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Photo by
ayakonishihara
ウーフと出会って
ぼんやりと 外を眺める 本のにおい
私が初めて本を読んだ、読了した、と感じたのは小学校の時に読んだ「くまの子ウーフ」です。
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今でも覚えているのですのが、明るい小学校の図書室の低い本棚に並んでいたカラフルな背表紙を取って、中を見た時。
「文字が多い…読めるのかな」
まだ文字数の少ない絵本ばかり読んでいた私にとって、それは挑戦でした。
なぜ、読んでみようと思ったのだろう…。
今になって不思議になり、くまの子ウーフの表紙を見てみると、なんとなくわかる気がしました。
とぼけたような、ちょっと戸惑っているような、両肩を少し上げて、「どうしたの?」と声をかけたくなるウーフの表情。
私はそんなウーフの表情にさそわれて、手に取ったのでしょう。
この時の、本を読めた!という感動のおかげで、私は本を読むことが楽しい事だとおもえるようになり、ウーフに似たくまのぬいぐるみや、小物を集めるようになりました。
クリスマスにはテディベアのぬいぐるみを。
学校の給食袋には、くまの絵柄のはいった布で母が巾着を作ってくれました。
今でもこうして図書館に通い、この本のある生活を送れているのもウーフのおかげ。
横並びになっている図書館の読書コーナー。
隣の人が小さくため息をついて、本に人差し指を栞にして、窓の外を眺めています。
私は本だけでなく、この本を読む人に漂う雰囲気、文字を追い疲れた人の暫しの休息、本にまつわる様々な風情が好きです。