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「マイ・スパイ2 永遠の都へ行く」の感想(ネタバレあり)

Amazonプライム・ビデオ配信限定作品。

2020年公開の「マイ・スパイ」の続編なのだけど、前作は未見で鑑賞。
本当は観たかったけど、何故か前作は課金しないと観れないという、不親切にも程がある状態に、なっていて、本当にAmazonプライム・ビデオは、こういう所が酷いなぁと改めて思う。
ネトフリとかU-NEXTとかと違って、本当に配信作品のチョイスに人の心を感じない。

という訳で結局一作目は課金してまでは観る気にはならず、内容やあらすじを調べてから鑑賞してみた。
一作目は本当は劇場公開予定だったけど、モロにコロナ過と被ってしまいAmazonプライムビデオのみでの配信に切り替わって結局劇場公開されることがなくなったらしい。
コロナ過で配信限定になった作品は何作もあったと思うけど、そこから続編が作られるというのは、個人的には結構すごい事だし、それだけで立派だと思う。


観れてないながからも、予想した一作目の売りが「身体的には強いけど少し頭の弱い諜報員と、幼いながらめちゃくちゃ天才の少女が組んで悪いやつをやっつけるスパイ映画」という感じらしいのだけど、今回の二作目では2人の関係性がより深くなってるからこそ、思春期になったソフィとJJが本当の家族になっていくという点をメインにしているのだと思う。

前作のソフィは9歳という事で、それ故に頭の回転がめちゃくちゃ早くて天才であるというギャップが活きていたのだろうし、腕っぷしだけ強いJJとのコンビでの活躍が面白いのだろうと想像出来るのだけど、今作ではソフィが割と大きくなってしまい、天才少女みたいな意外性はあんまり感じない。

それでもデイヴ・バウティスタの脱力おじさん演技と、クロエ・コールマンの思春期女子全開の掛け合いがとても面白いので最後まで飽きずに観れた。
この2人のコンビの空気感が大事なシリーズだと思うので、そこは良かったと思う。
ある意味前作の様な分かりやすい売りを敢えて無くしたことで、普通のスパイ映画になってしまった気がしないでも無いが、キャラクターの成長を描く続編としては正しいと思う。(前作観てないけど)

全体的にはコメディとしてそこまで振り切ったブラックさとかも無いし、アクション描写もそこまでカッコいいという訳ではないのだけど、ある意味定番的な安定したスパイコメディを何も考えず観るのを目的に作られている雰囲気。
そういう設定的な所じゃなく今作一番の魅力はこの主演二人の生き生きした掛け合いみたいな点だと思う。
喧嘩したり、なんだかんだ協力したりするのを観て楽しむ感じ。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのドラックスでお馴染みデイヴ・バウティスタは、今作でも常にすっとぼけ演技をキメまくっていて、とても愛嬌がある。
基本優しいけど、根っこにある暴力性みたいなモノが垣間見える感じとかが笑えるし、それでいて登場人物の人間性が分かる様なドラマ的な演技力も高い役者さんなのでちゃんと見入ってしまう。

ダンジョン&ドラゴンズとかで知っていたクロエ・コールマンも思春期女子の生意気な雰囲気をとても魅力的に体現していて、ボケーっとしたデイヴ・バウティスタとの相性がとても良い。

めちゃくちゃ面白いわけじゃないけど、この二人の掛け合いが面白いので「北の国から」の様に、何年か一度のペースで作っていて欲しい気持ちになった。

色んな国を街の美しい雰囲気や、ラストのコーラスシーンエキストラの数等、画的にめちゃくちゃリッチで、その撮影だけでもなかなか見応えがあった。

スパイの訓練をさせているっぽい描写とかも、後半にアクションで繋がってくるのとかもベタだけど的確で良かった。
前半の訓練の時に届かなかった蹴りが届く所とか、彼女のスパイとしての成長を示していた。

JJより更に上の立場のボス役が「ハングオーバー」シリーズ等でケン・チョンがやっているのだけど、今作一番のコミカル担当という感じで終始面白い。
息子のほっぺにプーっと息を吹きかけるウザ絡みとかしょうもないし、エンドロールの悪酔いのシーンとかどういう気持ちで観ればいいんだろうか?と思いながらも笑った。

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