ブランド確立のために続けることの大切さ
10年続けたトレイルランニングレース
今回は今週末に参加していたトレイルランニングのレース大会を見ていて感じたことを書いてみようと思います。テーマは続けることの大切さ、です。
もちろん、このテーマを挙げると当たり前のことのように思えますが、この#みんなのブランディングですから、ブランディングの観点から書いていきたいと思います。
今週末に参加してきた「白馬国際トレイルラン」は今年で10年を迎える大会になっています。昨年、一昨年は感染症の影響で十分な大会開催はできませんでしたが、GPSデバイスを使ったバーチャルなレース(といっても、マラソンのような類似のコースを想定できないので、ロケーションは白馬を使うなどの工夫もありました)を開催しながら、開催を継続してきている大会です。私は友人がこの大会のプロデュースをしているので第1回から参加していますので、年を追うごとに大きくなっていくのと同時に、様々な課題を抱えながらも「白馬のトレラン」としてブランドを築いてきたのをずっと見てきました。そこには、
参加する人が持つこの大会に対する特別な感情
継続的に参加する人たちのコミュニティ
大会運営側の気概と運営そのものの習熟度
応援する白馬村の人たちの姿勢
などから、まさに「ブランド」になっていることを感じました。
各ステークホルダーが見ている大会の形
この#みんなのブランディング では何度もお伝えしてきているように、ブランドとは、多くのステークホルダーが共感し、共に作り上げていくものであることと言い続けています。上記したように、参加費を払って参加するトレイルランナーは、この大会が年に一度だけだけどトレイルランニングするなら白馬のトレランと決まっている方も多い(もちろん色んな大会にエントリーされている強者もいらっしゃいます)でしょうし、一度集まればまるで同窓会のような雰囲気になっています。宿では、旧知の顔を見つけては挨拶が交わされる光景は、まさに、スポーツを核としたコミュニティが出来上がっていることを示しています。参加する人を惹きつけるのには十分すぎる力を持っていると思います。
また、大会運営側もこの感染症の不確定要素が多い中、開催に漕ぎ着けたのは多くの壁や苦労があったことだと思います。今年もだいぶ制限が緩和されてきている中ではあるものの、前日後日のイベント開催の設定やイベント会場の密集度を分散させる仕組みなどは苦労されてきたのではないかと思います。ただ、やはり10年開催してきていることもあり、大会の運営は安定感があります。
それから村の人たちの応援も選手にとっては嬉しいものです。沿道で応援する人たちや学生さんのブラスバンドなどこの大会を盛り上げる大切な要素であることは間違いありません。
このように多くのステークホルダーがこの大会を、その大会の特徴として形づくっているわけで、これだけを見ても十分強いブランドに成長したと考えられます。大切な視点としては、上記のような環境に育つには、
ある程度の時間も、ブランド育成には必要である
ことを示しています。
当初は大きな苦労も
とはいえ、この大会の初期には金銭的な負担も大きかったと聞きます。収支が合わず赤字になる、といったことも経験してきているようです。大切なことは、ブランドを育てるにはある時間が必要であることと、長く続けられるためのエコノミックがきちんと整っていることです。運営を続けていく中でトレイルランナーのロイヤリティを確実に醸成していきながら、運営を修正していきつつ「続けられる体制」を築いていくことが求められます。続けられるのにも戦略と細かい作業があるということを言っているのであって、ブランドを作っていくために気合と根性で続ける、ということでないことを理解しなくてはなりません。