冷えた怒り
人から借りたものを雑に扱うことは、相手の善意を踏みにじる行為で、それはそれは罪深く、悲しいことなんだって。
ある人は本当に、本当に物の扱いが悪くて、彼が年頃の子だとしても、私はとても怒りを覚えてね。
でも、今はもうそれがただただ悲しかった。それは怒りを超えた先にある、期待の失った感情で。
彼の行動は、自分のモノと人のモノとの区別がついていないようだった。
私は自分が大切に扱ってきたそれらを土足で踏みにじるような、そんな彼の行為が許せなくてね。
一度二度ならまだ余裕があったかもしれない。でももう、そんな余裕はないとはっきり言えるだろう。
そんな風に扱うなら、初めから「欲しい」 と言ってくれた方が この心は傷つつかなかったかもしれない。
彼を信用しないと心に決めたのは、とっくに前の事なんだけどね。
でも、もしかしたら私が神経質なだけなのかもしれない。と問われれば私は完全に否定できない。
でも、でもだよ、ぐちゃぐちゃになったあの私の色鉛筆を見て、使えなくなった何本もの色鉛筆を見て、私は何を思えば良かったのだろう。
そんなくだらない過去を、今日は考えてみた。