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【イベント報告】2022.12.18『仮放免者の話を聴く会』

はじめに

2022年12月18日(日)に「仮放免者の話を聞く会」を実施しました。このイベントは入管問題における当事者である仮放免者の方の声を聞き、日本社会の一員として私たちに何ができるのかを考えるきっかけにすることができればと思い、定期的に開催しているイベントになります。今回は仮放免状態で暮らすハンナン・ミアさんをゲストにお招きしお話を伺いました。本記事ではイベントの内容を報告します!

↓イベント企画の裏側はこちら!↓


ミアさんのプロフィール

バングラディッシュ出身で1988年に来日。品川、牛久の入管収容施設での収容を経験しています。現在は難民申請中(3回目)で仮放免状態で暮らしています。

ミアさんのお話

来日の経緯

 ミアさんは反政府グループでの活動から、自身の身に危険が及んだため、1988年3月に日本に逃れてきました。当時、日本へは航空券のみで入国が可能であったこと、そして、先進国として難民を受け入れてくれるだろうと考えていたため、日本に行くことにしました。当時は当時は日本語も分からず、難民申請の手続きについて分からなかったこと、また労働市場が深刻な人手不足に陥っているなかで、在留資格がなくとも定職に就いて働いていれば警察や入管から咎められることもない状況であったため、長らくそのままの状態で真面目な労働者として暮らしていました。

収容

 2009年7月に突然入管収容施設に収容されます。収容環境は劣悪なものでした。6~8畳の部屋に12人が生活すること、ごはんのまずさ、医療に十分にアクセスできないこと、フリータイムの時間制限、、多くの例について言及されました。
 そして、2011年12月には牛久入管に移収されます。牛久は品川入管よりひどい状態でした。「(施設から)出るか死ぬか、みんながそう思っていた」とミアさんは当時を振り返ります。ミアさんは被収容者の命と健康守るため、他の収容されている方と団結し、帰室拒否、ハンガーストライキなどを通じ、入管への抗議を続け、施設の外に出ることができる「仮放免」が認められます。

仮放免中の生活

 しかし、収容施設を出たからと言って、満足な暮らしが送れるわけではありません。ミアさんは「仮放免の人は大変な思いをして暮らしている」と語ります。というのも、仮放免状態では仕事ができない、健康保険に加入できない、居住する都道府県外への移動には許可が必要など、さまざまな制約があるのです。現在、ミアさんはその仮放免という不安定な状態で、生活をしています。

ミアさんの訴え

 入管のひどさについて多くの人に知ってもらいたい。面会に来て、どんな生活でどんなに苦しんでいるかを知り、多くの人に伝えていってほしい。(入管のシステムを)変えていくために市民・学生の力を貸して欲しい。今のシステムを変えるために一緒に頑張ろう。


感想・さいごに

ミアさんのお話の中で、特に次のお話が印象に残っています。

「仕事できるのにできないのはつらい。みんなから助けてもらわないといけない。みんなに言わなきゃいけない。助けてください、助けてください。それは私たちとしては、本当に死にたいですね。例えば一人に何回も言うの。助けてください。。それは言うことはできないでしょ。私は恥ずかしい。でも助かるためにそれはやるしかない。入管として考えてほしい。日本の政府として考えてほしい。同じ人間として、私たちは動物じゃない。同じ人間としてみんなと同じ生活をしたい。真面目に生活したい。自分の家族を守りたい。奥さんを守りたい。子どもも守りたい。」

 「同じ人間として生活をしたい」、そんな言葉が誰かの口から出てきてしまう社会で果たしていいのかと思いました。誰もが人間としての尊厳をもって生きていける国にしたいと、この国に暮らすいち市民として強く思いました。

 また、一昨年多くの世論の反対の声の高まりにより政府が成立を断念し、廃案となった入管法改悪法案が今年3月上旬に再び国会に提出されると報じられています。法案には、難民申請3回目以降に送還が可能となる規定が盛り込まれており、今回お話を伺ったミアさんも例外ではありません。帰るに帰れない方々をより追い詰めるものになっており、法案成立を阻止する必要があります。BONDでは今後デモなども開催していきますので、読んでくださっている方々にはぜひ一緒に声を上げていただきたいです。

 以上「仮放免者の話を聞く会」の報告でした。今後もイベントや各種SNSを通じて、入管問題における当事者の方の声を届けていきます。

 また、ボランティア募集も受け付けています。春と秋に説明会を実施していますので、興味のある方はHPよりぜひご応募ください!


署名へのご協力お願いします!

①ウィシュマさん死亡事件に起訴処分を

②入管法改悪反対


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