ミラノ フオーリ・サローネ2019 レポート(19):Louis Vuitton, "Objects Nomades"
サローネ期間中、ルイ・ヴィトンは、パラッツォ・セルベッローニにて "Objects Nomades”というテーマで展示を行った。
この展示には、イランの建築家インディア・マーダヴ(India Mahdav)、日本のデザイナー吉岡徳仁( Tokujin Yoshioka)、ロンドンのデザインユニットであるロー・エッジ(Raw Edges)、こちらもロンドンのデザインユニットであるバーバー・オズガニー(Barber & Osgerby)、日本のデザイン会社 Nendo、ドイツ出身のデザイナーであるマーティン・バース(Maarten Baas)、スペイン出身の建築家パトリシア・ウルキオラ(Patricia Urquiola)、オランダのプロダクトデザイナーであるマルセル・ワンダース(Marcel Wanders)、スイスの建築事務所アトリエ・オイ(Atelier Oï) 、イタリアのデザインユニットであるフェルンナンド・ウンベルト・カンパーナ(Fernando e Umberto Campana)が参加した。
↑マルセル・ワンダースのランプ。
↑フェルナンド・ウンベルト・カンパーナの球根の肘掛け椅子。
↑アトリエ・オイのテーブル。
↑同じくアトリエ・オイのランプ。
”Objets Nomades(Nomades:「遊牧民」の意味)というテーマは、「一つのところに止まらずに彷徨う」«l’errante che non ha stanza fissa»:ことを意味している。
この精神は、ルイ・ヴィトンの創始者であるスーツケース職人ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton: 1821-1892、以下「ルイ」と表記)の行き方に由来していると言っていい。
ルイは、14歳の時に故郷を離れ徒歩で南仏に向かった。
イタリアの詩人ジャコモ・レオパルディ(Giacomo Leopardi; 1798-1837)が歌ったアジアの羊飼いのように、ルイは、2年間もの間、主要な都市を渡り歩いた。
1854年、ルイ・ヴィトンの事務所誕生。
ここに近代のカバンの歴史が始まることとなる。
カバンは、優雅な旅路のためのパスポートのようなものである。
この精神は、今回の展示にも引き継がれており、椅子、小テーブル、ランプ、ハンモック、ついたてなどの形となって表現されている。
また、今年は、ミラノのアーティストであるアトリエ・ビアジェッティ(Atelier Biagetti) eとトレヴィーゾの事務所ザネッラート・ボルトット(Zanellato/Bortotto)も参加した。
↑Zanellato/Bortottoの大型マンドリンのついたて(il paravento Mandala)。
また中庭には、板茂建築設計事務所による紙のスタジオが展示されていた。
イタリアの伝統的なパラッツォを贅沢に使った展示は、世界各国から作品を集めた見所のあるものであった。
Louis Vuitton, "Objects Nomades"
住所:Palazzo Sarbelloni/ Corso Venezia 16
期間:2019年4月8-14日(10:00-20:00)
※8日は関係者のみ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?