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安藤祐介「本のエンドロール」を読んで本作りの背景に想いをはせる

“舟を編む”が好きな人はきっとこれも好きだと思うみたいな書き込みを目にして年末に衝動買いした一冊。
なんとなく勘でこれは電書でもなく文庫でもなく単行本で読んだ方が良い気がしてそうしたのだけど、正しかった。これは本の手触りを自分の手に感じながら読み進めるのをオススメします。

ツヤっとしたカバーが写真の奥行きを深めている。工場の冷やっと感とインクの香りが漂ってきそう

実際この本に使われた紙や加工の詳細も記述されていて勉強になった。

細かい造本の仕様が書かれている

個人的には帯の紙、アラベールスノーホワイトにマットニスするとこうなるんか…良いね… えっ表紙の紀州の色上質にもマットニス?めっちゃ質感良くなるのね…マットニス良き…ってなった☺️

ネタバレだけど最終ページまさにこの本のエンドロールが仕込まれている仕掛けには泣けた。じっくりそれぞれの方の名前を眺めさせていただきました。
さらに帯にはQRコードがありこの本が仕上がるまでの印刷工程を動画で見られたのも余韻を楽しむには最高だった。特に製本作業は見たことなかったので面白かった!!!

内容に関しては正直それぞれのキャラクターがそこまでイキイキとは見えてこなかった(それぞれの年齢設定が最後までよくわからんかった)のだけれど、上流(作家や有名装丁デザイナー、編集者)からこれでもかと難題がなだれ込んでくる印刷現場の苦悩や苦労はとてもリアルに描かれていた。

ドラマ化したらいけるんでは?と思ったがいやいや大事な印刷機器をドラマ撮影のために止めて貸すなんてダメよ!とまず「稼働率」を考えてしまったのでかなり入り込んで楽しめたのだと思う。
年初に読む一冊目にはすごく良かったです 📖


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