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「ブルービートル」の感想(ネタバレあり)

Netflixで鑑賞。
DCEU17作目になるらしいのだけど、18作目の「アクアマン/失われた王国」が最終作で、結果的にシリーズの打ち切り前の最後から2作目の作品で、しかも日本では劇場公開なしというなかなか不遇な作品になってしまった。

そんな感じで正直まわりでも観てる人が少ない印象で、あまり期待しないで観たけど、普通に面白い正統派アメコミ映画という感じで、かなり楽しむことが出来た。

これまでのDC映画と比べても「ファミリー映画」としての印象が強くて、アクアマンとかも家族全員戦闘員だけど、ああいう神様みたいな種族じゃない普通の家族が最終決戦で全員戦闘に加わる流れはあまり観た事ないので結構新鮮だった。

主人公も家族を大切にしている描写や、現実と地続きな災難に遭いながらも、なんとか助け合いながら家族が形作られたこれまでのエピソードも丁寧で印象的だし、それ故に中盤で家は焼かれ、これまで中心で家族を支え続けた父親が亡くなってしまい、主人公が何も出来ずに攫われてしまうシーンの絶望が深い。

それでも再び残された家族が団結し、主人公の悲しすぎる父親との再会(主人公が父親が死んだ時に立ち会えずどうなったか分からないまま殺されそうとしてたのが観ていてかなり辛い)と、そこからの復活は、強引な感じもするけど、しっかり感動させられた。

家族の命を奪った敵もまた家族を奪われた事で闘いに身を委ねている人物で主人公と裏表の存在になっている。
最終的にその痛みと共感する事で許しを選択する所も主人公の精神的な成長があってグッとくる決着の仕方だった。

ブルービートルのビジュアルや、戦闘シーンも結構良かったと思う。
正直頭の中で話してくるブルービートルの音声AIみたいなモノが後半でのキャラの変わり方とか、かなり強引な感じもするし、正直MCUスパイダーマンのスターク製の音声サポートのキャラとほぼ差がない感じで、もう少し二番煎じ感を無くせなかったのかなぁとは思う。
でも大体なんでも武器を具現化出来る能力表現とかは面白くて良かった。
終盤に出てくるデカい剣のデザインとか主人公の中ニ感全開で笑えるし、アクションとしてもしっかりカッコいい。
あと主人公と融合する流れで、「痛い」とか「痒い」とか、肉体変容の不快感を表現してるのとかが絶妙に生々しいのも個人的には好き。

主人公は勉強を頑張って大学も出たのに、結局金持ちの家の清掃員の仕事しかないのとか、かなりリアルな世知辛さを感じてしんどくなった。
富裕層と貧困層の差が極端に開いて、金持ちの下で清掃の仕事等を奴隷の様に働くしかないのが、辛い。

演じてるのは「コブラ会」シリーズでもお馴染みショロ・マリデュエニャなのだけど、「コブラ会」と同じくなかなかに貧しい中でも、健気に頑張る主人公を好演していた。
本当に気の毒だけど、ドン底から這い上がろうと頑張る若者役が似合う。父親との最後の会話シーンの表情もとても感動的だった。

その他の家族のキャラもみんな良かった。
後半全てを失ってもハイメを助ける為に女性中心でお互いを奮い立たせるシーンとかもグッときたし、そこから祖母が作戦を考えて虫型飛行船で殴り込みをかけるのとかも熱い展開だったと思う。

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