親の来し方を想う
村上春樹『猫を棄てる』を読んだ。
戦争に翻弄された時間を胸にしまって生きる父。
その父の人生を記憶と記録を辿って綴る息子。
時空を超えた親子の結び付き。
強過ぎず、弱過ぎず、か細くも切れることのない、糸。
親の過去を受け継いで、今の自分がいる。
どういう形であれ、それは揺るがぬ事実。
それをどう受け止めて今を生きるか。
そしてそれをどう子に繋ぐか。
村上春樹さんがしたようにはできないけど、母の物語を書きたい。
戦中に生まれ、戦後の混乱を明るく生き抜いた母。
いや、生きてるけど。
だいぶ元気だけど。
本人の話を聞いてもまとまらないし、記録が残るような人生ではないから、フィクションになるけど、書きたい。
それだけの筆力がほしい。
この感想を書く前に、岸田奈美さんの感想noteを読んだ。
圧倒されまくった。
読まなきゃよかった笑
いやあ、書けねぇわ。
「風が雨になった」なんて。
『風の歌を聴け』から読んでんのにさ、こっちは。
悔しいわ。
基本的に、村上春樹作品は文庫を待つことにしているんだけど、これはならないかもしれない。
なったとしても、単行本の方がいいかも。
挿絵と装丁がすごくいい。素敵。
読んで、みんなも。