家族中毒:あまりに命を覗かせる
存在を求む指と指。
唇を求め、頭髪の太さまで
探り出そうとする様は、
互いの人間が、 人格が、
頭の中で今もうねって熱を帯び、
存在を目の前に知らしめている。
暗闇の中で踊る体が、
閃光と共に画に納まるならば、
その様は誰のものであろうとも、
命の躍動に溢れるのだろう。
大理石のように輝くその身と、
生命の飛沫の一つ一つを
肉体で敏感に感じ取りながら、
存在を確認し、
嫌悪するすべてを包み隠し
ただ何もない己を
表の舞台へ引きずり出す。
もしもそれが己を鎮め、
安定させるとしても
そこに安定を求めてはならない。
展開されるであろう
盛るように咲かせた花の蜜は、
甘美な毒になる。
だから、どんな気分でも、
今は語ろう。
必死に己を研ぎ澄まそう。
美しく華麗で艶やかであろうとも、
自分が覗く命に怯え
背負いきれなくなるから。