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10月スタート新ドラマ「わたしの宝物」の期待度

10月スタートの新ドラマの第1話を観て、個人的な期待度について語ってみようと思う。

今回紹介するのはフジ木曜夜10時放送「わたしの宝物」


概要と女優・松本若菜の新境地

概要は以下の通り。

フジテレビでは2024年10月期の木曜劇場にて、松本若菜さん主演の『わたしの宝物』を10月17日(木)より放送することが決定いたしました。
松本さんは、今作がフジテレビ系連続ドラマ初主演となります。
本作は、夫以外の男性との子供を、夫との子と偽って産んで育てる「托卵(たくらん)」を題材に、“大切な宝物”を守るために悪女になることを決意した一人の女性とその夫、そして彼女が愛した彼、3人のもつれあう感情を完全オリジナル脚本で描く、ひりつく大人の恋愛ドラマです。
この秋、めざましい活躍を見せる松本若菜さんを主演に迎え、「托卵」という禁断の決断を下す悪女の物語が幕を開けます!

フジテレビ「わたしの宝物」公式

2022年放送「やんごとなき一族」で、本格的なブレイクを果たして以来、
ドラマや映画にまさに”引っ張りだこ”な女優・松本若菜。
多くの作品に出演しているが、ブレイクのきっかけがあの役柄であっただけに、
これまでコメディ色の強い作品、役柄に偏りがちであったと思う。
また、番宣も兼ねて出演するバラエティ番組では、他の出演者と一緒になって大笑いしている姿が、彼女をお茶の間に”美しく、且つ可愛らしいノリの良い素敵な女優さん”であると印象づけた。
そんな彼女が今回演じるのは、バラエティ番組で見る姿とはかけ離れた悪女だ。
夫とは違う男性との間にできた子を、夫の子と偽って産み育てるのだ。
ところが、ただの悪い人ではない。
主人公・神崎美羽の孕む特別な事情が、やむなく彼女を悪女にさせたのだ。

本作は、先の読めない展開だ。
故に、現時点では視聴継続・断念の判断がつきかねる
以降、頭の整理も兼ねるため、物語のあらすじ説明を書き連ねる。
故に今回は、感想パートが短めになりそうである。

聖女を悪女にする環境

美羽は一般的な専業主婦だ。言い方は悪いが、これといった特徴はない。
そんな彼女を悪女に仕立て上げた人物がいる。
そのことに本人は気がついていないようだが、その人物とは夫・神崎宏樹(田中圭)だ。
宏樹は所謂モラハラ男であった。
突然夜に後輩を家に連れ込み、美羽に飲み食いのもてなしをさせる。
とある事情で家事をし損ねた美羽に向かい、命令口調で詰る。
忘れ物を会社に届けさせたかと思いきや、美羽の服装にケチをつける。
挙げ句の果てに、子供を望む発言をした美羽に対して「暇だからそんな事を考えるのだ」と決めつけてまともに取り合わない。
しかし、実母の入院費などを肩代わりしてもらっている立場の美羽は、言い返すことすらできないでいる。
そんな状況が、美羽を他の男性との情事に駆り立てたわけだが、
宏樹は、会社や夫婦共通の知人に見せる外面だけは完璧だ。
故に、美羽は知人に相談を持ちかけようとしても、信じてもらえないのである。
宏樹からのハラスメントを浴びせられるだけでなく、周囲に味方がいないことが、悪女への第一歩である”孤独な状況”へと彼女を追い込んだ。

田中圭はたまに、このような不出来な人間の役をするが、かなりハマり役だと思う。度々取り沙汰される女性関係やギャンブルの噂が、全く無関係とは言い難いが、それでも犬系男子を演じる時とのギャップは凄まじい。
私自身にトラウマはないが、仕舞ってある嫌な記憶を引き出すかのような演技に思わず気圧され、背中辺りがゾワっとする。
宏樹が美羽を睨みつけるシーンでは、視聴者の顔も強張り、萎縮した姿勢になるだろう。

神崎夫妻

孤独を救う人

孤独でないはずなのに孤独。
美羽のそんな状況を救ったのは、幼馴染の冬月稜(深澤辰哉)。
2人にとっての思い出の場所で偶然の再会を果たす。
一風変わった性格の彼は、あの時と変わらぬ姿で美羽を楽しませる。
そんな冬月に美羽が惹かれてしまうのは、自然の摂理と言っていい。
美羽は冬月にとっては忘れられない初恋の相手であった。
こうして2人は、ただ思い出を語り合うだけの関係ではいられなくなった。
ところが冬月は、仕事で海外に飛ぶことが決まっていた。
残り少ない時間を、2人は互いを心から想い、安らぎのひと時を過ごした。
美羽は、序盤で既婚者であることを打ち明けている。
そのこともあり、冬月の旅立ちと同時に、名残惜しくも別れるのであった。

そんな簡単に懐かしの幼馴染と再会!?という心の声はさておいて。
既婚者であるのに(相手が既婚者と知りながら)そんな簡単にことに及ぶ!?との心の声もさておいて。
所謂、胸キュンシーンはあまりなかった。だが、それが良いのだろう。
わざとらしい胸キュンシーンよりも、自然な会話の中で生まれる安らぎの方が、
宏樹のモラハラを浴び、心を擦り減らした美羽と視聴者にとっては大切で、必要であったのだ。
多少都合が良すぎた場面はあったものの、感情の起伏が激しすぎない「大人な恋愛」がうまく表現されており、安心して観ることができた。

終盤の急展開に呆気を取られる

終盤、いきなり事態は急転する。
まず、美羽の妊娠が発覚する。
そして、DNA鑑定の結果、宏樹は父親ではないことが断定される。
それは同時に、冬月が子ども父親であることを指すのだ。
DNA鑑定結果の用紙を手にしながら驚愕する美羽の目に飛び込んできたのは、
旅立った先での、冬月の訃報であった。
本作は托卵をテーマにしているため、美羽の妊娠は見込めていたことであったが、
まさか子の父親である冬月がこの世を去る展開になろうとは、視聴者の誰もが想像し得なかったことだろう。
失意のどん底にいる美羽は帰宅後、宏樹に子どものエコー写真を見せながら、自身の妊娠を打ち明ける。

「赤ちゃんできたの。妊娠したよ・・・あなたの子よ」

これまでの穏やかな展開に比べ、終盤のスピード感には驚く。
一気に詰め込んできた感があるが、とはいえそこまで不自然さもなく、
視聴者が置いていかれることもない。
そして当然気になるのは、今後の展開だ。
第1話は上記の美羽の言葉で閉じ、まもなく次回予告が映し出される。
そこで、宏樹の「全然喜んでないんです」との台詞が流れる。
子どもを望んでいたはずの妻が、自身の妊娠を喜んでいない。
早速、違和感に気がつき始めているようだ。
托卵の事実は、どこでどのように明かされていくのだろうか。
そして、第1話ではちょろっとしか出演しなかった冬月の事業パートナー・水木莉紗(さとうほなみ)は、公式HPの相関図を見る限り、冬月に密かに想いを寄せていたようである。
その水木が、今後何かしら動きを見せそうである。
ミステリー作品ではないにも関わらず、かなり謎の残る第1話であった。


1997年生まれ、丑年。
幼少期から、様々な本や映像作品に浸りながら生活する。
愛読歴は小学生の時に図書館で出会った『シートン動物記』から始まる。

映画・ドラマ愛は、いつ始まったかも定かでないほど、Babyの時から親しむ。
昔から、バラエティ番組からCMに至るまで、
"画面の中で動くもの"全般に異様な興味があった。

MBTIはENFP-T。不思議なまでに、何度やっても結果は同じである。
コミュニケーションが好きで、明朗快活な性格であるが、
文章を書こうとすると何故か、Tの部分が如何なく滲み出た、暗い調子になる。(明るい文章もお任せあれ!)


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Nanochi
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