見出し画像

追い詰められて見えてきたやらないといけないこと Part 1

はじめての投稿で社内のメンバーしか「スキ」ってつけてもらえないかと思っていたらたくさんの「スキ」貰えて非常に喜んでいます。そして「スキ」で部下とじゃれあっています(笑)。

noteへの反応

前回の振り返り

FiNCに人事として入社した僕がFiNC for BUSINESSの営業となり、たまたま受注が続き法人事業の責任者になったが顧客を見ずに社長を見て仕事をしていたのでいつまでたっても売れるプロダクトにはならず、売れない原因を前社長や部下のせいにしていた話。

今回は、会社も事業も追い詰められきて、見えてきたやらないといけないことについて語る第一弾です。

エンタープライズの実態を認識すること

前回、自分たちの「強み」「ステージ」「市場の状況」「世の中の動向」について振り返りました。また「ステークホルダー毎のメリットを洗い出す」「証拠・実績の重要による信頼の獲得」「アーリーアダプターを探す」「ボーリングのセンターピンを探す」などの重要性についても触れました。

それらを踏まえた上で「エンタープライズ」をターゲットとすることを決定しました。

・ARPUが高いこと(財務状況を踏まえ)
・既存顧客もエンタープライズが多く知見がある
・当社の株主様にもエンタープライズ企業が多い
・フィールドセールスの人員数が実質1名と少ないこと
(代理店含む複数企業との商談時間確保が難しい)
・SMBはチャーンが高いこと
・エンタープライズの要求されるものを最大公約数として機能実装することが近道と判断したこと
などが主な理由です。

エンタープライズをターゲットと定めた時に、その特徴も振り返りました。この振り返りを現社長の南野に商談に参加してもらいながら理解してもらったことが今となっては非常に有効でした。この実態を掛け違えるとその理解のすり合わせに時間を要することと適切な施策を打てなくなるためです。

特にKeyPointだったのは、相手の「立場」「状況」をおさえたことです。具体的には、相対となるエンタープライズ内での人事部の立場、エンタープライズのシステム環境です。

【エンタープライズの人事部門の立場】
・どの企業も営業部が花形であることが多く、人事部や健康保険組合からの発信は軽んじられやすい
・人事部の投資は、売上貢献やコスト削減に繋がることが少ないので投資上申が慎重になる
・経営からすると売上やコスト削減にならないため、非効率的にならざるを得ない業務がある
(公的機関や医療機関などとの紙書類のやり取り・公にできない従業員の特別ケア事案対応など・・)

【システム概況】
・ベンチャーなどの企業とは異なりメインフレーム時代からの資産が前提となったシステム構成
縦割り組織によるシステム導入が進みがちで様々なシステムが乱立している
・「スマートフォン」などデジタルを使った業務が浸透していない
(営業のスケジュール管理がExcel、業務中の私用携帯の利用は禁止など・・・)

このような「立場」や「システム概況」はベンチャーでしか働いたことのない人は理解し辛いかもしれません。

ベンチャーでは、事業の成長とともに迅速で臨機応変な対応をし、組織作り・採用・評価など進めていく必要があり、人事領域の重要性が多く語られています。

システム概況においても、クラウドの仕組みを利用するのが当たり前のベンチャーと違って、マイクロソフトのOfficeツールをパソコンにインストールし、サーバーといえばオンプレミスがエンタープライズでは当たり前だからです。

こういった振り返りやフィードバックなど自己認識をすることはどのフェーズでも重要です。

成長し続けるために必要不可欠な自己認識力を高めること

人は無意識のうちに自分のことを客観視出来ていると思いがちです。前回のnoteや上述で記載していることは、最大限自分たちの状況を客観視している内容ですが、まだまだ不十分かもしれません。他者の思考や感情を想像する力をもって、自己認識をするのは非常に困難です。

ターシャ・ユーリックの”insight”によると「職場で従業員たちが自己認識を欠いていると、チームのパフォーマンスが下がり、平均で36%も判断の質が低下し、46%も協調性が低くなり、衝突が30%も増す。全体としては、自己認識が欠如した従業員の数が多い企業の方が業績が悪くなる。」という記載があります。

自己認識をするのに重要なものは、「フィードバック」とその「情報の透明性」です。

株式会社コンカーは、2021年版日本における「働きがいのある会社」ランキングの中規模部門(従業員100〜999人)において4年連続となる1位となっておりますが、社長の三村さんの書籍「最高の働きがいの創り方 」でも「フィードバック」の重要性が論じられています。

このフィードバックの重要性を組織内に伝達し、事業計画に基づく各セクション毎のOKRやKPIはフィードバックの材料として活用すると明言し、いつでも誰でもフィードバック内容を見れる環境にすることが大事だと痛感しています。

当然ながらKPIなどの目標数値達成は大事ですが、未達成だった場合に「恐怖」が勝るとかつて僕がそうだったように、レビュアーの顔色を伺うようになり、報告内容が「言い訳」「事実隠し」に陥りやすくなります。そうなった場合に「数値」というフィードバックを有効活用しているとは言えません。

このフィードバックを自分たちの施策の物差しとして活用し、これを踏まえて瞬時に次の施策を検討する、或いは未来を予測して行動に移すことが事業成長には欠かせません。

ちなみに僕の事業部では、事業部に関わる全ての数値がスプレッドシート上にまとめており、全公開しています。

このフィードバックの重要性については、社長の南野とも議論しており、当社全体でもその機会を設けています。例えば月1回の全体会議は基本的に南野の企画・ファシリテートで進めていますが、全体会議の終了後に実施した会議に対して「アンケート回答」時間を設けて、コンテンツについてのフィードバックを得るようにしています。また、従業員が回答した内容についても全社に開示するようにしています。

フィードバックが限られた人だけでシェアされている状態では、自己認識(ここでは社員自分自身と会社の状態の双方)の機会が限られ、ミスコミュニケーションが発生します。また「情報の透明性」は相互の信頼をもたらし、心理的安全性が担保される状態が生み出され、よりフィードバックしやすい組織基盤が出来上がります。

南野が社長になってから、先の全体会議では、人事にかかわる機微な情報以外は、すべて詳らかにしています。

またSlackのやり取りはパブリックチャネルでやり取りをするように啓蒙していきました。その結果、パブリックチャネルとプライベートチャネルの割合は以下のように大きく改善しました。

slack推移

人は生物学的にホメオスタシスの原理が働くので、行動変容するには、フィードバックの機会を多く設け、自己認識することが大事です。

気がついたらまた結構なボリュームになってきたので、詳細は次回また書きます。実は毎週木曜日に書くことを内部では約束しました...。


いいなと思ったら応援しよう!