ハドソン川の奇跡
2009年1月15日
アメリカ ニューヨーク マンハッタン付近の
ハドソン川に不時着水したUSエアウェイズ1549便の航空事故実話をもとにクリント・イーストウッド監督により映画化された作品(2016年)。
主人公のサリー機長はトム・ハンクスが演じた。
事故があったその日、私は
ニューヨーク郊外の自宅にいた。
トップ・ニュースで飛び込んできた映像は衝撃的だった。
マンハッタンに車で行く時に通るハドソン川沿いの道、まさにその川 その場所だった。
エアバスとはよく言ったもので
国土の広いアメリカでは航空機、飛行機というより
空は飛ぶけどバスみたいな感覚で仕事でも
旅行や帰省でも日常的に乗る乗り物。
それが今まさに沈もうとしており
救助の船やヘリが集まり乗客が翼に立っている。
ドラマなのか?いや違う、現実だ。
ニューヨークの1月はカラッとすごく気温が低い。
鼻の穴が痛い、それなのに水の上だ。
7年後、脚色はされたものの
事実をもとにしたこの映画が上映された時も
2度目の渡米で別の州で暮らしていた。
事件の映像が記憶にあり、
そして移動で飛行機は乗らざるを得ないので
観る勇気はなかった。
そもそも飛行機は嫌いだ。
高いところもジェットコースターの落ちる感覚も
ダメなので、いつも祈るような気持ちで乗り、
少しでも乱気流に入ったり
悪天候で揺れると心の中で毒を吐いてしまう。
墜落現場やこのような事故の映像は
ますますネガティブに働いてしまうし、
機長が乗務前の飲酒検査で引っかかったなどというニュースを観ると
血圧が上がる。
帰国して3年が経った。
ようやくアメリカも遠い国になった気がして
最近はコロナ自粛も後押しして洋画を観る機会が増えた。
Amazon Prime で無料で観れることもあり
ようやく観ることとなった。
この映画でも現実でも
国民的英雄として機長は扱われている。
その知られざる苦悩や苦労も描かれているが、
この機長がパイロットになったきっかけや
若い頃みた事故現場が
彼のパイロットとしてのプロ意識を高め、
このような事故での的確な判断を導いたと感じた。
諮問委員会で副操縦士が最後に意見を
求められて、
「同じようなことをするなら7月にしたい」と言って、重たかった会場の雰囲気も
緊張の面持ちで観ていた私を含む観客も
笑顔にさせ一気に和らいだ。
アメリカ人のいいところを最後にまたみた想いだった。
ブラックジョークではないユーモアのある話術が
ほんとに上手なんだ。
いろんな人にオススメしたい一本の映画です。
冒頭の写真はWikipediaからの引用です。