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キャリア教育の本質とは 働き方の多様性

キャリア教育って?


小学校では,教科にはないが,キャリア教育という言葉が使われ,そういった教育がしばしばなされている。

そもそも学校で行われているキャリア教育ってどんな教育かご存知だろうか?
ボクが今まで教員時代に行ってきたキャリア教育のイメージは,

「職業教育」

である。

世の中にはこんな仕事があって,こんな働き方をしている。
または,こんな役割があって,こんな風に人や社会と関わって生きていく。

このような指導が行われている。

実際に自分で調べ学習をすることもあるだろう。
もちろん学校や地域によって異なる場合もあるとは思うのですべてが該当するわけではない。

では,実際キャリア教育とはどういったものなのだろう。


キャリア教育とは


中央教育審議会では,次のように定義されている。

「一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して, キャリア発達を促す教育。」

つまり,実社会に出た時に一人で生きていくことができる「生きる力」を育てる教育である。

さらに,キャリアという言葉も中央教育審議会の資料に出てくる。
※長いので一部抜粋

キャリアとは

「人は,このような自分の役割を果たして活動すること,つまり「働くこと」を通して,人や 社会にかかわることになり,そのかかわり方の違いが「自分らしい生き方」となっていくもの である。 このように,人が,生涯の中で様々な役割を果たす過程で,自らの役割の価値や自分と役割 との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが,「キャリア」の意味するところである。」

キャリアとは,自らの役割の価値を積み重ねていくということである。



キャリア教育の本質とは


これらをふまえながら考えると,ボクは職業について教える,調べるといった教育はキャリア教育になるのだろうかという疑問を抱く。

子どもたちは世の中の目に見える職業や親から教わった職業しか知らない。
そんな状態で調べても行き着く先は知れている。

ボクは考え方を逆にしなければならないと考えている。
上記にもあるように職業ではなく,まずは自分の社会のなかでの役割を知らなければならない。

しかし,中学生ならまだしも,そもそも小学生が自分の役割など理解しているはずがない。

自分の役割を知るためには,

自分がどういった人間で,どのような仕事ができるのか。
どのような方法で人を喜ばせることができるのか。
どんなことで人に貢献できるのか。

6年間かけて自分を知るべきなのである。

そして,職業ではなく,働き方を教えるべきである。
そこから自分の社会での役割を考えていけばよい。
自分に合った働き方を探したり,必要な能力を身に付けてたりしていけば良いのである。


働くということ


では,職業ではなく,働き方とはどういったことなのか。

何かの本で見かけたものがものすごくしっくりきたのだが,

働くとは,

・人がめんどくさいと思うことをする。

・人の悩みを解決する。

・商品を売る。

・経験,体験を売る。

主にこれが働くということに当てはまるのではないかと思う。
つまり価値を提供するということ。

例えば,
・ショップ店員は商品を売る。
・インストラクターは楽しいという体験を売る,または悩みを解決する。
・アーティストは作品を通してその人が楽しむ体験を売る。
・清掃員は人がめんどくさいと思うことをする。
・教員は人がめんどくさいと思うことをする,または人の悩みを解決する。
・youtuberは動画配信を通して人の悩みを解決するものが多い。

こういった職業にあてはまってくる。

自分を知り,働き方を知り,役割を知り,最後に職業を考える。
そして自分に必要なものを伸ばしていく。

これがキャリア教育の本質なのではないか。

自分が人の悩みを解決する仕事をしたいのなら,何の悩みを解決したいのか。そのためには何の職業に就けばよいのか。そして,その職業に就くにはどういった能力が必要なのか。または,既存の職業ではなく,新しいやり方を生み出したほうがよいのか。

このように,考え方を逆にすればどんどん可能性は広がってくる。

まとめ


キャリア教育とは,自分は何ができるのかを見つけ,それに必要な能力を育てていく教育なのではないだろうか。

自分を知り,働き方を知り,役割を知り,能力を育てる。
それを使ってどのうように社会に貢献するのかを考える。
これからの時代,新しい職業はたくさん生み出される。

ただ職業を教えるのではなく,こういった教育で時代の変化に対応できるような人材を育成していって欲しい。


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