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詩:家族中毒

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だいぶ前に書いた詩を1つにまとめたもの。ちょっと恥ずかしい。
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2014年9月の記事一覧

家族中毒:あまりに命を覗かせる

存在を求む指と指。
唇を求め、頭髪の太さまで
探り出そうとする様は、
互いの人間が、 人格が、
頭の中で今もうねって熱を帯び、
存在を目の前に知らしめている。 
 
暗闇の中で踊る体が、
閃光と共に画に納まるならば、
その様は誰のものであろうとも、

    命の躍動に溢れるのだろう。
 
大理石のように輝くその身と、
生命の飛沫の一つ一つを
肉体で敏感に感じ取りながら、 
  存在を確認し、
 

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私はあなたを咀嚼する

  (喉をひっかきまわす)
まるで枯れ井戸のようだ。
水分がまるで足りない。
 
  (声帯と舌がうごめく)
違う……。
これは、
沸き立つ食欲。
 
  (胸の風穴数千メートル)
そうだ、肉が抜け落ちた。
 
  (ホシイ! ウメロ! ミタセ!)
まさに盲目。
感情の支配。
 
  (―― ―― ――)
抑えられぬ欲。
 これはあなたに対する劣情ではない。
 
忘れ去られた
ニューギニアのように

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