障がい児を幼い頃から人の中で育てるメリット
子どもがまだ保育園に通っていた頃、僕にとっての育児は苦しいものでした。
子どもはかわいいのですが、何をするのも手がかかり、気に食わないことが我慢できない。なのに離れることもできない。という負の悪循環。
ただ、育児の環境には恵まれていました。
友人や職場の後輩たちは、僕ら親子の家に遊びに来てくれたり、外食やキャンプで外に連れ出してくれました。
保育園の先生は、園の様子や子どもの良いところを見つけては、積極的に教えてくださったりしました。
そのこと全部が、ただありがたかった。
親子だけで過ごしていたら、子供への愛情と苛立ちでぐちゃぐちゃになって関係性は歪み、押しつぶされてしまったかもしれないと思うのです。
この経験から、子育ては親子だけで行うのではなく、なるべく早くから色々な人を巻き込んでいく方が良いという、僕の中の育児のベースが固まりました。
幼い頃から、親や友人などいろいろな人たちと一緒に子どもを育てることには多くのメリットがありました。
親と子のそれぞれの視点に分けると、以下のようになります。
【親のメリット】
子どもが他と大人とコミュニケーションをとっているところを、少し離れてところから客観的に見る機会になる。
家庭内では見られないような言葉や素振りを垣間見ることができ、子どもの成長に気づくことができる。
自分以外の大人が、子どもに対して自分とは違うコミュニケーションをとり方で、笑顔や素直な行動を引き出している場面を目にすることで、自身のコミュニケーションの取り方を修正することができる。
純粋に他の大人に面倒を見てもらえるのでラク。その上、安心しておしゃべりができる。
第3者から見た子どもの良いところや成長したところを指摘してくれる人が一定数いるので、新しい視点で子どものことを見直せる。勇気をもらえる。
違う目で子どものことを見てもらえるので、客観的な意見を聞くことができる。
【子どものメリット】
家族以外の人と一緒に過ごすことに慣れることができる。
家族とは違ったコミュニケーションに触れる機会になる。
自分のことをよく知らない人に思いを伝えるために、コミュニケーションを工夫する必要があることを経験する。
集団の中で、自分のことを気にかけてくれそうな人と、そうでない人の判断が無意識にできるようになる。
うまく言葉のキャッチボールができなくても、人と何かをすることは楽しいという感覚を体験することができる。
色々なコミュニケーションモデルに触れ、周囲の人に多様性があることを体験から学ぶ。
色々な大人の態度や話し方から好ましいコミュニケーションの取り方を判断し、取り入れる機会になる。
小学校へ入学した以降は、集団生活への適応が迫られます。
支援学級では障がいがある子どもを柔軟に対応してくれるのですが、就学前から多くの人の中で過ごす経験を積んでおくことは、就学後の人間関係を安定させるために必ず役に立ちます。
また、人と過ごすことに慣れている方が、その後に放課後デイなどの療育サービスを利用しやすくなります。
このことは、「親の負担を減らすこと」と「子どもの成長を促すこと」の両方を兼ねた選択ができるようになることを意味します。
もちろん親自身が人見知りで、なかなか集団内に入ること自体が疲れるという方もいると思います。
僕もかなりの人見知りなのですが、障がいがある子どもを育てているとことを知り、気を遣って声をかけてくれる人がいました。
そして、声をかけてくれた人にはなるべく甘えるということを意識して来ました。
人見知りがある人は「優しくしてくれる人に甘える」ということから始めていくというのも意味のある始めの一歩になるのではないでしょうか。
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