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アスファルト ASPHALTE
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同年代くらいの男と女が2人でいると自然と恋人同士や夫婦に見られてしまうことが多い。
見た目で人を判断してはいけないと言うけれど、自分たちの関係性を声に出して歩いたり、分かりやすいように旗とかを掲げてるわけでもないので仕方のないことなのかもしれない。
私が気になるのは、一体どのくらいの年齢差があれば恋に囚われなくなるのかということである。
『アスファルト』に出てくる女優と隣人の男の子、偽写真家と看護師、宇宙飛行士と彼を助けた女性。
皆少しずつ孤独で、少しずつ他人を疎ましく思ったり思われたりしてる中、何となく出会い、関係を不器用ながらも築いている。
観てる側からすると「彼らは恋に落ちないだろうな」と思うかもしれない。
でも彼らの間で恋ではなく愛情が育っているのが手に取るように分かり、羨ましくて羨ましすぎて観てる側の人々は地団駄を踏むしかないのである。
彼らは恋人ではないし、友人でもない。
まだ固まっていない、柔らかく脆い関係で、一言で表すのがとても困難な間柄。
人間の関係性の不思議さと温かさが伝わる作品だった。
Jules Benchetritの出演している数少ない作品なので、また機会があれば是非鑑賞したい…!
■原題:ASPHALTE
■邦題:アスファルト
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