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発達障害がある子どもの子育て 一問一答


Q.子どもをどう育てていいのかわかりません。

A.得意なことを中心にトレーニングしていきましょう。


子どもの能力を客観的に見たとき、得意でできていることを積極的にトレーニングしましょう。
また得意なことでも、できていないことはサポートをしながらトレーニングを進めていきます。

苦手なことは、今できていても子どもが無理をして適応していたり、失敗体験を繰り返して嫌になっている可能性があります。
サポートに徹しましょう。


Q.育児のために自分の時間が損なわれている気がして辛いです。

A.育児も自分のことも両方行うために、取り組むことを絞りましょう。


育児が忙しいという理由で自分のことを後回しにするとストレスが溜まっていきます。
そのため育児も自分のことも両方を大切にすることを基本に生活を組み立てていきます。

とはいえ、時間には限りがあります。
優先順位を意識して、落とすことができない本当に大切ことだけに絞って取り組むことが必要です。
育児の大切なこと1つ、自分の大切なこと1つ、この2つのことだけに絞って取り組むようにしてみましょう。


Q.子育ての費用をどうしたらいいのか不安です

A.共働きを検討することと、公的支援の受け取り忘れがないか確認をしましょう。


環境が整っていれば、共働きが現実的な解決法です。
金銭的な余裕が生まれるだけでなく、子どもが家以外の環境で過ごす練習の機会になります。
役所に直接相談したことがない場合は、受給できる公的支援について子育て支援課で確認することをおすすめします。
意外な受け取り忘れがあるかもしれません。


Q.育児でイライラしてしまいます。

A.まずは気分転換をして、その後から育児への理解を深めていきましょう


イライラしたままで冷静に判断することはできません。まず必要なのは気分転換です。
お気に入りの場所へ行くなどして、一旦その場を離れてみましょう。
離れることができない場合はマインドフルネスも効果的です。

障がいがある子どもの行動や育児は当初、戸惑うことだらけです。
子どもの行動の理由や育児に対する理解が進み、少しずつ折り合いがついてくることで、落ち着いて考えられるようになっていきます。
育児について理解を深めるために本を読んだり、専門職に質問をしたり、他の親にどうしているか尋ねたり、負担の少ない自分に合った方法を探してみましょう。


Q.子どもの行動を変えたいのですが、言うことを聞いてくれません。

A.子どもはすぐには変わりません。でも親の対応は変えることができます。


理解力が未熟な子どもは、親の言うことが理解することが難しいです。
加えて、子どもは元々親とは異なる別人格なので、自分の意思で動いています。
周囲から求められることが理解できず、自身の意思だけで行動している子どもが変わることは難しいかもしれません。
しかし、親は変わることができます。

親は子どもの適応的な行動を誘発するために関わり方を変えることができます。
声かけの仕方やタイミングを工夫したり、生活環境や福祉サービスを調整したり。
専門家のアドバイスを聞きながらいろいろと試してみましょう。
子どもの好ましい行動を誘発してくれるトリガーがきっと見つかるはずです。


Q.親は子どものために、どのような指導をしたらいいですか?

A.子どものときに親に指導してほしかったかどうか思い出してみてください。


色々なことを教えてあげたいと思うのが親心ですが、子どもがそれを望んでいるのかどうかはわかりません。
指導は親でなくてもできますし、子どもは親から離れて外に出れば、周囲の人から変容を求められます。

子どもが親に望むことは、安心感なのではないでしょうか。
「他の人よりできないことが多くても、君が一番大切だ」ということが伝わりさえすれば良いのかもしれませんよ。



Q.親にしかできないことって何ですか?

A.子どもとまわりを繋ぐことです。


親であっても子どもの成長の一部にしか関わることができません。
また、親亡き後の世界を生き抜くための能力を身につけることが育児のゴールになります。

早くから家族以外のつながりを作り、色々な人たちとの関わりやサポートを受けることができる。
そういった環境を作ることは親だけにできることです。


Q.子どもが就職できるかどうか不安です。

A.高等支援学校の選択を大切にしましょう。


高等支援学校では就労に向けた訓練するのですが、その取り組み方は学校によって異なります。
より実地に近い形で行うカリキュラムが多い方が、仕事の向き不向きの判断がしやすく、就職先を検討するのに有利です。

就労に特化した高等支援学校は自立登校が基本で、実習先への出勤も1人で行う必要があります。
なるべく早いうちに公共交通機関の利用するための練習に取り組むことをお勧めします。


Q.親が亡くなった後が心配です。

A.親も長生きできるように健康管理をしていきましょう。


健常な人もやがては病気になり、医療・福祉のお世話になります。
そのため、高齢になればなるほど障がいの有無による生活の差は小さくなっていきます。

子どもの行く末を心配するのなら、親亡き後の準備を進めるのと同時に、少しでも長生きできるよう自身の体調管理やストレスを溜めない生活を心がけましょう。



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