福岡市でエンジニアフレンドリーと認知症フレンドリーが交わる
福岡市は認知症フレンドリーシティ宣言をしています。
一方で、エンジニアフレンドリーシティでもあるのです。
まったく異なるこの二つが交わることで、それぞれの取り組みが加速するのではないかと考えて記事を書きました。
特に、エンジニアの方々にこの記事を読んでいただきたいと思っています。
福岡市は認知症フレンドリーシティである
福岡市は2018年2月に認知症フレンドリーシティ宣言を行いました。
ユマニチュードの積極的な導入によって介護現場だけでなく市民にも広くケア技法を学ぶ機会を提案したり、認知症の人にもにやさしいデザインでは市内の公的施設のデザインを変えるだけでなく「認知症の人にもやさしいデザインの手引き」を無料公開したりもしています。
さらに、企業とともに認知症フレンドリーなサービスを考える産学官民が連携したコンソーシアムである福岡オレンジパートナーズや、認知症の人が働き活躍する場を創出するオレンジ人材バンクといった取り組みも行われています。
私自身は認知症の人への訪問診療を行うなかで医療のみで認知症について考える限界を感じ、地域や他業種との協働の必要性を痛感して上記活動のいくつかに関わらせてもらう機会をいただきました。
一方で、自分の身の回りが認知症フレンドリーとなったと実感するようになったかというと、まだまだです。
最近は、認知症当事者を含めたゆるく楽しい集まりを定期的に開催したいなぁと考えているところです。
福岡市はエンジニアフレンドリーシティである
私は昨年からプログラミングを学びはじめ、医療現場で利用するwebアプリを開発しました。
クラウドファンディングで支援くださった方の現場への実装を少しずつすすめながら、自施設やすでに利用くださっている施設で生じたバグに対応したりと、駆け出しエンジニアとしても活動しています。(最近書いたQiita記事はこちらです)
プログラミングを学ぶために通っていたスクールを卒業し、これからどういったものを作っていこうかと考えた時に、認知症についての取り組みとエンジニアとしての取り組みを合わせて考えたことがなかったことに気づきました。
しかも、調べてみたところ福岡市はエンジニアフレンドリーシティも掲げているとのこと!
(とにかくなんでも「フレンドリーシティ」を掲げているのではないかと疑いましたが、私がGoogle検索した限りではこの二つのみのようです)
エンジニアフレンドリーシティのサイトでイベントカレンダーをみてみると、毎日のように何らかのイベントが開かれています。
(今月開催されるなかで最も興味があった意思決定のためのデータ分析勉強会にとりあえず参加エントリーしました)
いくつかのイベントページをみる中で知ったのが、エンジニアカフェです。
赤煉瓦文化館のことは以前から知っていましたが、こんな施設になっているとは全く知りませんでした。
二つのフレンドリーのつながりに期待すること
プログラミングを学ぶ過程でエンジニアの方達とお話をしていて印象に残った言葉として、「技術はあるけど作りたいものがないエンジニアが沢山いる」ということがあります。
一方で、認知症の人がやりたいことはあるけど様々な要因で実現できずにいる、認知機能の低下や環境の問題で日常生活での困りごとがある、という状況もあります。
このため、福岡のエンジニアコミュニティとつながり、エンジニアフレンドリーと認知症フレンドリーが交われば、面白いことが起きるのではないかと考えた次第です。
まずは福岡のエンジニアコミュニティとつながるべく、この記事を書く過程でエンジニアカフェに行ってみました。
私の勘違いもあり退室する際に会員登録を行ったのですが、Discordを用いたオンラインエンジニアカフェがありオンラインイベントの開催相談なども受け付けているとのこと。
ぜひ活用していきたいと考えています。
認知症フレンドリーテック
現時点で一つ考えているのは認知症フレンドリーテックです。
福岡オレンジパートナーズの取り組みの中で、ネクストミーティングとして企業の方達向けに認知症について知ってもらう会がこれまで複数回開催されてきましたが、この会へ参加くださっていたのはいわゆる大企業の方達がほとんどです。
そこで、エンジニアの方たちにも認知症について知ってもらい認知症フレンドリーなサービスを開発してもらうという企画が、認知症フレンドリーテックです。
エンジニアが集まり決まったテーマで集中的に作業しプロダクトを作るハッカソンというイベントがありますが、認知症をテーマとしたハッカソンを開催し認知症当事者の方の講演を聞いてもらった上でハッカソンを行うのはいいかもしれないと考えています。(ご支援くださる方を募集します!!)
山登り
もう一つ考えている企画は山登りです。
かなり唐突な話ですが、名古屋で取り組まれているお話についてお聞きする機会があったことや、単純に私自身が家族との山登りを楽しみにしていること、以前から連絡を取り合っている認知症当事者の方も山登りが好きだとお聞きしたことなどが背景にあります。
ゆるーい山登りの会を開催できればと考えているのですが、ここにエンジニアの方達にも参加いただけるといいのではないかというアイデアです。
私が次の山登りでは使おうと思っている[YAMAP](https://corporate.yamap.co.jp/)は、なんと福岡が本社とのこと。
だからなんだというわけではありませんが、引きこもりなイメージのあるエンジニアの中にも山登りが好きな方がいると信じています!
この記事をきっかけにエンジニアの方に認知症フレンドリーテックに興味を持っていただけたら最高です。
もし興味を持ってくださる方がいらしたら、Twitterまでお気軽にご連絡をくださいませ!!