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9/20 河合隼雄本がワタシにとってのホームである

おはようございます。
ドナルド・キーン著『明治天皇』下巻、582㌻をやっと読了、正直疲れた。
明治天皇を軸にした明治という時代の歴史書。
黒船来航から徳川幕府の終焉、父孝明天皇の死後京都から東京に移った明治天皇は日本近代化の大波の中で、日清、日露戦争にも直面していく。いやはや、なんとめまぐるしい時代にめぐり合わせたものか。
ほとんど感情をあらわにしなかったといわれる明治天皇は和歌以外のものは残されておらず、キーンさんは側近の日記などの中から少しでも「生」の明治天皇を発掘しようと奮闘したのが伝わってきた。まさに研究者のなせる仕事である。
下巻は暗殺事件がやたら多いという印象。大久保利通、森有礼、星亨、伊藤博文……。伊藤博文が4回も内閣総理大臣になっていたことをこの本で知った。彼は明治天皇からの信頼が厚かったらしい。
今でこそ、他国の戦争を「早くやめればいいのに」と傍観しているが、当時はちょっと事情が違っていたようだ。日本という国は確固たるリーダーなくなんとなく戦争に突入し、責任者がハッキリしないから終わらせることもままならず、なんとかやっと終わると、今度は戦時中のことはすっかり忘れるという、良くも悪くもそういう国民性なのかもしれない。
そうでなきゃ、江戸幕府が滅んだ直後に手のひら返しの鹿鳴館とかやるか?
まぁ、ワタシとしてはこの節操のなさはけっこう面白いと思うけど……。

大うねりのなかで天皇という立場であり続けるというのは庶民の想像を絶しますな。
そして、現在の天皇陛下の「国民に寄り添う姿勢」は、明治天皇から受け継がれたものであることも分かりました。
明治天皇は全国各地の小学校視察を熱心にされていた。
ちなみに亡くなったとき身長167cm、当時としては高身長だったんですね。
キーンさんの作品は、今後も少しずつ読んでいく予定。

さて、久々に河合隼雄本に戻ったら、(ああ、読みやすい、スイスイ読めるし、頭に入る~)となりました。
長年読んでいるので、文章のリズムに乗りやすいし、文章展開も予想がつく。本の中にはどうしても読み進めることができない文章もあって、その場合はもう諦めます。その点、河合センセはホームグランドみたいなもので、安心して読み進められます。
『続々物語をものがたる』で、河合センセはキーンさんと『更級日記』に関する対談をしているのです。この場合も、河合センセの合いの手の入れ方が小氣味いいんですよ。キーンさんも氣持ち良さそうに話されていて、ニッコリしてしまいます。
他の方との対談は今夜からゆっくり愉しみます。

では、今日もご機嫌元氣な1日を。

無印良品の園芸コーナー

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