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パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女の感想(ネタバレあり)
韓国発のカーアクション映画。
登場人物の背景を考えると全体的にもっと暗い話になっても良いのに、どちらかと言うとハイテンションなアクション盛り盛りでコミカルなバランスの映画になっているのが好ましいし、細かい事をつっこみ出すとおかしな所もあるかも知れないけど娯楽映画として素晴らしい出来だったと思う。
印象的なアクションシーン
カーアクションの見せ場はもちろん凄く良くて、敵から追われる度に切り抜け方がとてもフレッシュ。
冒頭のカーチェイスでいきなり引き込まれた。
超スピードの逃走劇からの縦列駐車でやり過ごす所等の緩急の付け方が凄いし、電車の踏切りをギリギリで横切り敵をまくシーンはカーアクション映画では定番だけど、一旦行けなくて並走してもう一度抜く所など、これまでの定番にワンアイデア足している感じが凄く良かった。
中盤の狂犬みたいな殺し屋(?)に立体駐車場での追い詰められる狭い場所での切り抜け方もめちゃくちゃ面白かった。
それだけじゃなく肉弾アクションやガンアクションも凄くレベルが高かった。
特に主人公が女性なので力じゃなく、その場その場の環境を利用して敵の意表を突き翻弄していくのが観ていて気持ちが良い。
ラストの暗闇の中、敵をゴリゴリ殺していく感じは思ってたよりバイオレンスな見せ場で必殺仕事人みたいでかっこいい。
登場人物
主人公を演じたパラサイトでもお馴染みのパク・ソダムが気怠そうに仕事をこなしてていく感じがカッコいい。
どちらかというと華奢で小柄な印象だし、カーアクションや肉弾アクションになる度に活き活きするメリハリが凄く良かった。飼い猫が酷い目に遭うんじゃないかと思ってヒヤヒヤしていたけど、何もなくて良かった。
レオンのゲイリー・オールドマン風の悪徳刑事もハイテンションでハッキリ救い様のないクズになっているのが逆に清々しい。
飄々としながらギョッとする様な悪事を繰り返していく感じが面白いし、追い詰められる度に小狡く切り抜けていくしつこさも良い、それでいてめちゃくちゃ小物な雰囲気も終始コミカルで彼がピンチになる度結構笑ってしまった。
あと主人公を雇っている社長がめちゃくちゃカッコいい。主人公が言う事を聞かなくなってから、なんだかんだで情の厚さを見せ、窮地に追い込まれても誰のせいにもせず散っていくのが、とてもグッと来た。
気になった所
お話し自体はロードムービーでもあるのだけど、どこへ向かえばゴールなのか?というのがコロコロ変わっていくのが忙しない印象がした。
途中の子供の母親の元へ向かう所とか、送り届けられたとしても、こんだけ警察やらヤクザやらに追いかけられてて安全な訳ないし、どうせその後別の場所に向かうんだろうなぁと予想できる感じなので、次の展開が退屈に思えてしまう。
それと野暮かもしれないけどラストのあの状況から主人公がどうやって助かったのか全く説明無くて、謎だったなぁ。