岸田國士『留守』あらすじ紹介を、4人がそれぞれにしてみる。
『留守』は1927(昭和2)年4月1日発行「文藝春秋 第五年第四号」にて発表された、岸田國士さんの戯曲です。今は青空文庫で拝読可能です。
1927年ということで、2020年の今から93年前に発表されていますね。昭和に入ったばかりの春発表された作品ですので、着想や執筆はひとつ前の大正時代かもしれません。
今回は劇中の時代を大正時代に仮定してみています。(みんなで時代背景などを勉強中です)
会場として予定しているのは、大正時代に建てられたという京町家です。
現代を生きる私たちが、100年前に作られた空間で、93年前に描かれた戯曲を演じる。現代と昔を、いい塩梅にいろいろ織り交ぜていきたいです。
『留守』は数十分の短い物語で、登場人物は3人。
舞台となるお屋敷の女中をしている、お八重さん。
そのお隣のお屋敷で女中をしているおしまさん。
両家に御用聞きに来る八百屋さん。
今回は、演出+役者三人がそれぞれにそのあらすじの文章を考えてみました。ルールは130文字以内という点のみです。それぞれの「あらすじ」をお楽しみください。
演出・たかつかなによる『留守』あらすじ紹介
女中たちは主人のお留守に束の間の休息。火鉢に当たり愚痴と煎餅を楽しんでいると「みんながアンタの噂をしてるよ」と口軽いおしま。言われた方は堪ったもんじゃないと憤るお八重。そこへ「みんな」の1人として名を出された八百屋が御用聞きに来てしまって……さあどうなる?
役者・村井春奈による『留守』あらすじ紹介
花嫁修行中の女中さん、頭も滅多に洗えないくらい忙しい中の貴重な貴重な昼休み。女中フレンズのお宅に上がって、どうする?何しちゃう?女中トークに花が咲いてお煎餅がすすむけど、ノンノン食べ過ぎたら奥様にばれちゃうよ⭐️
役者・イシゲタカヒサによる『留守』あらすじ紹介
大正という時代。
激動の変化の時代。
そんな時代でも、変わらないのが人のサガ。
噂話にヒレをつけ放す人。
ヒレに踊らされ人を問い詰める人。
問い詰められ語るに落ちる人。
そんな3人のちょっとしたすれ違い。
おやまぁしかし、今も昔も、人の口に戸は立てられぬものですねぇ。
役者・宝亭お富による『留守』あらすじ紹介
大正が終わり、昭和が始まる頃。女中が奉公にきた小さな京町家での日常を垣間見る。
いるはずの家族がいないほんのひと時の「留守」の間に、女中はただの女の子になる。
普段語られることのない日常を生きていた人たちの何でもない日常を描く。
まだ『留守』を読んだことのない方は、興味が湧いたでしょうか?4人とも同じ脚本を読んで「あらすじ」を考えたわけですが、どうしてどうして、言葉選びや視点に個性が出ますね。
ぜひ読んでみてくださいね。
しつこいですが、青空文庫のリンクを張っておきます。
それではまた。たかつでした。
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