障がいの事をオープンにして働いている話。
私は現在介護士として働いてちょうど2年になります。就職する時には発達障がいの事は黙って就職しました。働き出してちょうど半年あたりに上司のまた上司みたいな人に打ち明けて障害の事をオープンにして働くようになりました。
障がいをオープンにして働くまでの経緯
私は全く別の仕事から介護の仕事を始めたのですがまあミスが多い。発達障がい。特にADHD寄りの人にありがちだと思いますが忘れ物やベッド柵や戸棚の戸締り、配薬の行き忘れなど普通の人からしたら”そんなん気をつければ防げるじゃん。。。”ってミスをとにかくやらかしがち。特に介護士は利用者の方の命に係わることもある仕事なのでそんなミスを厳しく指摘されることも多いです。最初のうちは慣れていないせいなのかなと障がいと絡めていなかったのですが半年くらいたっても少しは減ってきていたもののやはり失敗はとても多かったように思います。
これではいかんと思い4か月目くらいから今までずっと行っていなかった精神科に通うようになりストラテラという注意の欠陥を減らす効果があるといわれる薬を服薬するようにしました。しかし残念ながら”これだ!”というほどの効果は私は得られませんでした。
私は介護士の仕事自体は結構気に入っていました。自分のした事でお爺さんおばあさんが喜んでくれる瞬間にいわゆる”やりがい”のようなものを感じていました。
しかし、自分のせいで利用者の方が怪我やあるいは命に関わることになるのかもしれないと思うと自分が介護士の仕事を続けていいのか悩んでいました。
そんな時にある方がnoteで障がいを途中からオープンにして働いているという記事を読んで自分も障がいを打ち明けて働くということを考えました。
とはいっても私にとって障がいの事を他人に話すのは簡単なことではありませんでした。自分の中で障がいの事を話すのは自分の隠しておきたい秘密を人に打ち明けるという事でした。周りの目がどうなるか、仮に話したといしてなぜ黙っていたのか責められないか。何かとてつもない厄介ごとが舞い込んでくるんじゃないか。そんな不安や恐怖が障害をオープンにして働くことを思いとどまらせていました。
私が障がいの事をオープンにして働けるようになった大きな要因として大きいのはやはり周りの人だと思います。
上司のまた上司の方(仮にSさんとしましょう)が素晴らしい人格者で私が入社を決めたきっかけも入社前にSさんとの面談があったからでした。
Sさんは入社前の人間だけに良い顔をしていたというわけではなく入社後も私の事を気にかけてくれて「大丈夫かね?」と声をかけてくれたり私のような下っ端の人間にもあちらから声をかけて挨拶をしてくださったりと私の事を気遣ってくれていることが良く分かりました。
Sさんになら話しても大丈夫かもしれない。そう私は考えるようになりました。
そしてコロナがまだ流行る前の会社全体の忘年会。私はSさんと話す機会がありました。天気や職員の動向など世間話をした後Sさんが口を開きました
Sさん「最近はどうかね?」
私「あの。。。実は少し相談したいことがありまして。。。」
Sさんは少し口をつぐんだ後に
「分かりました。今はこんな場だからあれだけどまたゆっくり話そうね」
とおっしゃいました。
年が明けて少しするとSさんから二人で話し合いの場を設けてもらいました。
私は経験上から口頭でうまくはしゃべれないだろうなあということが予想できたのであらかじめ紙に伝えることをプリントしていました。
紙に書いたこととしては
・ 自分は発達障がいがあり、ADHDであること
・もう正式に診断も受けてすでに手帳も取得していること
・一般枠で働いてる人も多く、自分も前の会社では一般枠で働いていたこと。
特性上(短期記憶があまり上手でない。一つ目の作業をしながら別の作業のことやらなきゃと覚えていることが苦手)どうしても人よりもケアレスミスをしやすいがチェックリストを見ながらミス防止に努めており、実際にケアレスミスも減ってきていると感じること。
・忙しい時や焦っている時だとミスが出やすいので焦ってそう、慌ててそうだったら声掛けをしてほしいこと
という事でした。
Sさんは「よく言ってくれました。ますます応援させてもらいますわ」といった暖かい言葉をかけてくださいました。
それから少ししてSさんから職場のリーダー間に通知があり、またリーダー達から一般職員に通知がありました。
障害をオープンしてから 変わったこと、良かったこと
障がいをオープンにして良かったことは
①周りから一応理解を得られたことです。これまでは”こいつ仕事ナメてるんじゃないか?!”と思われることも多かったと思うのですが真面目に取り組んでも失敗しがちということを形の上でも分かってもらえたことです。とはいってもそこは仕事なので私が失敗をしてもいいというわけではなく私もミスをなくしていく努力や様々な改善はこれからも求め続けられていくでしょう。
②会社自体が障がい者の雇用に積極的に取り組んでおりオープンにしたことで障がい者の方に対する就労支援を行っている団体を紹介してもらうことで自身の仕事の段取りや覚え方、生活面でのケアをしてもらえることができました。しかし身体的な障がいに対しては色々なケアがあるようですが精神的な障がいは個人差も大きく団体の人もどのようなフォローしていいか手探りというのが現状のようです。当たり前といえば当たり前のはなしなのですがこれからも生活面、仕事の面での工夫は求められていくでしょう。
③オープンにしたことで気にしてくれる人は本当に親身になってくれました。これは本当個人差が大きいなあと感じるのですがある方は甥御さんが私と同じ障がいを抱えているらしく様々なものを手渡してくれるようになったり、仕事中でも声などかけてくれるようになりました。またある方は自分も元々塀の中から出てきて現在やり直している最中だから君も頑張ってほしいといったエールをもらうこともありました。
これからオープンにしたいと迷っている人たちにアドバイスのようなもの
こんなことを書いておいてあれなんですけど障がいをオープンにして働くというのは簡単なことではありません。もし周りに信頼できる上司や上席者がいないようなら打ち明けないという選択も間違いではないでしょう。
もし障がいを打ち明けて難色を示すような企業ならいっそ退社してしまうのも一つの手だと思います。
人によっては石の上にも何年だろ!みたいなことを言う人もいるでしょうがそんなことよりもあなたのメンタル、身体の健康の方が大事です。逃げるのは恥だが役に立つ。本当にいい格言です。
私は自分が障がいを持っていることにプラスのイメージはいまだに持てません。なぜ自分がこんな目に合わなければならないのかと苦悶した日もすくなくありません。というか現在進行形で思っています。でも、それでもなんとか生きていくしかないわけでして。
この記事を読んだあなたも何とかのらりくらりとやっていってほしい。私はそう願っています。