知識の仕入れ方~読書を仕事につなげる技術~
以前、こんなことを書きました。
なので最近は「知識」のインプット・アウトプットの仕方に興味があったりします。
そこで読んだ本が、山口周著「読書を仕事につなげる技術」です。
知識の使い方には様々あります。何かを理解するため、何かを解決するため、単純に人と共有するため。今回はそんな中から、「問題解決のため」を意識したインプット・アウトプットの方法に注目します。
タイトル通り、今回のインプットは本によるものです。効率的に知識を得、問題解決に活かせるようにする方法を学べる本になってます。
本題に入る前に言っておきたいのは、これからの私の読書を完全にここでの方法にしたくはないです。というのもすべての読書を効率的に行うことは、本が持つ世界観や文体の美しさを蔑ろにしてしまうように思えるからです。
なので、単に知識を得るためだけの本に関しては今回の方法を用いていいと思いますが、自分が楽しみたいなと思った本に関しては引き続き自由に読んでいきたいなと思います。
構成
この本は大きく二つのパートに分かれます。一つ目は本を読む際の原則について、二つ目は本の種類と読み方の詳細です。
特にこの本では本を、「仕事に関する知識が書かれたビジネス本」と「一般的な知識が書かれた教養書」に分けて、それぞれに対して考えています。
本を読む際の6つの原則
著者は本を読む際の原則として次の6つを挙げています。
ビジネス書は狭く深く、教養書は広く浅く読む
本は2割だけ読む
読書は株式投資と考える
忘れることを前提にする
5冊を1回ずつ読むより、1冊を5回読む
読書のアイドルタイムを極小にする
1は本との向き合い方についてを言っています。ビジネス書は大切なところだけを抽出できればいい、教養書は幅広く読んで知識同士を抽象化し結び付けていくように読むことが大切だということです。
2はいい本の見つけ方について言っています。いい本を見つけなければ、いい知識を得ることはできません。かといって、本の全てを読んでいては時間がいくらあっても足りません。目次やイントロなどを2割だけ読んでみて、読むにたる本かを判断することが大切です。
3は読書そのものの考え方について言っています。「読書は、自分の時間とお金を投資して、人生の豊かさを回収するという投資行為だ」と書かれていました。本を消費する(全部をしっかり読む)のは、本当に価値があるものだけにするべきだということです。
4は得た知識について言っています。得た知識はすべてを完全に覚えておくのではなく、適切に抽象化しておくことで、枝葉の部分は忘れたとしても幹の部分(肝心な概念)は使えるようにしておくことが大切です。
5はいい本を見つけた後について言っています。いい本を見つけたら、そこでの話をしっかりと理解できるまで何回でも読むことが、より知識を定着させ、使えるようにするために必要です。
6は読書の仕方について言っています。「一つの本を読み終わるまで他の本を読まない」という読書の仕方では、その時の気分によってはその本は読みたくないなどの状況が起き得ます。それを極力なくすために、多くの本を並行して読むことがいいです。
「何を?」「どうやって?」読むのか
本書では「ビジネス書」と「教養書」のそれぞれについて、「何を」「どうやって」読めばいいのかが書かれています。
まず「ビジネス本の何を読むか」ですが、これは作者自身が示している本たちのような本質的な本を読めばよいです。これは原則の「ビジネス本はいいものを深く読む」からきています。
次に「ビジネス本をどうやって読むか」です。原則通りに読んだ後、書かれていた知識はすぐに実践。これが大切です。そして、基本的なものを読んで、これからの人生のキャリアを考えます。
このようにビジネス本とは、自分のキャリアの方針を導くような本を指しているのかもしれません。
では「教養書の何を読むのか」についてです。こちらには決まったものはありません。著者は、自分の興味の赴くままに読んでみることを勧めています。なぜなら、自分の個性を伸ばすことは、社会に出たときの差別化につながるからです。自分の中の教養を掛け合わせ、新しい価値を見つけるためには、意外な掛け算が大切になるはずです。
また自分の好きなものを読んでいくことは、自分の理解にもつながります。様々な好みから、帰納的に自分の興味や関心、生き方についてもわかってきます。本当に自分のしたいことは何なのかを見つけるためにも、教養書を読むことは必要でしょう。
最後に「教養書をどうやって読むか」です。教養は短期的な目的を満たすために読むほうがいいです。というのも、原則のように忘れてもいいよう、抽象化することによって、いつでも使えるようにしておけば、ずっと知識をアウトプットし続けなくてもよく、その場その場でのアウトプットで事足りるからです。
よって教養書を読むときは、書いてあることを抽象化することに重きを置く必要があります。そのために読書ノートを書くことが勧められます。また、積極的に書き込みをしたり、本棚を工夫したりすることもいいです。
まとめ
以上、本書で書かれていたことをざっくりまとめました。
ビジネス本と教養書で分けることによって、両者の読書における機能を知ることができ、今後の読書の方針を決めるのに役立つなと思いました。
また、著者のおすすめの本を知れたことで、ビジネス本に関しては次に読む本に困らなくなりよかったです。
今ならkindle unlimitedに月額10円で入ることができ、読み放題プランでこの本を読むことができるので、読みたいと思った方はぜひ。
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