イタリア・ミラノにてトゥー・グット・トゥー・ゴー(Too Good To Go)を利用、フードロス削減について考える話
1. トゥー・グット・トゥー・ゴー(Too Good To Go)とは?
今回のnoteでは、ミラノでトゥー・グット・トゥー・ゴー(Too Good To Go)を利用してみたことについて書いていく。
まずToo Good To Goとは何か?ということについて説明せねばならない。
Too Good To Goとは、余分に仕入れてしまった食品や余分に生産してしまった食べ物を賞味期限が来る前に売り切りたいお店やレストランと、賞味期限が近くてもいいから安く食べ物を手に入れたい消費者をマッチングさせるアプリである。
簡単に言えば、フードロスをなくすのにとても効果的なアプリである。
2015年に開発されたこのアプリは、2024年現在、ヨーロッパ諸国やアメリカで利用可能であり、残念ながらまだ日本ではリリースされていない。
なお、Appleストアの地域設定が日本になっていると、このアプリをダウンロードすることもできないようなので、アプリをインストールするためには地域設定をヨーロッパの国に変える必要がある。
将来的に日本で使えるようになるかまだ分からないが、試み自体はとても環境にもお財布にも優しいいいことなので、イタリアで使ってみた体験談を語っていきたい。
2. ミラノで実際にToo Good To Goを利用
2-1. Too Good To Go のアプリの概要
2024年初夏のある日、ミラノにて友人とピクニックを利用することになり、これを機にToo Good To Goを使ってみることにした。
このようにマイページから自分の住んでいる地域を入力すると、Too Good To Goに食べ物を提供しているお店やレストランが出てくる。
ミラノではピザ屋やベーカリー、パスティチェリア、レストランのほか、スーパーマーケットやホテルなどもここに食べ物を提供しているらしい。
食べ物を取りにいく時間はお店によってバラバラである。
例えば、18-19時くらいのピザ屋やベーカリー、パスティチェリアだと夕方17時過ぎから閉店までの間に受け取り可能、逆に閉店時間が遅いレストランだと受け取り時間はもう少し遅い。
逆にミラノ市内のホテルだと、朝食ビュッフェの余りを提供しているところが多いため、受け取り時間は正午前後のところがほとんどである。
午後のピクニックにはこのホテルの朝食セットがぴったりだということで、評価が4以上の評判が良さそうなホテルのToo Good To Goを予約してみることにした。
2-2. ミラノ市内のホテルのToo Good To Go
友人とのピクニック当日の昼前、あらかじめ朝食セット4.99ユーロを予約しておいたミラノ中央駅近くのベストウエスタン マディソン ホテル(Best Western Hotel Madison)に赴いた。
四つ星ホテルのここでは、ホテル宿泊客向けの朝食タイムが終わった後、一般のお客さんに向けて昼食も提供しているとのこと。
朝食セットをピックアップしに行った昼前は、ちょうどランチタイムが始まる前であった。
朝食セットをピックアップするまでの間、ホテルのランチの様子を撮影。
「ご自由にふりかけてください」という山盛りチーズを見ると「ここはイタリアだな」と感じる。
おそらく朝食タイムにはパスタなどの温かい料理の代わりに、オムレツやハム、ヨーグルト、フルーツ、グラノーラなどが提供されているのではないかと予想する。
そうこうしているうちに朝食セットを受け取った。
支払いはアプリでしてあるために受け取りもスムーズである。
実際に受け取った朝食セットの中身については次の章で紹介する。
ベストウエスタン マディソン ホテル(Best Western Hotel Madison)
住所:Via Privata Leopoldo Gasparotto, 8, 20124 Milano, Italy
公式ホームページ:madisonhotelmilano.com
2-3. ミラノ市内のチョコレート工場のToo Good To Go
もう一軒、ピクニックの前に立ち寄ったのは、ミラノ発のチョコレート専門店ザイニ(Zaini)のチョコレート工場。
こちらガリバルディやポルタ・ヴェネツィア駅近くのザイニの店舗ではなく、デルガーノ駅(Dergano)近くの工場での受け取りなので注意である。
参考:店舗の情報はこちら
工場の敷地内には、昔の工場の様子が分かる写真が飾られている。
1913年創業のザイニの工場は、第一次世界大戦中に、戦場に夫や父親を見送った女性たちが活躍することができる職場であった。
工場に併設する直売所で商品を受け取る。
ガリバルディやポルタ・ヴェネツィアのザイニのカフェがおしゃれな贈答用のチョコレートを扱っているのに対し、この工場の直営所で扱われているのは、スーパーなどに並ぶザイニの商品である。
イタリアのカフェの中には、このザイニの市販のチョコレートをコーヒーに添えてくれるところもある。
このレシートを見てもわかるように17.2ユーロ分の商品を4.99ユーロで受け取ることができた。
ちなみに受け取ることができる商品は、お店の人が指定したものであり、お客さんは選ぶことができない。
受け取ったものの中身については次の章で紹介しよう。
Luigi Zaini Spa
住所:Via Carlo Imbonati, 59, 20159 Milano, Italy
営業時間:9:00-18:00(日曜定休)
公式ホームページ:zainispa.com
3. Too Good To Goでピクニック
友人との待ち合わせ時間になり、Too Good To Goで受け取ったものを早速広げてみた。
プラスチックの容器に入っているパン、卵、ハムはホテルで受け取ったもの。
マグカップに入ったチョコレート二つとチョコがけポップコーン、チョコエッグはザイニで受け取ったものである。
ホテルの朝食のあまりということでフルーツ類が入っていることを期待したが、この日は残っていなかったのか、はたまた衛生的な問題で入れられなかったのか、この日はパン、ハム、卵のがっつりなラインナップであった。
一方で、ザイニの方は、受け取った4つの商品のうち3つが子供向けのおまけがメインの商品で、チョコレートといえば、よく日本の食玩お菓子についているような小さな袋に入ったものだったのでちょっとしょんぼりした。
友人とも「おまけは要らないからチョコレートを食べたいな」と話していたけど、これはToo Good To Goということで購入者側は選べないことは承知済みである。
たまたま筆者が購入した日は、食玩お菓子の賞味期限が近く、Too Good To Goのパックに入れられたのであろう。
友人たちに持ってきてもらったドリンク片手に初夏のピクニックを楽しんだ。
日本ではまだリリースされていないToo Good To Goであるが、このように割引率がかなり大きく、お得感はかなりある。
ヨーロッパ留学中、かつ一人暮らしの人であっても、Too Good To Goで手に入れた食べ物は冷凍保存する手もあるので、食費を節約したい人にもおすすめなアプリである。
日本でリリースされるかはまだ不明であるが、今後の動きに注目したいと思っている次第である。