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一年に一度ワインを届けさせてください(2/3)

ドメーヌ ピノ・リーブルが理想だと考えるワイン、それは「物語がいっぱい詰まったワイン」です。

良いワインってどんなワインなんだろう?
と、ふと考えてみた。

まず、最初にイメージしたのが、雰囲気の良いレストランなどでソムリエさんが勧めてくれて、料理と一緒に楽しむワイン。うん、これは間違いなく良いワインだろう。まず、ハズレはないし、しっかりとマリアージュまで考え抜かれた、ある意味非日常の特別な体験ができる。何千何万という星の数ほどあるワインの中からプロが厳選してくれたワインは奥深いワインの世界に触れるとても良い機会だ。

次にイメージしたのは、楽しい雰囲気で飲むワイン。例えば、友人を招いてホームパーティやBBQでワイワイガヤガヤ。そんなときに友人が持って来てくれたオススメのワイン。これも間違いなく良いワインにちがいない。おそらくぼくのことをよく知ってわかってくれている友人がわざわざ持って来てくれたワインは、その香りや味わいなどの説明からはじまり、さらにその後の会話を大いに弾ませてくれるきっかけになるだろう。

人それぞれワインを飲む瞬間があり、それぞれの好みがあり、それぞれの楽しみ方がある。
きっとワインというものは、飲む人を笑顔に、豊かにさせてくれる、そんな存在なんだろう。

ただ、一方で、
ぼくたち飲み手は、造り手の情報に触れる機会があまり少ないことに気づく。ぶどうの栽培やワイン醸造の仕方など、つくる過程の情報は意外と少ないのだ。ワインのラベルには、収穫年、収穫産地、ぶどう品種、原産国、アルコール度数など、最低限必要な情報は入っている。
しかし、ワインは農作物なので、同じぶどうが存在しない様に、毎年全く違うワインが造られる。その年々の状況やぶどうに合わせて、個性を尊重しながら栽培し、収穫したぶどうの状態を見てどのようなワインに育てるかを想い描きながら醸造する。それは、とてつもない選択肢と数年後を想像するという最もクリエーティブな過程だといえる。
そして、その選択の思考の過程や、栽培状況などを知らないということが、なんて勿体無いことだということにも気づく。

僕たちは栽培醸造家がどれだけ愛情をそそいでそのワインをつくったのかを知らない。
雨の日も、かんかん照りの日も、毎日畑に向かい、まるで会話をする様に樹々の状態を見ながら、なにを思い、どう栽培しているのだろう?
どんなことに注意しながら、どんな設備を使い、どんなこと考え想い描きながら醸造しているのだろうか?
それを知った時に、その栽培醸造の物語を知った時に飲むワインは、これもまた間違いなく特別なワインとなることだろう。

次に続く>


トラクター

ワイン農家 ドメーヌ ピノ・リーブル(周防大島ワイナリー株式会社)

瀬戸内に浮かぶ周防大島に2018にOPEN。すべて自社農園のぶどうのみを使い、ぶどうの栽培からワインの醸造まですべての工程を栽培醸造者2名で行う、メンバーシップの小さなワイナリー。
山口県周防大島町油良232-1
https://www.domaine-pinot-livre.com/

CSO 西村尚倫

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