投資信託は円安対策として有効なのか?
先日、ある受講者(Aさん)から、次のような質問をいただきました。
「円安対策として、外貨を持つべきと聞きました。外貨預金などしたほうが
よいでしょうか?」
Aさんへの私の回答は以下です。
「円安への対策として、外貨資産を持つことは有効です。」
「ところでAさんは、外国株式型の投資信託を保有されていますね。ですので、外貨資産をすでに持っておられますよ!」
投資信託は円貨で取引されるため、Aさんのように外貨資産を持っていると認識してない人は意外と多いようです。
投資信託は外貨資産?
外貨資産とは、「米ドル」など海外の通貨で運用される資産のことです。
ここでいう資産とは、預貯金、株式、債券など現金に変えることができる金融資産を示します。
投資信託の場合、その投資対象によって円貨資産か外貨資産かが決まります。
例えば、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)という投資信託は、アメリカの株式に投資しているので外貨資産といえます。
また、全世界の株式を対象としたeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の場合も、約94%は外貨資産となっています。
投資信託の成績事例
過去3年間で、アメリカの株価指数であるS&P500は約28%増えています。
一方、S&P500を対象とする投資信託のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)はなんと約94%も増えているのです。
なぜ2倍近くにも増えたかというと、3年間で大きく円安になったから。
つまり、同じ米国株式に投資をしていても、米ドルで生活している人よりも、日本から投資したほうが増えているのです。
外貨資産は円安に強い
円安になると、輸入品の値上がりなどによって物価が上昇し、生活を圧迫します。
一方で、適切な割合で外貨資産を保有できれば、円安による値上がりで資産価値が増加するため、物価上昇に対抗できるのです。
ある程度の外貨資産を保有することができれば、円安による物価上昇も怖くなくなります。
外貨預金はあり?
ちなみに、「ドル建て預金」などの外貨預金も、外貨資産なので円安対策にはなります。
しかし、私は外貨預金そのものを推奨しません。
メリットと比べて、手数料が高いなどデメリットのほうがかなり多いと考えているからです。
いまは円安ですが、そのうち円高になるかもしれません。
自分が保有している商品が値動きする理由をきちんと理解しながら、長期目線で資産運用を続けていくことが大切です。
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