どこへ行っても大丈夫な人の特徴とは
これまでたくさんの人と一緒に仕事をしてきた。
人生の、次のステップに進むために、うちの店を辞めていく人の中には、私にこんなことを、最後に言わせる人がいる。
「あなたなら、どこへ行っても、何をやってもきっとうまくいくわよ!」
そう言って、送り出させてくれる人がいる。
このように、
「この人は、どこへ行っても、そこでどんどん成長して、うまく仕事をやっていけるだろうな」、
そう思わす人の特徴を、考えてみたとき、次の事柄があげられると思った。
自分から笑顔で元気よく挨拶をする人
フィードバックに素直な人
フィードバックを自分から求める人
人がやっていることに注意を払う人
聞く力(尋ねる力)がある人
自分から笑顔で元気よく挨拶をする人。
この習慣がある人と、ない人との人生はずいぶん違うものになると思う。それほど大切だし、簡単そうに思えても、できない人は多い。
職場の人に、一日の始めに挨拶をしておくことで、その日一日、スムーズに仲間とコミュニケーションが図れることは、想像にたやすいけれど、それだけではない。
自分から相手に心を開く、というセルフ・イニシアティブ(自分から主体的に思考、行動する)を育てること、
相手の承認欲求を満たしてあげることができること、
という大事な要素も含んでいる。
「自分から」、というのが肝心で、挨拶をされて、それに笑顔で応える、では普通の人。
そして、それが「たまに」、ではなく、「いつでもできる」、となればそれだけで、私はその人に一目置く。お天気やさんでは、そんなことは決して無理。自分で自分の機嫌の取れる人だけが、できることだから。
何より、そんな笑顔で元気に挨拶する波動を、もってきてくれるだけで、お店は大きな恩恵をあずかっている。
フィードバックに素直な人、フィードバックを自分から求める人
こんな人の成長が早いのは、どう考えても明らかだろう。
松下幸之助さんも、「素直な心になるために」という名著を書かれているように、「素直さ」、というのは、仕事だけでなく、私たちの在り方だと思う。
フィードバックに素直であることは、一番大切だけど、それに加えてフィードバックを自分から求める人も、自分の成長を後押ししてくれる。
まわりから意欲のある人、とみなされるだけでも、その人へのベネフィットは大きい。
慣れてくれば、いつのまにかさっさと帰ってしまう人が多い中、マネージャーや、スーパーバイザーに、仕事を終えたことを告げ、フィードバックを求める人は、誠実で、一日、一日を意識的に過ごしているように感じる。
人がやっていることに注意を払う人
こういう人は、決して指示待ち人間にはなり得ない。
人がやっていることを見て、店や、仕事の流れを見て、そこに自分を順応させていく。
逆に、人がやっていることに興味がなく、言われたことだけしかしない人は、次の指示があるまで、ぼーっと立っていたりする。
この違いは何かな、と思う。
ここでも松下幸之助さんの言葉の中に、納得させてくれる答えを見つけた。
聞く力(尋ねる力)がある人
聞かずに自分でやる人。
こういう人は自分ルールの間違った方法を、ずっとやっていたりする。
真正な方法や、手順、決まりなどを伝えると、
「誰からも教わってない」と働き始めてから半年後でも、答える事態になっている!
きちんとトレーニング期間も設けて、殆どのことは、紙に起こして見える化している。でも、すべてとはいかないし、本人も忘れていることが多い。だから、どんなことも、恥ずかしがらずに、面倒くさがらずに、自分は知っていると、思い込まずに、「聞く」人はありがたい。
「聞く」ことに躊躇のない人は、自分のやっていることに興味がある人でもある。でなければ、質問は出てこないし、自分で深く、それについて知ろうとすることもない。
私は、ドン・ミゲル・ルイスの書いた、世界的ベストセラーでもある、「4つの約束」をスタッフ全員の見える場所に貼っている。
Be impeccable with your words
一貫性をもち、愛と真実の言葉を話します。Don't take anything personally
どんなことも個人的に受け取りません。Don't make assumption
思い込みや、決めつけをしません。Always do your best
いつもベストを尽くします。
聞くことのない人は、3番目の「思い込み、決めつけ」をしやすい人でもある。
だから、決して、自分で勝手に予測してやらずに、特に初めての状況に置かれてた場合は、必ず聞くように、とお願いしている。
さて、これら、私の体験で感じたことを書いたけれど、どれも基本的なこと。要するにこんな基本的なことさえできていれば、あとはそれぞれのスキルを磨くことに集中すればいいのだと思う。
ここまで書いておいて、最後にこんなふうに締めくくるのも何ですが、
私としては、笑顔で生き生きと、働いている人を見るだけで、嬉しい。
本当に、それだけで十分なのです。