「ダイ・ハート2 ダイ・ハーター」の感想(ネタバレあり)
Amazonプライム・ビデオオリジナル配信限定作品、「ダイ・ハート」のまさかの続編。
まず良かった所は結構時間が短い所。
これくらいの規模だと妥当な短さだと思うけど、サクッと観れるのは前作から引き続き。
あと冒頭のプロデューサーを丸め込む為に、映画的なアクションを駆使し盛大なドッキリを仕掛ける側になってるのが、「今回はもう冒頭でやっていくので、本編は一味違う」という宣言にもなっている気がして映画の出だしとしては良いと思った。
(何故か)サプライズ的に登場したジョン・シナは、この映画では最早1番スターで好き勝手に笑わせにくる感じは観ていて楽しい。
ただ全体的には正直、続編映画としてはかなり失敗していると思う。
前作の売りは実在の俳優であるケヴィン・ハートの「ロック様の横によくいるコメディ担当」というパブリックイメージがあるからこそ、自分主演のアクション映画に挑戦するというドタバタが面白かったのだけど、今作では前作のアクション俳優の転身が上手くいった世界観になっている為、最早実際のケヴィン・ハートの存在感と繋がらない故に普通にフィクションとしてしか観れないので、メタ的な面白さが激減している。
だから正直何をしてもケヴィン・ハートが演じている性格の悪い主人公がドタバタコメディをしているだけという感じで、コメディシーン自体もそこまで面白いものも無いし、全体的にぬるめな映画だと思う。
スペシャルゲスト的なジョン・シナが面白いとは先に書いたけど、前作の絶妙な知名度のジョシュ・ハートネットが本人役で出るみたいなサプライズでは無いのでこの辺のサプライズゲストギャグも前作に比べてめちゃくちゃ弱い。
今回の敵役になるケヴィン・ハートにクビにされたケヴィン・ハートそっくりなスタントマンも雑な設定。
前作の成功からケヴィン・ハートが自らアクションをやる事になったせいで用済みになりクビになった、という設定なら前作のハッピーエンドがひっくり返る感じがするし続編の作り方として良い気もするのだけど、前作からしばらくして調子をこいたケヴィン・ハートがしょうもない見栄を張る為にクビにしたというエピソードが入るせいで、ここも前作から連なりが微妙に弱い気がして、単に主人公の性格の悪さだけが残る。
というか、ジョーダンに指摘されないと思い出せないくらいだから他にも横柄な態度を取ったせいで恨んでる人沢山居そうだし、ここで「あいつが犯人だ!」って流れにいくのもかなり違和感。
このスタントマンへの謝罪や和解の方向にいくのかと思いきや、どちらかというと今一緒にいるアシスタントと仲良くなっていき横柄な態度を改める、という方向に話しが向かうのでスタントマンとのエピソードがうやむやになっている。
ラストに結局乗っ取りが成功してしまったのか?みたいなバッドエンド風の終わり方も最早どうでも良くてなんとも言えない気持ちで映画が終わっていく。
続編映画としてアクションとかがパワーアップしているかと言われるとそんな感じもしないし、予算的にも増えてるのか?よく分からないし(ロケとかは多くなっているが爆破シーンとか絶妙に貧乏くさい・・・)、前作のファンが満足する続編とは言い難く正直何故作った?という印象が強い。
↓前作の感想。