円安進行が「つみたてNISA」に与える影響~後編~
つみたてNISAで外国株式に投資している人にとって、円安はどのように影響するのか。
前編に引き続き、考えていきます。
前編では、投資信託の値動きに、為替が与える影響をご説明しました。
同じグラフを再掲します。
過去1年で円安ドル高が進行したため、ドル建ての株価指数(S&P500)よりも、円換算した投資信託のほうが値上がりしている、ということでしたね。
この説明だけだと、「円安って良いね!」と思われるかもしれません。
しかし、逆の見方をすると、「これから先の購入価格が上がっている」ともいえるのです。
投資の基本は「安く買って、高く売る」です。
いま急激な円安で値上がりするのは、高い商品を買うことになるため、将来資産を増やすという目的に対しては、むしろマイナス要因なわけです。
まとめると、「外国資産を保有している人にとって、長期的な円安は資産増につながるけれど、短期的な円安は歓迎できない」ことになります。
「じゃあ、結局どう考えればよいの?」
となりますよね😅
つみたてNISAをやっている皆さんにお伝えしたいのは、「為替の変化は気にせず長期運用を継続しましょう」ということです。
下のグラフは、アメリカの株価指数であるS&P500(桃色線)、それを円換算したもの(青色線)、そして米ドル/円(緑色線)について、過去約30年の値動きを示したものです。
過去30年で、米ドル/円は上昇と下降を繰り返しながら、やや円高ドル安になってきています。
円高傾向なので、日本からS&P500指数に投資した場合(青色線)は、元の指数(桃色線)よりも上昇率は悪くなっていますね。
それでも、この30年で900%(9倍)まで増えているのです!
株価が上昇するパワーは、為替変動を大きく上回っている、というのが過去のデータなんですね😊
未来に絶対はありませんが、これからも長期的にみれば、為替の変動よりも株式市場の成長率のほうが大きい可能性が高いです。
将来のことを考えて、つみたてNISAをはじめた皆さんの行動力は素晴らしいと思います!
ぜひ、短期的な値動きや世間の情報に惑わされず、安心して運用を継続してくださいね。
(補足)
為替の影響がわかりやすいように、米国株式の事例で説明していますが、私はどちらかというと全世界株式派です。
気になる方は、こちらの記事もご覧ください。