Nao Masunaga

美術館やカフェについてのマガジン『スカラ座の夜』はQueenをもじっています。 ローマ第一大学サピエンツァ博士課程在学。ルネサンス期イタリア史専攻。 Instagram: @nao_masunaga

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美術館やカフェについてのマガジン『スカラ座の夜』はQueenをもじっています。 ローマ第一大学サピエンツァ博士課程在学。ルネサンス期イタリア史専攻。 Instagram: @nao_masunaga

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  • スカラ座の夜

    このマガジンでは、主にミラノ、たまにパリや東京の街の情報と歴史、文化について書いていきます。 現地のカフェや美術館、食文化などなど、私が見た・食べたものに写真を添えてお届けします。

  • モードの小部屋

    このマガジンではファッションの美術館や特別展・展覧会についてのnoteをまとめています。 写真も豊富に掲載していますので、フォトブック+日本語の解説を楽しむつもりでご覧ください。(※写真の無断転載厳禁)

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    エッセイはこちらにポストしていきます

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『スカラ座の夜』:改めましての自己紹介

0. はじめに2020年1月、今回のnoteは、改めましての自己紹介です。 というのも2019年大晦日、ついにnoteのフォロワーが1万人を越え、色々な方に読んでいただいていることにびっくり、自己紹介と今後のnoteの方向性を綴りたいと思ったからです。 いつもは、一人称は「筆者」で、イタリアや日本のカフェ、美術館、お店などなどを淡々と紹介する文調で書いていますが、今回のnoteでは、一人称は「私」、「です・ます」調で書いていきます。 1. 自己紹介:京都から東京、東京か

    • 【後編】ヴィラ・ファルネジーナ(Villa Farnesina):ルネサンスの宝石、ラファエロのフレスコ画を楽しめるローマの邸宅

      【前編】に引き続き、【後編】でも美しい装飾を紹介していきたい。 1. 遠近法の間(The Hall of Perspectives)ラファエロがまだ助手たちと「キューピッドとプシュケのロッジア」のフレスコ画を描いていた頃、2階(the first floor)では、新婚である邸宅の主人アゴスティーノ・キージ夫妻を迎えるための改装作業が進められていた。 2階に続く階段を上がると、1519年8月28日に邸宅の主人である銀行家アゴスティーノ・キージが結婚披露宴を開いた「遠近法の

      • 【前編】ヴィラ・ファルネジーナ(Villa Farnesina):ルネサンスの宝石、ラファエロのフレスコ画を楽しめるローマの邸宅

        1. ルネサンスの宝石、ヴィラ・ファルネジーナ ヴィラ・ファルネジーナ、まるで宝石箱のようなフレスコ画に彩られた邸宅がローマのトラステヴェレ地区にある。 フレスコ画をデザインしたのは、ルネサンス期を代表する芸術家ラファエロ・サンティ。 シエナ出身の銀行家アゴスティーノ・キージ(Agostino Chigi;1466-1520)の命を受けた建築家バルダッサーレ・ペルッツィ(Baldassarre Peruzzi;1481-1536)にによって設計され、1506年に着工さ

        • ミラノのカフェ・パスティチェリア5選 vol.21:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

          お馴染みのミラノのカフェ特集、今回も美味しいお店を紹介していきたい。 1. フィオルディラッテ・ジェラテリエ(Fiordilatte Gelaterie)こちらは地下鉄リマ駅(Lima)の近くにあるジェラート屋さん。 ジェラート屋とはいっても、ジェラートだけではなく、お菓子や軽食など、色々なものがある。 店名にもなっている「ミルクの花」(Fior di Latte)とは、イタリアのジェラートのフレーバーの一つで、いわゆるミルク味のジェラートである。 バニラなど香料も入

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        『スカラ座の夜』:改めましての自己紹介

        • 【後編】ヴィラ・ファルネジーナ(Villa Farnesina):ルネサンスの宝石、ラファエロのフレスコ画を楽しめるローマの邸宅

        • 【前編】ヴィラ・ファルネジーナ(Villa Farnesina):ルネサンスの宝石、ラファエロのフレスコ画を楽しめるローマの邸宅

        • ミラノのカフェ・パスティチェリア5選 vol.21:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

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        • スカラ座の夜
          414本
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          74本
        • 私が物語をつづるとき
          10本

        記事

          福井のおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 7

          今回のnoteでは、筆者の故郷である福井県内にあるカフェ・レストランについて紹介していきたい。 このシリーズも帰国の際に訪れたお店をまとめていくシリーズとしてこれからものんびり続けていけたらと思っているところである。 参考: 1. 竹内菓子舗 花堂本店(福井市)こちらは福井駅から少し南に行った花堂という地区にある明治7年(1874年)創業の老舗和菓子店 竹内菓子舗。 現在福井県内ではこの花堂本店を含め二店舗展開しており、花堂本店ではテイクアウトがメイン、二ノ宮の方の店

          福井のおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 7

          東京のおすすめカフェ・レストラン5選 vol. 4

          東京のホテルの値段もかなり上がっている2024年現在、一時帰国中に東京に滞在できる期間も限られてきているのだが、東京滞在中に訪れたカフェやレストランについて、前回の特集に続きまとめていきたい。 一部2023年の夏に訪問したお店もあり、価格などの情報が古くなっているものもあるかもしれないので、各自、お店のウェブサイトやSNSなどで最新の情報を参照されたい。 1. 古城(上野)上野駅周辺には老舗喫茶がわりと多い印象であるが、ここ古城も上野の有名な老舗喫茶である。 地下に続く

          東京のおすすめカフェ・レストラン5選 vol. 4

          ミラノのカフェ・パスティチェリア5選 vol.20:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

          とうとうこのシリーズも20回目を迎えたが、今回もミラノの美味しいお店を紹介していきたい。 1. ナエヴェ(Naëve)こちらはモスコヴァ駅の近くに新しくオープンした日本風のケーキも取り扱うカフェ。 こじんまりとした店内に対して、イートインスペースの席数はわりと多い印象。 くすみピンクが基調のインテリアが可愛らしい。 日本風ケーキのラインナップは、ミルクレープやチーズケーキなどなど、日本だと普通のものに思われるかもしれないが、意外にもイタリアにはこのようなケーキがなかっ

          ミラノのカフェ・パスティチェリア5選 vol.20:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

          オリべッティ・ショールーム(Negozio Olivetti):ヴェネツィアのサン・マルコ広場をのぞむ、カルロ・スカルパの代表作品

          ヴェネツィアのサン・マルコ広場の一角に、1908年創業にイタリア・ピエモンテ州で創業したタイプライターの製造・販売会社オリベッティ(Olivetti)の店舗兼ショールームがある。 この洗練されたデザインのオフィスは、2011年以降、イタリアの文化財を保護する団体FAIが管理する施設となっているとのこと。 今回のnoteでは、ヴェネツィアの建築家カルロ・スカルパの傑作として名高いオリヴェッティ・オフィスについて書いていきたい。 1957年、アドリアーノ・オリヴェッティ(A

          オリべッティ・ショールーム(Negozio Olivetti):ヴェネツィアのサン・マルコ広場をのぞむ、カルロ・スカルパの代表作品

          イタリア・ミラノにてトゥー・グット・トゥー・ゴー(Too Good To Go)を利用、フードロス削減について考える話

          1. トゥー・グット・トゥー・ゴー(Too Good To Go)とは?今回のnoteでは、ミラノでトゥー・グット・トゥー・ゴー(Too Good To Go)を利用してみたことについて書いていく。 まずToo Good To Goとは何か?ということについて説明せねばならない。 Too Good To Goとは、余分に仕入れてしまった食品や余分に生産してしまった食べ物を賞味期限が来る前に売り切りたいお店やレストランと、賞味期限が近くてもいいから安く食べ物を手に入れたい

          イタリア・ミラノにてトゥー・グット・トゥー・ゴー(Too Good To Go)を利用、フードロス削減について考える話

          ミラノのカフェ・パスティチェリア5選 vol.19:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

          今回もミラノの美味しいお店5つを紹介していく。 1. アルテ(Arté Pasticceria Milano)こちらはリマ駅(Lima)とポルタ・ヴェネツィア駅(Porta Venezia)の中間くらいにある2023年オープンのパスティチェリア(お菓子屋さん)。 店内はこじんまりとしているのだが、外にテラス席があるのでその場でお菓子を食べることも可能。 店内では生菓子のほか、持ち帰りやプレゼント向けの焼き菓子も販売されている。 ブレてしまったがショーケースの様子。

          ミラノのカフェ・パスティチェリア5選 vol.19:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで

          エルンスト・フックス美術館/ヴィラ・オットー・ワグナー:ウィーン分離派の建築家オットー・ワーグナーの邸宅

          1. 建築家オットー・ワーグナーが家族のために建てた白亜の邸宅ウィーン分離派・ユーゲントシュティール様式の建築家として有名なオットー・ワーグナー(Otto Wagner;1841-1918)。 ウィーン分離派とは、歴史主義的な建築・美術様式が主流であった当時の流れから分離を目指すグスタフ・クリムトを中心に、1897年に結成された芸術家たちのグループである。 オットー・ワーグナー自身もウィーン分離派の建築家として、アール・ヌーヴォーの影響を受けつつも、よりシンプルかつモダン

          エルンスト・フックス美術館/ヴィラ・オットー・ワグナー:ウィーン分離派の建築家オットー・ワーグナーの邸宅

          マッシモ・デ・カルロ ギャラリー(Galleria Massimo De Carlo):ミラノが誇るポルタルッピ建築を利用したギャラリーがここに

          ミラノのポルタルッピ建築といえば、ヴィラ・ネッキ・カンピリオ(Villa Necchi Campiglio)が有名であるが、このヴィラと同時期にポルタルッピによって建てられた邸宅が、チッタ・ストゥディ地区にある。 それは、カーザ・コルベリーニ=ワッセルマン(Casa Corbellini-Wassermann)であり、ドイツの製薬企業家アウグスト・フォン・ワッセルマン(August von Wassermann)の邸宅として、建築家ピエロ・ポルタルッピ(Piero Port

          マッシモ・デ・カルロ ギャラリー(Galleria Massimo De Carlo):ミラノが誇るポルタルッピ建築を利用したギャラリーがここに

          パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 18

          このシリーズも18回目になったが、今回も美味しいパリのカフェレストランを紹介していく。 また筆者の個人的な理由であるが、2024年は特に私生活が慌ただしいことに加え、博士論文の執筆があったためにパリに行く機会も2022年、2023年に比べてだいぶ減ってしまった。 このシリーズの更新ものんびりペースになるがお付き合いいただければ幸いである。 1. カフェ・カルーゼル(Café Carrousel)こちらはピラミッド広場とテュイルリー庭園に面したところにあるカフェ。 ルー

          パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 18

          リブレリ・ジュソーム(Librairie Jousseaume):パリ2区、華やかなパサージュにある創業1826年の老舗本屋

          パリ2区にある華やかなパサージュ・クーヴェル(いわゆるアーケード街)として有名なギャルリ・ヴィヴィエンヌ(Galerie Vivienne)。 イタリアのように天気のいい日が少ないパリでは、寒さや雨風をしのぎつつ、人々が食事や買い物を楽しむことができる場所としてパサージュが次々と作られていった。 ギャルリ・ヴィヴィエンヌもそんなパサージュの一つとして1826年に開店。 新古典主義の装飾、モザイクの床、クーポラを備えたパリで最も愛らしい屋根付き通路は、たちまちパリの人々を

          リブレリ・ジュソーム(Librairie Jousseaume):パリ2区、華やかなパサージュにある創業1826年の老舗本屋

          ビアンネメ(Bienaimé):1935年創業、パリ発 のビューティーブランド、アール・デコ様式の香水瓶

          香水文化が古くから根付く街パリ。 パリには数多くの香水専門店が存在する上に、パリ発のコレクションブランドの香水も免税店や百貨店で買い求めることができる。 今回注目するのは、1935年創業のビューティーブランド、ビアンネメ(Bienaimé)の香水とその他の商品である。 90年近く続くこのブランドは、ブランクを経て、2022年にパリ1区に新たにブティックをオープンさせた。 創業当時のアール・デコ様式を伝えるブティックの内装や商品。 今回のnoteでは、そんなビアンネメ

          ビアンネメ(Bienaimé):1935年創業、パリ発 のビューティーブランド、アール・デコ様式の香水瓶

          パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 17

          これを書いている2024年夏、筆者にしては珍しく3ヶ月以上もパリに行っていないことに気づいた。 オリンピックの時期にパリに行くことだけは避けたいので、パリはしばらくお預け。 今回の記事は2023年11-12月にかけてパリに訪れた時の記録になるので、もしかしたらオリンピック前後で値段が変わってしまっているかもしれない。 最新の情報を読んで注意されたい。 1. アン・リーヴル・エ・ユヌ・タス・ドゥ・テ(Un livre et une tasse de thé)こちらはアン

          パリのおすすめカフェ・レストラン 5選 vol. 17