リブレリ・ジュソーム(Librairie Jousseaume):パリ2区、華やかなパサージュにある創業1826年の老舗本屋
パリ2区にある華やかなパサージュ・クーヴェル(いわゆるアーケード街)として有名なギャルリ・ヴィヴィエンヌ(Galerie Vivienne)。
イタリアのように天気のいい日が少ないパリでは、寒さや雨風をしのぎつつ、人々が食事や買い物を楽しむことができる場所としてパサージュが次々と作られていった。
ギャルリ・ヴィヴィエンヌもそんなパサージュの一つとして1826年に開店。
新古典主義の装飾、モザイクの床、クーポラを備えたパリで最も愛らしい屋根付き通路は、たちまちパリの人々を魅了した。
長さ176メートル、幅わずか3メートルのこのギャルリ・ヴィヴィエンヌは、1974年7月7日から歴史的建造物に指定されている。
18世紀末から20世紀初頭にかけてはパリには多くのパサージュが存在していたが、ボンマルシェやプランタン・オスマンなどの百貨店がパリにオープンすると、パサージュは商業施設としての機能を失っていった。
今現存するパサージュは、このギャルリ・ヴィヴィエンヌを含め、ごくわずかであるが、歴史を伝えるそれぞれのデザインは、今も訪れる人を楽しませてくれる。
今回着目したいのは、ギャルリ・ヴィヴィエンヌの創業当時から、ギャルリ内で営業を続ける老舗書店リブレリ・ジュソーム(Librairie Jousseaume)である。
現在の店主はフランソワ・ジュソーム氏。
このジュソーム氏の曽祖父が1890年にこの店を手に入れて以来、彼の一族がこの書店を運営しているとのこと。
1826年の創業当時は、リブライリー・プティ・シロ(Librairie Petit-Siroux)という店名であり、この店名は、今でも店の窓などに書かれている。
まるで秘密基地のような店内には、様々な年代の古本、ポストカード、ギフトカード、昔のチラシやポスターのようなものまで揃っている。
古く使い込まれた木の家具は、シャンデリアの光で淡い輝きを放っており、それはまるで知的な老紳士の書斎のようである。
また木製の細い螺旋階段は中二階に通じており、そこには文庫本のコレクションがたくさんあるとのこと。
現在の店主フランソワ・ジュソーム氏は、幼少期からこの店に入り浸り、多くの本や人と出会ったという。
店の中まで入り、古書をじっくり読む人、店先で足を止め、次々とポストカードを選ぶ人など、このお店の楽しみ方は様々なようである。
結局本を時間内に選ぶことができなかった筆者はトートバッグだけ購入したが、このトートバッグは、購入から2年近くが経過した今も大事に使っている。
そのほか、このギャルリには、素敵なブティックやカフェが立ち並んでいる。
10月、11月にもなるとパリはどんどん冷え込んでいき、天気が悪い日が続く。
そんな時でもこの隠れた名所では、楽しく街歩きをすることができるのである。
リブレリ・ジュソーム(Librairie Jousseaume)
住所:45-46-47 Gal Vivienne, 75002 Paris, France
営業時間:11:00-19:00(日曜定休)
公式ホームページ:librairiejousseaume.fr
参考: