしたまま、カレーやグラタンやサラダやパンや、ごちそうをたくさん頬張った。ゆっくりしたかったけれど、私の体力と、娘の就寝時間がやってきて、帰宅。

ぼんやりしたまま帰宅し、お風呂も入らず、なんとかパジャマに着替えて寝た。


2024/12/27(金) 洗濯、風呂掃除、荷造り

さて、今日は今日とて、夫の実家への移動日である。

朝はご飯を炊く時間がなくて、ホットケーキを焼いた。いつも3人で食べているホットケーキを2人で食べたらお腹がパンパンになった。

移動は午後から。でも、冷蔵庫の食材をどうにかしなけりゃとか、洗濯物を溜めていくのも、とか、家を不在にする前はなにかと忙しい。そうだ忘れていた。

とりあえず洗濯、そこからなぜかお風呂の掃除。そして荷造り。
冷蔵庫に残っていた肉などはとりあえず冷凍庫へ。

なんとか家を出るまでに終わらせて、出発。

仕事があって先に移動していた夫と、新幹線の入口で合流。発車まで残り4分。手土産に箱根のおまんじゅうを買って、新幹線に間に合った。

新幹線の中で、このまま置いておいたら熟しすぎてしまいそうなキウイと、蚤の市で買っていたクリスマスクッキーをおやつにした。「まだお腹空いてる」と娘が言う。「じゃあお母さんの秘密のおやつ」と、カバンの中に入れっぱなしにしてお腹が空いたときにちょこちょこ食べてた「メープルアーモンド」を出して、3人で分けて食べた。

娘と夫は一緒に眠り始めた。私はパソコンを開いたけれど、wifiが安定しなくて諦め、実家のクリスマス会で父にもらった『シュナの旅』を読んだ。それから少し居眠りをして、また本を読む。退屈した様子の娘に紙とペンを渡すと、「そうだ!じいじとばあばにお手紙書こう」と文字を書き始めた。緑色のペンで書いた文字を赤色でなぞる。「クリスマスカラーにしたんだ」とのこと。

新大阪に到着。電車で移動して、夫の実家へ。お仕事中のじいじに代わって、ばあばが車で迎えに来てくれていた。

実家には、先に着いていた夫のお姉ちゃん一家もいた。順々にお風呂に入り、みんなで夕飯を囲んだ。なにせ人数が多いから、全員が揃う頃には良い時間になっていた。

甥っ子たちと遊べて、娘も楽しそうだ。前に義実家に集まった年末は2年前。その頃よりますます、子どもたち同士で遊ぶのが楽しくなっているようだ。


2024/12/28(土) 誰も言わないならと意を決して提案してみる

朝、義理の姉の部屋で仕事をしていると、部屋のドアが開いた「めっちゃ寒くなかった?」夫だった。寒くて目が覚めたらしい。私の布団全部使っていいよ、と伝えると、戻っていった。

しばらくするとドアが開いた。ばあば(こと夫のお母さん)がピンク色のニットの肩掛けを差し出してくれた。ありがたく受け取る。

部屋の外をにぎやかに行き交う人の足音がしはじめた頃、またドアが開く。小学校2年生の甥っ子が駆け込んできた。文字が書いた紙を差し出し、「これわかる?」と聞かれる。「①ご」「②(缶のイラスト)が3つ」「③なななな」「④ばばばばばばば」。なんだろう、と思っていると、全部果物の名前だった。おぉー!そして風のように去っていった。

「マーマーきーてー!」と娘の声が聞こえて、パソコンを閉じて、寝ていた部屋に戻る。娘が起きていた。ベッドに一緒に寝転がる。

甥っ子がやってきて「ぶどうパンとふつうのパンどっち?」と聞かれる。朝ご飯のようだ。娘と私はぶどうパン。夫は、ふつうのパンと伝える。

私と娘は、まだ布団にくるまっている夫を残してリビングに行くと、みんなもう起きていた。

朝ご飯を食べる。それからすごろくを始めた子たちのそばで、デニムのパンツをダーニングをしていた。しばらく滞っていたダーニングが大変捗る。

お昼は餅つき機でついたお餅を、大人も子どもも一緒に丸めて食べた。夫が餅を広げて、ベーコンとチーズとピザソースを乗せて食べていたのがおいしそうだったのでもらう。なかなかいける。

14時頃に凧揚げをしに近くの公園に出かけた。娘は楽しそうにいつまでもいつまでも走っていた。私も代わってもらったけれど、一度思いっきり走っただけで疲れてしまった。凧揚げは体力勝負だ。

もう一つ公園をはしご。そちらの公園に行くと、子どもたちはブランコなどに夢中になって、凧のことは忘れたようだった。じいじとばあばが二人で凧揚げをしていた。

やはり15時をすぎると急に冷える。滑り台をやめない甥っ子たちに「それで最後ね!寒いから帰りたいー!」と後方から声を掛ける。このままここにいたら凍えちゃう。

下り坂を走って帰る子たちを追いかけて走りながら帰った。少し体が温まる。

家に入ると、暖かくて、その気温差になんだかぼーっとする。ばあばがココアを入れてくれて、みんなでテーブルを囲んで飲んだ。

夕方少しパソコンに向かえる時間があった。子どもたちはお店屋さんごっこをしているらしい。「カフェまとりょーしか」。なかなかそれっぽい名前だ。ばあばは大人気なので、キッチンに立つたびに誰かが「ばあばきてー!」と呼びにくる。

なにせ人数が多いから、お風呂に順番に入り終わる頃には19時を過ぎていた。子どもたちが始めたすごろくもなかなか決着がつかず、お腹が空いてきた。みんな黙って見守っている。誰も言わないなら、と意を決して「もうどこかで勝ち負け決めてご飯食べない?」と提案してみたが、結局ボードの上で勝負がつくまで、試合は進められた。

20時に夕飯、ハヤシライスを食べる。食べ終わったらまたすごろくをしている。21時までと決めて、まだ続きがしたいという甥っ子などをなだめて、寝る準備。

まだまだ遊びたい様子の娘も夫に抱っこされて階段を上った。


2024/12/29(日) 大阪観光と、もしかして

「出かけたくない」と朝から娘がごねている。今日は夫と私と3人で大阪観光に行こうと言っていた日だ。「お父さんとお母さんは行くって決めてるけど、〇〇ちゃんはおうちにいてもいいよ」と言ってみたが、両親どちらもいなくなるのは嫌なようで、結局3人で出かけることになった。

電車を新今宮駅で降りる。

夫が「この街は少し気をつけて歩かないといけないよ」と言う。「どうして?」と娘。「少し変わった人がいるから」「どんな人?」「裸足で歩いてる人とか」「あーそれならようちえんにいるわ。あの子はいつも裸足なんだよね。他には?」「急に叫びだす人とか」「それはあの子とあの子だわ。すぐに叫ぶからびっくりするんだよね。他には?」「道に寝っ転がってる人とか」「それもいるわ」「ずっと話している人とか」「それも知ってる」。どんな人もいる。ようちえんは多様性の宝庫だった。

ジャンジャン横丁なる、賑やかな通りを歩く。串カツ屋や寿司屋に行列ができていた。広そうですぐに入れそうな串カツ屋を見つけて、3人で入る。「だんだん楽しくなってきた!」と娘。お肉や野菜など、好きな串をそれぞれ頼んだ。雪見だいふくの串を頼んだら、中がとろとろのクリームになっていて、おいしかった。

通天閣を目指して歩く。「ビリケンさん」と呼ばれる、金色の目の細い置物があちらこちらにあった。どれかは本物で、どれかは模倣した偽物なのだろうと思うけれど、どれが本物なのかはわからない。夫の友達に似ているような気がする、と思いながら眺めていた。

通天閣の中には傾斜30度の滑り台がある、と聞いていたが、外からはバンジージャンプをしている人の姿が見えた。いったいどうなってるんだ。中が気になったけれど、入口にはやはり行列ができていたから、諦めて通り過ぎる。

電車に乗って、今度は道頓堀へ。娘は「寒いから抱っこ」と言って、ずっと夫に抱っこされている。

かに道楽の看板が見えて「ほら!カニいるよ!」と娘に教えると、目玉もハサミも動いていることに驚いていた。グリコの看板の前で写真を撮る。超ベタな大阪観光の写真。一度撮ってみたかった。

御堂筋、なるところを歩く。大阪の銀座だと夫に教えてもらう。裏通りをちょっと歩くと、あっという間に若者の町、アメリカ村へ着いた。高級店と若者の町が目と鼻の先にあることを考えると、どちらかというと、青山と原宿に近いかもしれない、と思う。

大盛りねぎ塩のたこ焼きとチーズのたこ焼きを注文して、道端で食べる。昔大阪でたこ焼きを食べて感動した覚えがあって、どうしても食べたかった。20年ぶりぐらいに食べる大阪のたこ焼きは、やっぱり外側カリッの内側ふんわりでおいしい。でも三角公園のストリートな雰囲気の中で落ち着いて食べられるほど、もう若くはなかった。

帰ろうかと歩き始めたところで、ビルの中に義理のお父さん(じいじ)の名前と同じ古着屋さんを発見。せっかくだからと中に入ってみると、とても広くて心惹かれるアイテムがある古着屋さんだった。娘も温かい場所に来て、落ち着いたようで、イスに腰掛けて穏やかな顔になる。私はニットのカーディガンであたたかくて良さそうなのをみつける。夫はイスに腰掛けると寝ていた。その間にぐるりと一周して、結局最初にみつけたニットのカーディガンだけ買って店を出た。

まだ夕方前の時間なのに混み合う御堂筋線に乗って梅田へ。大阪駅まで歩いてそこから帰路につく。座席に座ると、娘は私の方にもたれかかって寝た。

家では甥っ子たちが待っていた。娘はポワンとしている。これはもしかしたら、と思う。寒いという娘とお風呂に入る。「体調大丈夫?」と聞いてみると、「寒かっただけ」と言う。

夕飯は餃子。娘は大好きなはずの餃子を半分以上残した。これはもしかして、と思う。そういえば朝ご飯のパンもいつもはぺろりと1枚食べられるのに、今日は半分残していた。

「眠たい」という子と、食べ終わってすぐに、歯磨きをして布団に入る。おでこに手を当てる。もしかして、と思う。もしかして、の予感の中で私も寝た。


2024/12/30(月) 吐息はりんごジュースの香り

朝、娘のおでこを触ろうとすると「やめて!」と手を振り払われる。「お熱はかってみようか」「いやだー!」。夫が体温計を持ってくる。「お熱あるってわかるのがやなの!」。

それでもなんとか娘の腋に体温計を挟んで熱を測る。38.5度あった。今日、お姉ちゃん家族と行く予定だったキッザニアはキャンセルすることに。

病院に行ったほうがよいのでは、などという話も出てくる。でも、あろうことか保険証は家に置いてきてしまった。調べてみたらあとから返金してくれる場合もあるそうだが、手続きが面倒なようだ。そもそも、私は多少の熱くらいでは病院に行く必要はないと思っている。でもたくさんの人がともにいる場では、感染のリスクを考えて病院に行かなければならないのか...。

昨日観光に連れ回してしまったせいで熱が出たのかなとか、私が保険証忘れたから病院に行けないんだとか、病院行きたくないのに行かなきゃなのかとか。全部私のせいに思えて涙が出てきた。

夫に「大丈夫」と言ってもらい、しばらくしたら気持ちが落ち着いてくる。とりあえず部屋から出ずに、娘が寝ている横で1日過ごすことにする。「お母さんはずっとそばにいて、お父さんはどっちでもいい」と娘。結局夫も一日同じ部屋にいてくれた。

そんなわけでしばらく溜めていた日記も書き進んだ。

お義母さんに豆腐をもらって、ガーゼで巻き、おでこに豆腐パスターを巻いてやる。

カーテンを閉めて、薄暗がりの中でも、娘の赤い顔と、目が潤んでいるのがわかる。

豆腐をかえ、水を飲ませる。娘がほしがったリンゴジュースを持ってくる。

お兄ちゃん一家がやってきたようだ。ちらっと顔を出して挨拶をする。インフルエンザのおそれもあるから、あながち接触できない。

娘がぐっすり眠っている間は暇だから、見たかったM1をイヤフォンして夫と見た。「子どもが熱にうなされているときに...」という声もあるかと思うが、することないんだもの。両親は笑っているぐらいがちょうどいいと思う。最終審査発表、というところで娘が起きてきた。

みんなが夕飯を食べている間に、夫と私と交代でお風呂に入る。

みんながそれぞれの部屋に寝に行ったところで、夕飯の鍋の残りをいただくことにする。

起きてきた娘の吐息はりんごジュースの香りがした。3人で下に行こうと思うけれど、娘は「誰かいたら行きたくない」と言う。「移しちゃうかもしれないから...」。あとは弱っている姿を見られたり「大丈夫?」と聞かれるのも嫌だそう。

そんなわけで、片付けで残ってくれているばあばがお風呂に入ったすきに、ささっとまるでスパイのように3人でリビングまで移動し、鍋を囲んだ。娘はごはんにスープの汁を入れたものを少し、餃子を1つ。それから「肉かじりたい」と行って、手羽元を少しかじった。

すぐにお腹いっぱいになって部屋に戻ると言うから、夫が娘を連れていく。「〇〇ちゃん食べ終わったから、お風呂あがって大丈夫です」と夫がお風呂とキッチンの通話機能で伝えると、ばあばはあがってきた。

「かわいそうにねえ、ばあばに移って〇〇ちゃんが元気になるならいくらでも移してほしいわって、〇〇ちゃんに言っておいて」と言ってくれる。ばあばにお礼をつげて、私は夕飯の続きを食べるつもりの夫と交代した。

娘の顔は赤く、39.5度。まだまだ熱い。

娘の寝息を確認して、M1最終審査の続きを夫と見た。令和ロマンはすごい。でも最後のネタは真空ジェシカが一番おもしろかった、ということで、私と夫は合意した。


2024/12/31(火) 握った娘の手に熱はなくて、ホッとする

朝起きたばかりの娘は38.3度。たくさん寝たのに、まだか、と思う。廊下から聞こえるいとこたちの声を聞き、「みんなと遊びたいのに」と言う。

お腹が空いたという子に、ゼリーとりんごとりんごジュースを持ってくる。ゼリーを食べ、りんごジュースを飲む。少し元気になってきたようだ。

横たわる子の熱を測ると、今度は36.8度。うん、さがってる!

元気を取り戻し、残りのゼリーとりんごをぺろりと食べる。熱が下がったという免罪符を得て、3人でリビングに顔を出した。

朝ご飯に私と夫はクロワッサンとヨーグルトをいただいた。すっかり元気になった子は、まだ右目が赤い。

いとこたちは公園に遊びに出かけていった。娘も家で遊びたいようだが、布団に寝かせる。あまりにも暇らしく「手相みよーっと」という声がする。自分の手をみつめているようだ。

今日の娘はばあばにもらったプリンセスの柄のトレーナーを着ている。5人のプリンセスが並んだトレーナーを指さして、「どれが好き?」と聞かれる。「うーん、シンデレラかな?」というと娘が「〇〇ちゃんも一緒!」と言う。「次は?」「うーん、ラプンツェルかな?」「〇〇ちゃんも!」。結局3番、4番、5番まですべて一緒だった。そのたびに娘は目を丸くしながら「〇〇ちゃんも!」というのだった。「全部同じにしなくていいよ」と笑ってしまう。握った娘の手に熱はなくて、ホッとする。

部屋で休む。娘はよくしゃべる。しばらくすると、目も赤くなくなっていた。

「おもちできたよー!」と呼ばれて、餅を食べに行く。娘は小さな砂糖醤油餅ときなこ餅を食べた。カードゲームをする。やっとみんなと遊べるようになって娘にも笑顔が増えた。

お昼寝をするために部屋に戻る。まだ本調子ではない娘は「お布団に入って目開けておいてもいい?」と聞いてきたものの、すぐに目を閉じて寝息を立て始めた。

お昼寝から起きてきた子とお風呂に入る。湯船のお湯が出てくるところに当たらないように気をつけて、と娘が言う。ふざけて「ヒュー!」と言いながらそこに腰を近づけていくと、「ちょっとーな・に・やっ・て・ん・だ・よ」と娘が頬をツンツンしてきた。楽しくてもう一度やってしまう。

紅白のはじまりを見る。こっちのけんとさんが終わって、娘が拍手する。「けんとさん、良かったね〜」「よかったね」と娘と言い合う。

大晦日の夕飯はお寿司だった。大きな桶に3つ分、ぎっしりと詰まった寿司をお腹いっぱい食べた。娘もだいぶ食べられるようになってほっとする。

寝る前に部屋で一緒に紅白を見る。ちょうどみんなでディズニーの「星に願いを」を歌っているところだった。

GLAYになつかしー!となり、星野源さんのなにか言いたいけどぐっと飲み込んでいるような表情を固唾をのんで見守り、B’zで盛り上がった。娘はひとつひとつ終わるたびに拍手する。「色んな人たちが次々歌うから楽しい!」と笑顔。

まだまだ見たかったけど、けん玉世界記録が成功したのを見届けて、あいみょんが歌って。私の両手をギュッ握りしめていた子の手を振りほどいて、パソコンを閉じる。

昨日までひとりベッドに寝ていた子は、「ママとくっついて寝る」というと、ベッドから布団に転がり降りてきた。私と夫の間に挟むようにして、娘に布団をかけて寝た。

甥っ子と姪っ子たちは年越しの瞬間に起きてきたらしい。そんなことは知らずに、朝までぐっすり寝た。

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