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#35 那覇マラソンのきっかけは角田光代さんだった
12月2日(土)
今日から4泊で沖縄へ。
明日は那覇マラソンを走る。那覇マラソンを走ろうと思ったいちばん最初のきっかけは、たぶん10年ぐらい前に読んだ角田光代さんのエッセイだ。
Number Doで連載されていた「なんでわざわざ中年体育」を読み、単行本になってからも読んだのだが、その中でなんと那覇マラソンはその1からその4まで4年分も収録されていた。角田さんの「那覇マラソン愛」が伝わってくるではないか。
沿道でサーターアンダギーや泡盛を配っているなんて、本当だろうか?
実際に行ってこの目で確かめたい。
当時はまだ教員をやっていて、12月の1週目なんて学期末の成績処理で忙しい時期だったから、土日で沖縄に行くなんて考えられなかったけれど、今なら行けるじゃないか!
同じランニングクラブのメンバーで、20回近く参加しているという人もいて、「参加費も9800円だよ。安いよ。」と勧められ、初めてエントリーしたのだ。
7時台の飛行機で那覇に向かい、昼ごろにはランナー受付をするためにスタート会場となる奥武山公園へ行った。受付票をチェックしてくれた高校生男子がわたしの住所を見て「僕も藤沢に住んでたことあるんですよ!」と声をかけてくれる。「明日、頑張ってください!」と言われて、なんだか幸先がいい。
ぶらぶらと歩いて琉球八社の一つである天久宮(あめくぐう)を目指す。
御朱印をもらうとき、ランナー受付でもらったバッグを見て、「明日走るんですか?頑張ってくださいね!」とここでも応援される。
夜は勝手に前夜祭。もちろんオリオンビール。
カーボローディングと称して、パスタとリゾットも。
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12月3日(日)
那覇マラソンは、角田光代さんが書いていた通りだった。
沿道の応援と、ドリンク・フードの提供が途切れない。国際通りも住宅街もサトウキビ畑も、どこにでも誰かがいて、「頑張ってー!」と声を張り上げ、走っている人に何か差し出している。
他のどの大会とも違うおもてなしの濃さを感じた。
アップダウンもあり難コースなのに、なんとか走り切れたのは熱い熱い応援のおかげです。
・1kmすぎのところでステーキ発見。
・沖縄そばが美味しかった。
・だし汁や味噌汁など塩分補給できるものもありがたい。
・ロールケーキはちょうど終わってて食べ損ねた。
・いちばん受け取ったのは、皮を剥いてあるみかんと黒糖。
・チューチューアイスは、持って走りながら水分と糖分を補給するのにとてもよい。
・ストローを差してあったヤクルトも飲みやすかった。
・まさかのビールまで!(脳天直撃の痺れる美味しさだった。)
・ジューシーおにぎりやタコライスなど沖縄らしいものもたくさんあった。
・完走率が6割という低さなのは、全部飲んだり食べたりする人がいるからなのでは?
あとは子どもの多さに驚く。出生率47年連続1位ってこういうことなのか。
小さい手とたくさんハイタッチをした。おばさんは、なんかもうそれだけで泣けてくる。
今回が37回目となる那覇マラソン。スタート前のアナウンスで、第1回の大会から連続で完走している人がなんと26人もいると知った。かっこよすぎる。
体調、天候、自分自身のライフイベントや仕事など、生きていれば毎年いろいろあるだろう。ベストコンディションの時ばかりじゃないはず。それでも40年近く続けて出走して完走するってすごい。
夜のお疲れ様会はのうれんプラザの中にある「アンマーの味&桂」にて、わたしを含めて8人で。よく食べてよく飲んだ。
Garminで確認したらフルマラソンを走って消費したカロリーが2447kcalだったので、思う存分カロリー摂取した。
8人の中ではわたしが最年少で、ラン歴の長い先輩方は海外大会の経験も豊富。取らなきゃ取らなきゃと思っていたパスポートを早く取ろうと心に誓い、TickTickのアプリに入力した。
そして、手帳類継続ラジオを聞いたよーという話から、それぞれの記録遍歴の話になった。マイナーな趣味かと思っていたけれど、家計簿を30年つけているとか株の売買の記録は手書きでやっているとか、興味深い話をいろいろ聞けた。
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12月4日(月)
朝から土砂降りの雨。昨日、晴れている中を走れたのがいかにラッキーだったのか、今さらながら気づく。
前日、シャワーも浴びずに寝てしまったため、朝からホテルの大浴場へ。屋根がない完全露天風呂なので(洗い場にも屋根がない)、雨に打たれながら入浴する。何かの修行?
ホテルをチェックアウトして、今日から泊まる予定のホテルにスーツケースを預ける。650mしか歩いていないのに、靴の中までびしょ濡れになる。靴下がぐずぐずになって蒸れるこの感じが久しぶり。普段履いている雨用の靴がいかに優秀かということに気づく。
その足で沖縄県立図書館へ向かう。
2月に那覇に来たときに立ち寄ってとても気に入ったので、今回は図書館から近いホテルにしたのだ。
角田光代さんのエッセイを見つけ、那覇マラソンのところだけ読む。既読のものだったが、自分が実際に体験してから読むとやはり浮かび上がってくる景色のリアルさが違う。
「毎年那覇にいっているのに、美ら海水族館も首里城もいったことがない。どこに何があるのかまったくわからない。でも、知っているという自信がある。わたしは那覇という場所と、そこに住む人の心を、42.195km走るだけで、いつだってちゃんと見ているという自信がある。」
夜は手描き人生マップのインタビュー。
2月に自治会の取り組みのお話を聞かせてもらい、グラフィックレポートを描いたというご縁の若き自治会長さん。
インスタでは繋がっているが実際に顔を合わせるのはまだ3回目。それなのに、自宅に呼んで夕飯を振舞ってくれると言う。沖縄の人って、これがスタンダードなの?マラソンの応援で感じた沖縄のホスピタリティをここでもまた感じる。
ビールを飲んだ後でのインタビューも初めてなら、パートナー、ご両親、お子さんなど、ここまで大勢に囲まれながらのインタビューも初めて。
想像以上におもしろかった。
小学生の娘さんが、父と母の関係性をよく観察していることに驚く。高学年はもう大人だ。かなり頼れる存在だということが分かる。
手作りのサーターアンダギーをたくさん持たせてもらい、車でホテルまで送ってもらった。
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