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振り返りの意義 #社会科教育⑥

前回から久しぶりの社会科シリーズです。


1.振り返りはなぜするのか

探究的な学びの充実に向けて欠かせない学習活動が「振り返り」です。不確実性の高い時代のなかで、都度課題を解決していくためには、生涯にわたって学び続ける必要があります。そのために自分の学び方の特性を理解し、その特性に応じた学び方のスキルを高めることが求められるでしょう。探究的な学びの中で、授業での気づきや学びを振り返ることにより、子どもたちは自らの学習が最適になるように調整しようとするはずです。これを自己調整できる能力と呼び、学習指導要領では「学びに向かう力」と定めています。先ほどご紹介した資質・能力の柱の1つを担う重要なものです。

小林 祐紀
茨城大学 准教授インタビューより

社会科の振り返りでは自己調整する力をつけたり、その日の1時間がどうだったかを理解させたりする時間と捉えています。

おそらく引用のインタビュー記事は、総合的な学習の時間の振り返りと捉えたところかと思いますが、探求的な学びと社会科の学びはリンクできるところが多いと感じています。

2.振り返りの視点

どのように子ども達の1時間の学びに子ども達自身が目を向けるのか。

その視点を身につけるために、振り返りの視点をまとめました。

振り返りの視点

これらの視点は、私が所属する市の社会科の研究会で作ったものです。

この視点を意識することで社会的な見方考え方を働かせて問いを解決するという視点や、どんな立場で考えているのかがクリアになるという意図があります。

そして、学びの現在地を知ることで、この学びは単元の中で何に繋がっていくのかを意識します。

振り返りの視点を設定して逆算すると、単元デザインにも自ずと良い影響が出ます。

子ども達が単元の中で自分の立ち位置を明確にできるような単元デザインをしていなければ、子ども達が自己調整をすることはないということなのです。

振り返りの視点を設定することが自分自身の社会科観にも影響するのです。

3.振り返りで何を評価するか

振り返りを1人1台端末で行うことによって、学習履歴を残すことができるようになりました。

授業後に落ち着いて子ども達の文章を見ることができるようになったことはとても大きな意義と感じます。

そして、相対的に子ども達の記述を見ることができることによって自分の中で客観的なハードルを設定することができるようになりました。

そのおかげで、振り返りによって主体的な態度の評価がしやすくなりました。

自分は毎時間振り返りをさせています。

指導に生かす評価と評定に残す評価を分けながらも振り返りの変遷を辿ることで子ども達の自己調整が見えるようになってきました。

これからはその評価の妥当性や一般化を模索するために、同学年の先生方と集まり、評価談義をできたら良いなと考えています。

お付き合い頂きありがとうございました。

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また、社会科の教育や働き方改革についてマガジンにまとめています。そちらも是非ご覧ください。


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